チームラボの話をしたので、もう少しアートについて掘り下げてみたいと思います。
現在、発見されている最古のアートは約45,000年前の洞窟壁画とされています。しかし、それはたまたま保存状態が良く、何万年もの間、破壊されずに残っただけのことで、実際には同じ時代に、あるいはそれよりも以前に、他の地域でも描かれていた可能性が十分にありますよね。
世界最古の文字が生まれるよりも何万年も前に、人類がすでに具象を描く文化を持っていた――という事実は、アートが私たちの体験や感覚と密接に結びついていることを示しているように思えます。
私たちは、目に映るものを観察し、それを模倣することで再現することができます。さらに外の世界だけでなく、内なる心象世界――記憶や感情、想像の中の風景も、模写して、形にすることもできますね。
アート(Art)という言葉の語源は、ラテン語のアルス(Ars)で、もともとは技術や手法、職人技を指す言葉でした。模倣し、再現することで技能を獲得し、その技術を用いて新たに創造する――かつてはこうした営みのすべてが「アート」とされていて、17世紀以降に特に芸術の分野を指す言葉としての意味が強調されるようになったようです。
人が生み出すものには、必ず何らかの意図や意味が込められています。それは絵画でも彫刻でも、音楽でも詩でも、料理でも同じこと。何かを創るとき、私たちは意識的に、あるいは無意識的に「意図」を込めるでしょう。
この「意図を読み解く力」を、神秘思想家のルドルフ・シュタイナーは「思考感覚」と呼びました。物に込められた意味や意図を読み取るその思考感覚はまた、牡牛座の領域と関係しているといわれます。
なるほど、牡牛座は「身体感覚を通して、物の扱い方やその価値、目の前の世界の成り立ちを理解すること」に深く関わっていて、それは言語を習得するよりも前に学ぶものです。
「母の温もりが心地よい」「ここは安心できる場所だ」「この飲み物はおいしい」――言葉を習得するより先に、私たちは身体感覚を通して世界を知り、理解していきます。
世界のあらゆる象徴を読み取る力も、この身体感覚の延長にあるのでしょう。これを鍛えるためには「言語での答えを見ずに、実際に触れて、感じ、考えること」が欠かせません。
それは本質を読み解く力となるため、目利きと呼ばれる人はここが優れているのでしょう。人生を豊かにするために不可欠な質であり、ビジネスで成功するにも必要ですね。
天王星が牡牛座に滞在している間に、思考感覚を研ぎ澄ませてみるのはいかがでしょうか。
アートに触れることは、その最たる体験のひとつ。自分でも何かを意図を込めて創り出してみるのも良いかもしれないですね。