とある日、息子の前歯が出っ歯になりつつあることに気づいた。
隣の歯との間に隙間もできており、違和感を感じた。
出っ歯とすきっ歯・・・すごいハーモニーが奏でられそうだ。
さっそく近くの歯医者に連れていき、レントゲンを撮ると・・・
なんと、乳歯と永久歯の歯の間に、謎の歯が映っているではないか!?
これは歯の心霊写真か何かか!?
「あ~・・・過剰歯ですね。」
「か・か・カジョウシ!?」
「たまに過剰歯がある人がいるんですけど、とりあえず歯並びに影響がある可能性があるので、抜いちゃった方が良いですね!ここではなく、大学病院の口腔外科で処置してもらうことになります。」
なぬ--ーーー。
ちなみに息子にはつむじが二つあり、レアな男だとは思っていたが、過剰歯とは...。
サメか、おぬしは。
しかし息子は、自分がサメと同等であることを喜んでいた・・・。
◇
残念がっていても仕方ないので、後日大学病院に訪れた。
息子は、部分麻酔でも耐えられるというので、見守っていると・・・
やはり麻酔が苦痛なのか、泣き始める。
「うぅ・・・うぅ~・・・苦い・・・苦いよぉ・・・。」
シクシク男泣きである。
泣いてはいるが、これでも我慢しているのが、母ながら分かるのだ。
5分もすると、無事、乳歯も過剰歯も引き抜かれ、息子は解放された。
過剰歯とやらを見てみると、なかなか根っこが長かったことが分かった。
記念に過剰歯を持ち帰ると、何故か夫が惚れ惚れと眺めだす。
「この形いい・・・!!!」
後日、「あれ、捨ててないよね!?」と確認されたほど、夫は息子の過剰歯にときめいていたのであった。
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