こないだのFacebook LIVEでは今週末に開催予定の月と土星のワークについて、ザビエから紹介してもらいましたが、実に講座並の濃ゆい内容だったと思います。
ザビエの山羊座らしい、現実的な視点から語られる月と土星の関係は愛に満ちていて、とても美しく、私の心に響きました。
『月と土星はチームであり、必ず協働している……そこにアスペクトやサインのつながりがあっても、なくても、この2つの星は共に働いているのだ』と、ザビエはいいます。
これは蟹座と山羊座、4-10ハウスの関係であり『いま、ここ』という時間と空間に命を留める装置としての役割を、このふたつの星が担っているためですね。月と土星の協働が、私たちが社会の中で機能して、生き延びることを助けてくれています。
そして、この協働の中にこそ、パターンが創り出されます。
それが創り出された由来は遥か昔……赤ちゃんの頃にまで遡るでしょう。誰もが母親とひとつだった世界から、出産→育児の過程において、体験した分離。
出産を経て、母親と自分とが異なる存在となったときから、それは生じます。母親はもちろんベストを尽くしてはいるけれど、いつでも赤ちゃんが望む完璧なお世話が与えられるわけではありません。
月は赤ちゃんの持つニーズを表しますが、それが満たされない瞬間に、分離と欠乏の恐怖の感情に触れることになります。それは赤ちゃんにとって、くるしい体験です。赤ちゃんは泣いて、自分のニーズが満たされていないことを知らせるでしょう。それでもいつも完璧に満たされることはありません。
満たされない思いがあふれるとき……そのつらい現実を生きるサポートをするために、土星がやってきます。土星は母親を象徴する惑星ですが、私たちの内側では現実的な母親に成り代わって、月の痛みを減らすために働いてもくれます。
土星の活動のひとつに、痛みを埋め合わせる「補償」があります。これが月との関係に作られると、私たちが日常の中で欠乏や分離やニーズの満たされなさという痛みに触れたり、触れそうになったりした瞬間に、土星が速やかにやってきて「パターン」で埋め合わせるのです。
それがなければ、私たちは生き抜くことができず、それはいつでも人生を支える基盤です。
しかし、ずっと同じものを使い続けるということは、そこに常に未熟の質……自分では満たすことのできない、弱さや欠乏感を抱え続けるというリスクを作り出すでしょう。
恐怖が刺激される状況が起こりそうになると、同じやり方で抵抗して、そして抵抗し続けるために、ずっと恐怖と緊張も維持することになります。
病気になるかもしれない。お金や仕事がなくなるかもしれない。1人で生きていかなきゃいけないかもしれない。誰も大切にしてくれない。仲間から外れてしまうかもしれない。安心できる場所を失うかもしれない。やってもやっても無駄かもしれない。
生きていると、さまざまな問題が起こって、月が刺激されます。仕事や人間関係で揺れたり、コロナや景気の変動のように社会的な情勢で不安が煽られたりするでしょう。
そこできゅっと緊張が高まると、また土星がお得意のパターンでサポートしようとしますが、それでは問題は一向に解決されません。「恐怖に触れないようにすること」を土星は助けるばかりなのです。
実際には、この月と土星のパターンをひとつに固定化する必要はなく、このふたつの星が創り出すバリエーションは無数に増やすことができるのだとザビエは言いました。
私にはそれがすごく福音のように聴こえたのです。
大勢の人たちが、ひとつのやり方に閉じ込められてしまうところに、創造の光をもたらすわけですね。
しかしそれは「よし、じゃあ、こういうことをするぞ!!」と、決意しただけで安易に変わるものではありません。そのやり方では、痛みに触れた途端に、また古いパターンに戻ってしまうわけですね。
では、どうすればいいかというと、改造するためには、いまあるものがどんなもので、どのようにして作られたのかを、しっかり見る必要があるでしょう。
そのときに「感情を通して見ること」が、とても大事なのだとザビエはいいます。
最初にそれが作られたところまで戻るわけです。そこには月の痛みがあります。お母さんが離れてしまうこと、満たされないことへのさみしさ、緊張、嘆き、痛み、かなしみ、見捨てられ不安と空虚感があるでしょう。
それらを感じないように、土星が働いていたのだとしたら、まずは土星の機能を一時停止させて、そこにある痛みの感情をしっかりと見て、嘆いて、感じてから……ということです。一度、月と土星をほどいて、中にあるものを解放してから、紡ぎ直していくわけですね。
これは本当に繊細でやさしく、美しいプロセスだと思います。
本当にくるしくて、しんどくて、強い痛みがあるとき、私たちは誰かにそばにいてほしいと感じるでしょう。信頼できる人がそばにいて、手を握っていてくれるだけで、安心できるかもしれません。
それが、私たちが赤ちゃんの頃に、母親に求めていたものでもありますね。
自分に対して、母のように見守り、寄り添うことで、その痛みを歓迎していく……そして充分に感じて、解放してから、その解きほぐされたもので、新しい構造を再び創造するというわけです。
水瓶座というのは、光や理想を象徴する星座ですから「これからは何でも実現できちゃう、ハッピーな時代!!」といったコピーも出てくるかもしれませんが、冥王星が水瓶座にやってくることで起きる変化は、ただただハッピーなだけでなく、一度そのようにすべてが紐解かれて、心を充分に感じることから始まる進化なのでしょう。
魚座に金星が位置して、とても慈愛深く、繊細になっている時期に、しっかりと自分の月と土星の構造が創り出しているパターンをみて、その複雑な美しさと、月が求めていニーズをしっかりと見ておくとよいと思います。
社会が新しい方向へ向かって進化していくとき、私たちも進化していきますが、それはこのように、それまでのシステムが一度、紐解かれることで始まっていくのでしょう。
月と土星のワークを、ぜひ、ご一緒いたしましょう。