14時間のフライトののち、ウィーンで2時間半のトランジット。日本時間の真夜中なので、次のウィーン→アテネ便は乗った途端に眠りに落ちて、着陸の衝撃で目を覚ましました。
現地時間の0時10分頃にやっとギリシャに到着。日本は朝の6時過ぎです。遠かった!!
ゲートに着いたら、荷物がターンテーブルに回っていて、あとは入国手続き…と思っていたら、いきなり外に出てびっくり。ウィーンのトランジットで、シェンゲン協定内の入国になっていたようです。
Booking.comで予約しておいた送迎タクシーが、すでに待っていてくれて、アテネへ向かいます。夜中だからか、高速はガラガラでした。
1時過ぎにホテルに到着。マリオット系のNEW HOTELという宿に、とりあえず2泊します。アテネはホテル代が高いので、最初の2泊はポイント泊。
立地はめちゃくちゃ良いです。プラカ地区の端のあたりで、どこへでも歩いてアクセスできるところ。京都でいったら東山エリアみたいな、アクロポリスに向かう観光客御用達の歴史ある街並みで、近辺の治安は良いようです。観光地なので飲食とホテルは割高。
とりあえず速攻で寝て、朝になってから、朝食と観光に出かけることにしました。
近所のTHIRD PLACEというカフェのラテとレモンケーキで朝食。€10(約1,650円)くらい。観光地だとサービス料とチップがドンと上乗せされる感じです。ちなみにホテルの朝食は€35(約5,600円)。
食後は古代アゴラへ向かいます。今日のメイン観光地。入場料€20(約3,300円)。古代アゴラがどんな場所で、何を観たら良いのか、chatGPTにアリストテレスになりきって教えてもらいます。
アテナイのアゴラ
―生きた哲学と民主政のるつぼ―
かつて市民たちが集い、語らい、投票し、商いし、時に議論し、時に裁かれた場所。ここでは以下の地点を訪れるがよい:
・ヘファイストス神殿(Theseion)
最もよく保存された古代ギリシャ神殿のひとつ。技術と鍛冶の神に捧げられたが、その構造は秩序と均整の手本。感覚から理念を学ぶとは、こういうことなのだ。
・ストア・オブ・アッタロス(Stoa of Attalos)
雨の日も市民が語らい歩んだ柱廊。私の師プラトンが好んだ「イデアの世界」とは逆に、私はこの現実の場――市井の営みの中にこそ知が宿ると考えた。ここはその象徴だ。人間の自由とはなにか?ここで考えてみよ。
こんな感じで、chatGPTアリストテレス先生から、各地の特徴や、不明な点、気になった点を教えてもらいながらの観光です。
このchatGPTとgoogleレンズで、ほぼいけました。名前の読めない彫像を見かけて「誰やねん?」と思ったら、googleレンズで検索。出てきた人物をアリストテレス先生に解説してもらうという流れです。
アゴラは古代ギリシャの行政、司法、商売、交流など、あらゆる物事が行われていた場所。見上げるとアクロポリスがあり、今は礎石だけが残っていますが、往年はそれはそれは豊かな土地だったのだろうと想像できます。
ストア・オブ・アッタロスの中には、博物館があり、遠足の子供たち(小学生、中学生、高校生)が次々とやってきました。土器や彫像がたくさんあって、ここだけで1時間ぐらい、いたかもしれません。めっちゃ楽しめます。
土器のモチーフが蛸とかイルカとか男性愛とかですね。彫像もヘラクレス、アポロン、アルテミス、ヘルメス、コレー、ニケ等々、楽しいです。
残念なことに大物の彫像はほとんど頭がなくて、首から下ばかりです。これは頭部が繊細で壊れやすいためのみならず、キリスト教が台頭してきた時代に、異教の偶像を排除するために、打ち砕かれたためですね。
アゴラ内で最も保存状態がよく、残っているのは、へファイストス神殿です。
へファイストスは、神話では神々の女王ヘラの息子でありながら、醜さのあまり疎まれていた存在ですが、神々の武具を造るのは鍛治の神の彼の役割。ゼウスを助けた功績から、神話界一の美女アプロディーテを妻としましたが、弟のアレスに恋人として奪われてもいます。
神話でへファイストスの扱いが散々なのは、鍛治職人の地位が古代ギリシャ社会で低かったことと関係しているようですね。また醜い姿(足を引きずって歩く)は、鍛治の技で身体を負傷しやすかったためとも、職人が他所へ逃げないように、わざと歩けなくさせたともいわれています。
神殿の表面にはアテナイ建国の英雄にしてアテナイ王テセウスの功績が彫られており、背面にはヘラクレスの功績が記されます。アテナイ人の理想の姿が「テセウスの知性、ヘラクレスのパワー」のようですね。
テセウスが死後に祀られたのが、このへファイストス神殿だったという説があり、それゆえにアテナイ市民にとって、ここは「テセウスの神殿」でもあったとのこと。
下の方にアレスの神殿もありますが、ほぼ何も残っていないのが、寂しい限り。アレスはローマ時代がやってきてから一躍、軍神マーズとして名を馳せることになります。
3時間ぐらい歩き回りました。ちなみに気温は27〜28度ぐらいで、半袖・日除け・サングラスで、風が心地よく、ちょうどいい気候です。5月頭のこの時期、観光にベストじゃないでしょうか。
古代アゴラを出た正面にあるレストラン「へファイストス」でランチ。お腹空いていたので飛び込んだのですが、どれもこれも美味しかったです。店員さんたちの感じもすごく良い感じ。
グリークサラダと、イカのフリッターと、ドルデマスというオリーブオイルに漬け込んだブドウの葉でご飯を包んだもの。ルックスは完全に柿の葉寿司です。ミネラルウォーターも頼んで€30(約5,000円)ぐらいでした。
お土産屋さんをぶらぶらと冷やかして、いちご1パック€2(約330円)を購入して、ホテルに戻り、ちょっとだけ休憩してから、リュケイオンへ歩いていきます。入場料€5(約825円)。
アリストテレスが開いた学びの園リュケイオンは文武両道を目指す教育機関。歩きながら思索を深めたので逍遥学派と呼ばれ、ここで多種多様の動物や植物の観察も行われたようです。
礎石しかない場所で、中心地から少し離れていることもあり、ほぼ貸切状態でした。
そこから歩いて、パナシナイコ・スタジアムへ。古代において女神アテナを讃える祭典が催された場所であり、近代では第一回オリンピックが開催された場所。現在でもオリンピック聖火リレーの出発点となっています。
すぐそばにあるゼウス神殿とハドリアヌスの凱旋門も観に行きます。
ゼウス神殿は、神々の王ゼウスだけにさぞや立派かと期待していくと、ちょっとがっかりなので入場しなくても良い……事前に読んでいたので、外から見学。
何ががっかりかというと「ゼウスの神殿だから、アテネよりも立派にせな!!」と意気込んで建設計画を立てたものの、600年ものあいだ、工事が進まず、そのうちに政権がローマに変わって計画が頓挫したとのこと。
現在は修復工事中でもあったので、大半のツアーも中に入らず、ハドリアヌスの凱旋門前で説明をしていました。
アテナイの再建を進めたローマ皇帝ハドリアヌスを讃える凱旋門で記念撮影したところで、疲れてきたので、早めに夕食をとって、帰ることにしました。
ILIADAというカジュアルなお店へ来ました。ホテルのすぐ近所で、googleマップで⭐︎4.9だったので来てみましたが、正解。レタスサラダと豚のギロピタで、満腹になりました。ビールと生搾りオレンジジュース入れて€22(約3,600円)でした。