2022年9月26日6:56に天秤座の新月です
秋分の3日後の新月ですが、朝の時間で東の地平線上の12ハウスの領域に太陽・月・水星・金星が揃います。
4ハウスに2天体、8ハウスに1天体が位置して、4-8-12のターミナル・ハウスに7つの星が位置するという、とても繊細で慈愛に満ちた配置。
ターミナル・ハウスはその名の通り、終着するための部屋。水のエレメントの本拠地であり、ここに惑星がやってくると、外での活動の背後で、内に籠りたいような、ゆっくりと1人で過ごす時間が欲しくなるような気持ちが高まります。
12ハウスに惑星が集まるのは、前回の魚座の満月からの流れを引き継いでいるようにも感じられます。
新しい活動を始めるために、終わらせる。
終わらせることは始めるよりも難しいとこないだ書きましたが、社会でも個人でも、ひとつのサイクルが閉じていくような流れがあるでしょう。
12ハウスは前意識と関わっていると私は思っています。前意識とは、意識と無意識のあいだの領域ですね。普段の生活の中では無意識に属しているけれど、ぼんやりしているときや夢の中などで、ふわーっと浮かび上がってくる感情やマインドは、この領域からやってきます。
心のあたりを漂っている霧のような感情やマインドに入り込んでくるノイズというと、とても12ハウスらしいですね。
「こうしたい」と思っているのに、決断すると同時になんとなく漂ってくる「できるの?」「それやる意味ある?」とモヤモヤ……。
ひとつの仕事が終わってすっきりしたはずなのに「本当にあれでよかった?」「みんなにどう思われている?」とモヤモヤ……。
休憩しているときに「あ~もう帰りたい」「仕事やめたい~」とモヤモヤ……。
漂っているだけなので「考えるの、やめ」と、そこに焦点を合わせなければ、グッと心のなかに再び沈めることができます。上がってきたアクを鍋の底に再び戻すかのように……。
シンプルにすっきりと過ごすコツは、この12ハウスの掃除をマメにすることだと思います。向かいの6ハウスは日々の掃除やお洗濯、お風呂、歯磨きといった物理的なお手入れを象徴する部屋。
そこと対になる12ハウスは目に見えない領域のお手入れですね。ここにはいろいろなマインドやそこから発生した未分化の感情や生き霊や魑魅魍魎が集いますが、それは塵や埃のように日々の生活から発生するもの。生きていくしんどさ。身体と心の心地悪さ。痛み。
人間生活では日々小さなストレスや葛藤が生じます。難しい関係や厳しい社会的状況によっては大きなストレスや葛藤が起こるでしょう。そこで生じて表現されずにいるものが12ハウスに積もっていきます。
これを片付けていかないと、投影される形で現実に表現されるか、身体を壊すかしてしまうでしょう。
片づけ方は簡単なようで、難しいかもしれません。12ハウスは水の部屋なので、感じる必要があるのですが、そのために心の内側に潜ります。魚座の領域なので魚のように、ですね。
たったいま、私の心のなかに何があるのだろうか。心と身体の違和感をキャッチし、そこをクローズアップして、覗いてみる。痛みがある場所、違和感がある場所にマイクを向けて喋らせたら、なんて言うのだろう?
不満や文句や悪口を言い出したら、よい兆候です。それをジャッジしたり、止めたりせずに、何を感じているのかをうながしてあげましょう。
誰かがそのように話を聴いてくれるとき、私たちはストーリーを語る癖がついています。でも、ここでは感じたいのです。「あの人がこうだから、こうで頭にくるのだ」と語る代わりに「あの人に対する怒りがある。胸のあたりに。そこに触れるとキーーーーッてなる。大嫌いって言ってる。あーームカムカする。ムカーッ」といった風に。
12ハウスはあらゆるものをジャッジなく感じる領域。すべてのものが存在する世界。良いものも悪いものも、清濁併せてぶちまけて、感じて、味わい、そしてリリースするところ。
それは慈愛の部屋。愛と慈しみ。つらさに寄り添い、苦しみに寄り添い、怒りに寄り添い、惨めさに寄り添って、共にいるような、苦しみを救う仏や菩薩や神の慈悲の部屋。
嵐が溜まっていたすべての淀みを洗い流してくれるように、私たちの感情があらゆるものを終わりにしてくれます。それはゼロへと還る道。ゼロに還ることで、いつでもまたそこから始めることができるのでしょう。
新しい始まりのための大切なゼロに還る時間。