【播磨の丘の初球場 ~桃色行脚'18~】 | 監督のささやき戦術

 辛く長かった野球のない冬の間に溜めこんだ鬱屈を一気に発散すべく、未踏だった憧れの球場を目指して今季初遠征を敢行した、昨日の休場日の話をさせて頂く。

 

 

 朝6時などという、居酒屋稼業の人間からすればほぼ「夜中」と言える時間に起き出して、乗り込んだのは西へと向かう青い新幹線。東京からおよそ3時間半をかけて、やって来たのはこの球場。

 兵庫県神戸市須磨区の丘の上にある、ほっともっとフィールド神戸である。

 

 正式名称は「神戸総合運動公園野球場」。旧名称は「グリーンスタジアム神戸」「Yahoo! BBスタジアム」「スカイマークスタジアム」(一瞬「神戸球場」)と、日本の球場におけるネーミングライツ導入の魁らしい目まぐるしい変遷を経て、2011年より現名称。何となくついこの間変わった気がしていた「ほっともっと」の名称も、もう8シーズン目ということになる。

 

 かつてのオリックスブルーウェーブの本拠地であり、現在はオリックスバファローズの準本拠地としてプロ野球ファンにはお馴染みにもかかわらず、ここ数年公式戦があまり日曜日に組まれないこともあって、今まで未踏であり続けたこの球場。オープン戦期間を利用して、桃色行脚6年目にしてようやく念願の初訪問が叶ったのである。

 

 

 最大の懸案であった天気もすこぶる良好とあって、テンションも高く憧れの球場に入場。

 バックネット裏から眺める、フィールドの全景。 かつての「グリーンスタジアム」の名も大いに頷ける、美しい総天然芝のフィールドである。

 

 三塁側内野スタンドの一番端最前列から、バックネット方向を望む。

 綺麗にグリーン一色のメインスタンド。防球フェンスがかなり低く、どこからでもフィールドが見やすい。内野の照明は2階の屋根に備え付けられており、照明塔がない分空が広く非常に開放感がある

 内野スタンドの公称定員は1階が14000名、2階が13000名と、それだけで楽天生命パークのキャパに近い数が収容できるマンモススタンドである。

 ちなみにこの日は内野2階席が開放されておらず、残念ながら探検できず。

 

 反対側、一塁側内野スタンドの一番端から眺めた、外野スタンドの光景

 今やプロの本拠地球場ではお目にかからないベンチシートタイプ。もちろんここも緑一色に統一されている。スタンドはかなりしっかりと勾配が取られており、見やすそうである。

 収容人員数は両翼合わせて8000名とのこと。

 

 今や各地の球場にあり、珍しくもなくなったこの席種は、ここ神戸が発祥らしい。

 2003年に設置された、一三塁側のフィールドシートである。観客の安全のために設置されている透明の防球ボードが、昔の戦闘機のコクピットみたいでなんかカッコいい。

 

 そのフィールドシートのお隣は、この球場の特徴のひとつ、開放型のブルペン

 同タイプのメットライフドームのブルペンよりも広くて開放感があるように見受けられるが、ファウルボールには注意が必要そうである。


 1988年3月6日開場、つまり訪れた日の2日後に満30歳の誕生日を迎えるベテラン球場。幾度も名を変えながら紡いできた歴史を偲ばせる展示物が、場内のそこかしこに。

 我々アラフォー世代の中で、この球場と強烈に結びついている記憶と言えば、やはり何といっても「グリーンスタジアム神戸」時代の、1994年の若き天才打者イチロー選手のセンセーショナルな登場、そして「仰木マジック」がもたらした1995年の「がんばろうKOBE」のパ制覇、1996年日本一であろう。もう20年以上も前なのか…。

 

 

 せっかくなので、球場外周もひとまわりしてみる。

 

 裏から見たスコアボード。

 球場正面から外野方面に進んで行くと、上り坂になっているのが分かる。

 丘陵地帯を開削して作られた神戸総合運動公園。どうやら外野スタンドはその斜面を利用して作られているようである。

 

 そういう構造なので、外野席へはスタンド最上段から入る格好となる。

 フィールドを見下ろす位置にゲートがあるので、ここからでも試合が覗けてしまうのである。まあ、ずっとここに立って中を伺っていたら、多分警備員につまみ出されるだろうが…。

 

 

 緑豊かな公園内に建つ、緑美しい野球場は、期待を裏切らない噂通りの素晴らしい球場であった。

 その初めてのほっともっとフィールド神戸で座った席と、観戦した試合の話は、また次回に。

 

 

 球春到来で同じようにワクワクされているであろう皆様の当スタジアムへのご来場を、引き続き心よりお待ちしております。