現在、魚座の終わりにある海王星に土星がどんどん近づきつつあります。
もう少しすると、土星と海王星が合となり、魚座の最終度数と牡羊座の最初度数、つまり春分点のあたりを行ったり来たりするというのが、2025年の星のめぐりのハイライトのひとつですね。
土星と海王星が重なることで、これまで中心にあった構造が力を失い、もろくなり、機能しにくくなっていきます。同時に、このタイミングで水瓶座に入ってまもない冥王星が、従来の権威構造を変えようと働きかけもするでしょう。
壊れていくと同時に、新しく建て直すような時期といえます。
それは家父長制の崩壊であり「強いパワーを握ったものが、全体を支配する」という男性性そのものの建て直しです。
「力のある者が、そうでないものを自由に動かしたり、ふるまったりしても良い」ということが、すでに許されなくなっていますよね。
連日マスコミをにぎわせている、芸能人や大手メディアのニュースは、まさにこの象徴だと感じます。
「強大な力を持っている者が、全体を動かす手綱をにぎる」という男性像から、もっと中性的な水瓶座的な性質を帯びた、男性性に変化するときです。
どんな男性像かといいますと「知的で賢く、相手が誰であったとしても言い分をよく聴いて、理解し、それに対して納得できるような答えを平易にオープンに答えることのできる人」なんていう感じでしょうか。
「公益をすべての人が納得できるように分配し、決して個人的な欲求や目的のためにそれらを利用しない人」でもあるでしょう。
水瓶座というのは社会的な星座であり、人々に貢献して、みんなで心地よい場を創り出そうとする傾向がありますね。
冥王星がここに来たということは、そのような性質がパワーを持つ時期でもあるのでしょう。
水瓶座は「人間」をシンボルとするサインで、力を持つのは大衆であり、裁くのも市井の人々です。一部の権力者が握っていた力や判断力が個々に還ることにもなるでしょう。
多くのものを独占してきた人は明け渡すことになり、責任を他者の手に委ねてきた人は自分で持つ必要が出てきます。
パワーをひとりひとりが取り戻すということは、国や土地や企業やコミュニティ、家庭、そして個人の生活において、それぞれが充実して豊かになるように働きかける必要があるということでしょう。
不満があるとき、幸せになるかならないか、人生を充実させるかどうかを、自らの責任で選択するのが、水瓶座のセオリーですね。
男性的な価値観の変化によって、人間関係、特に親しい関係で不均衡だった部分に焦点があたりやすい時期です。
不服を溜めこんできた人は、それが噴出しやすいでしょう。相手の話を聴かずにきた人は「ちゃんと聞きなさい」と受容が求められるかもしれません。
これまで「パートナーと話にならない」と思っていた人も、その課題を改善するかしないかの鍵を自分自身が握ることになりました。
そしてちょうど、そろそろ順行に戻ろうとしている木星が双子座にあり、言語によるコミュニケーションの能力を磨くことに力を貸してくれるときでもあります。
強いリーダーに委ねる時代から、ひとりひとりが自身の力と意欲を発揮して生きる時代へ。水瓶座は、山羊座の得意とする「現実への責任」が煌めきをもって進化する星座です。