今日はメテオラ修道院群を、オーナーさんのおすすめの順番でまわっていきます。
メテオラは「宙に浮かぶもの」という意味で、このような厳しい寒さの岩山の頂上での修道生活が始まった背景として、9〜10世紀の修道主義の流行が関わっているようです。すなわち当時の流行として「孤独と祈りを重視する隠遁生活」が理想とされて、メテオラ奇岩郡が、その理想に相応しい場所とされたようです。
また14世紀になると、オスマン帝国が台頭し、移民による侵入・略奪が相次いだため、修道士たちは自分たちの命と信仰を守るために、隠れる必要を余儀なくされました。
14世紀に聖アタナシオスがメガロ・メテオロン修道院を築いて、組織的な修道生活を始めると、各地から多くの修道士たちが集まります。15〜16世紀には、奇岩上の修道院が24以上あったとのこと。
そのうち、現在も活動を続けているのは6つで、世界遺産に登録されており、信仰と保存、そして観光の場として賑わっております。
ということで「とりあえず、ここは必ず行くと良い」という、最初に創設されて、かつ最大のメガロ・メテオロン修道院へ向かいます。
9:30にオープンとのことですが、かなり混むうえ、駐車は路駐で近い場所からどんどん埋まっていくので、8:40には現地に到着するように向かいました。一番上に駐車できたので、ナイス判断だったと思います。
駐車場は、岩山の中腹にあるので、ここから延々と階段を登っていきます。
見晴らしは絶景。メガロ・メテオロン修道院はメテオラの中でも最も高い613mの岩山の上に建っているため、近隣の修道院を見下ろすことができます。岩肌にピッタリと建てられた建物を見ていると、どうやってこんなところに建てたのか…と、中世の建築技術に目を見張ります。
入り口に着いたのは9:05頃で、一番乗りでした。しかしすぐに続々と人がやってきて、9:25を過ぎた頃には100人以上が並んでいたと思われます。
メガロ・メテオロン修道院は主聖堂(撮影禁止)、博物館(撮影禁止)、ワイン貯蔵庫、厨房、中庭などがあり、なかなか広く、見どころ満載です。入場料はどの修道院も一律で€5(約820円)。
岩山の上での半自給自足生活は大変だったろうと思いますが、当時は300人以上が住んでいたというだけあって、なかなか広いです。現在は10人程度の修道士が、順番で当直などをこなしながら、運営しているとのこと。見学が許された場所は全体の1/3ぐらいかと思いますが、それでも見応えがあります。
そして、絶景。あらゆる場所が絶景すぎて、しばらく座って、ぼんやりと景色を眺めたくなります。
主聖堂のあらゆる壁から天井には、みっちりのフレスコ画。これはどの修道院もそうですが、描かれているモチーフが異なるので、宗教画として見応えがあります。また博物館には修道士たちの衣装や当時の文献、宗教画などが満載で、こちらも興味深く見学しました。
メガロ・メテオロン修道院を後にすると、二番目におすすめの、聖ステファノス修道院へ向かいます。ここは尼僧修道院です。
ここは唯一、階段を登らずにアクセスできる、バリアフリー仕様の修道院です。
こじんまりとした中庭にお花が咲いていて、綺麗でした。売店で売っているものも、こちらの修道院の方が、繊細な感じがあり、基礎化粧品なども置いてありました。どの修道院も収入につながるためか、売店のお土産には力を入れているようです。
ホーリートリニティ修道院は、隣の山から坂道を下って渡り、さらに終盤では上がるという……側から見て、アクセスがかなり大変そうだったので、写真を撮るのみでスキップ。
13:00を過ぎていたので、ランチを食べにカストラキの街まで一度、戻りました。
私たちはレンタカーで来ましたが、メテオラを周回するには車が必須です。個人の車でまわるか、バスツアーに参加するか、ですね。バスツアーは非常に多くて、全部の修道院を順に回っていき、2〜3の修道院には中にも入るというのがポピュラーなようでした。
ツアーだと、ガイドさんが説明してくれるので、良さそうでしたが、1グループが15〜30人ぐらいの大所帯で、どんどん回るので効率は良いですが、観たいところをゆっくりと観るのは難しそうでした。
宿のオーナーさんのおすすめのタベルナでサラダ、ザジキ、ラムグリルのランチ。ラム肉がめちゃ美味しかったです。お水も込みで€30(約5,000円)でした。
食後は、おすすめされた絶景ポイントへ向かいます。ここが本当に絶景で、しばらく、座って瞑想しました。
その後は、ルサヌー修道院へ向かいます。ここも尼僧修道院で、ちょうどメガロ・メテオロン修道院から見下ろしていたところになります。
夕方の時間が近づいていて、ツアー客が減っていたため、ゆっくりと見ることができました。こじんまりとしているけれど、なんとなくロマンティックなやさしい雰囲気の修道院でした。
ここで暮らすのは、まさにタロットの「隠者」だなと感じます。隠者は乙女座のカードであり、喧騒から離れたところでの自給自足の節度ある生活と、神に捧げるための日々の祈りと儀式、目に見えない精霊との交わりを表すもの。乙女座=処女宮が、男に属さない社会的に独立した立場と理性を象徴しています。
ここを出たところで16:00を過ぎていて、修道院は閉院の時間。メテオラ観光はここまでにして、夜ごはんを買いにカランバカのスーパーへ向かいます。帰りにカランバカのカフェでお茶をします。カプチーノとエスプレッソで€7.5(約1,200円)。
カランバカはカストラキと隣接している町ですが、メテオラ観光の中心だけあって、賑わっています。カストラキはもうちょっと鄙びた感じで、お店も手作り感が満載。私はカストラキの方が好みです。
18:00頃に宿に帰り、メテオラ・ビューのお部屋で過ごしました。