我らのマンションには、生き物が多い。
玄関の前に、シジュウカラの巣ができたり(詳しくは、+ちゅんちゅん事件+
)…

イモリだかヤモリだかが、チョロチョロしていたりする。

そして、一際存在感をはなっているのが、ヌシである。

ヌシとは、親指の第1関節ほどの小さい雨蛙なのだが、晴れの日も、雨の日も、マンションの階段の手すりや地面に、ただじーっと身を石のようにしているのだ。

たまに、ピョコンッと跳ねると、ギャ―――!!!と悲鳴をあげてしまうが、その落ち着き、貫禄に度肝を抜かれ、「ヌシ」と呼ぶことにしたのだ。

「貴方が跳ねただけで、私はこんなにも慌てふためくのに、貴方は微動だにせず、悟っていらっしゃる…。参りました…!」
買い物やちょっとした散歩から帰って来た後でも、このヌシに出会うとき、「家に帰って来たんだなぁ…。」としみじみ感じるのである。

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