天王星が順行に戻り、現在は木星が留(ステーション)に突入しています。立春を迎えた直後の2月4日から木星も順行に戻るので、そのための準備が始まっているのですね。
木星は今年6月まで双子座に滞在しますが、昨秋からの逆行期間は各地で混雑や渋滞を引き起こしていたと思います。双子座は競合を加速させるため、客寄せの告知や競争が過熱したり、少ない働き手を取り合ったりといった状況も生じやすいでしょう。
社会で起きることは、個人でも起きるものですが、これを個人に置き換えて考えてみると「あれこれと、したいことや、しなくてはならないことが重なって、予定が渋滞を起こす」とか「少ない人的資源(時間や体力)をどこに割り振るかで、奪い合いが発生する」といった感じでしょうか。
実際にたくさんの予定に奔走したり、多くのアイデアやプランを立てたものの、やりきれなかったり、決められなかったり、神経が疲れて、身体が悲鳴を上げた人もいるのではないでしょうか。
木星が順行に戻ることで、予定が扱いやすいサイズになったり(それでも、たくさん詰め込もうとするかもしれませんが)、やることに優先順位をつけたりと、停滞していたものが現実的に整理されていくかもしれません。
双子座の特性のひとつに「言語化」があります。ここに木星があることで、生成AIの言語力が発展し、今夏以降は天王星が関わることで更に飛躍的な進展を遂げることは想像に難くありません。
生成AIを上手に使いこなすためには、個々の言語力を高める必要があるわけで、言語で表現するためには、自分が何をしたいのかを明確に認識する必要があるでしょう。
なんとなく雰囲気を読むことで、相手の気持ちを察したり、押しつけたりしてきた人は、意識して鍛えていきたい能力でもありますね。
風の時代を支える風の三星座のうち、基礎にあるのがこの双子座です。風の星座はいずれも知性と理解の象徴ですが、その基盤に「言語を使ってみずからを表現し、また言葉を通して相手を理解すること」が含まれます。
もちろん、私たちは日常生活の中で言語を使いこなしているでしょう。
でも実際に本当に大事なことを大切な人に、言葉で伝えているでしょうか。
黙る、無視する、身体をゆする、泣く、怒る、わめく……そのように表現し、また表現されたものを「察する」というコミュニケーションは、月の表現ですね。
それはまだ言語感覚が未発達の幼少期の子どもたちの表現手段ですが、夫婦や親子といった近しい関係の中では、大人になっても、大切なことに関してはそのようにしか表現されていないことも、しばしば見られます。
「言いたくない」という拒絶の態度(土星)も「言わなくてもわかるだろう」という傲慢さ(木星)も、超えていくときですね。
うまくいかない人間関係のほとんどは、コミュニケーション不全だと感じます。
男性性の性質が変容する今、求められるのは言語化能力です。
自身の内面に触れて、そこにあるものを限りなく正確に言語化すること。相手の言葉に注意深く耳を傾けて、その精神上で何が起きているのかを理解しようと努めること。
言語は精神の働きであり、鍛えることで磨かれます。
木星が双子座にあり、AIの言語能力がどんどん高まっていく昨今、共に自身のそれをいまひとたび、意識してみるのはいかがでしょうか。