8ハウスをめぐる旅路⑦ | ***Walk on the light side

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銀河に煌く星たちのように

ここまできたら⑧まで書こうという気になっていますので、もうすこし8ハウスについて、お付き合いください(笑)

 

いろいろ書いてみましたが、なかなかわかるようで、はっきりと正体のつかめないのが8ハウスです。


性と生と死。パワーとコントロール。他者との共同事業や共同財産。人からもらうものや、相続。変容やカルマ。などなど。

 

いろいろな角度から、この部屋のことを見ることができますが、どれもこれも私たちの日常と、密接に関わっていることばかりです。しかし同時に、なかなか言語化されにくい、可視化されにくいテーマでもありますね。

 

タブーだったり、秘密にしなくてはならないことも含まれています。自身の性的嗜好に対して、誰彼構わずオープンに語ることはなかったり、グループではっきりとコントロールして、全体の意見にバイアスをかけている人が誰だかわかっていても、なかなかそれを指摘して変えることができなかったり、誰かと共同で何かを始めるとき、お互いに相手に期待しているものがあるにも関わらず、それを事前に十分に言語化して確認することも少なかったりします。

 

「いつの間にか、そうなっていること」を前提に受け入れて、ひとたび受け­入れてしまうと、粛々とそれに従い、くり返してしまう……。

 

「はじめが肝心」といわれるのは、一度定着してしまうと、なかなかそれを変えるのが難しくなってしまうからですね。

 

 

パワーやコントロール、セクシャルなテーマでいうと、幼少期から思春期にかけけて、性的にイヤな体験をした人や、暴力的な体験をした人って、相当数いると思うんですね。

 

私もこれらに関しては、数々の体験があり、そのひとつひとつが強烈で鮮明に記憶されています。他者と関わることで受ける深い傷というのも、8ハウスのテーマですが、問題は強烈な体験をすることと同じぐらい、それを適切に扱われないこと、オープンに受け止めてもらえる場がないことにあると思います。

 

物理的にもメンタル的にも、強烈な体験はあると思いますが、どちらもなかなかオープンにしにくく「変に思われてしまう」と被害を受けた側が、受けた事実を受け止められないこと、受け止めてもらえないことが、問題を複雑にしてしまうわけですね。

 

成人するまでのあいだに自分の体験したセクシャルや暴力の被害を、親に言えなかったり、取り上げてもらえなかったり、あるいは家族間でそれが起きていたりして、あったのにないように振る舞っていたという人も多いでしょう。私もかつてはそうでした。

 

運よく、たまたま親や先生や他の大人が気づいてくれたという人もいるかもしれませんが、誰も扱ってくれず、扱い方を教えてもらえなかったこともあり、自分のなかでどのように消化して良いかわからず、未解決のまま飲みこむしかなかった……という人のほうが、圧倒的に多いかもしれません。

 

そうして8ハウスに保存された感情は、いつまでも心の奥底に閉じこめられて、まるで冷蔵庫にしまわれた謎の食品の如く、静かで異様な存在感を放ち続けることになります。

 

8ハウスは蠍座の部屋ですが「固定化された水(感情)」がそこに留まるわけですね。この流されない水は、何度もくり返し、私たちの内側に同じ感情を事あるごとに思い起こさせることになるかもしれません。