8ハウスをめぐる旅路⑥ | ***Walk on the light side

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銀河に煌く星たちのように

小惑星のひとつにジュノーという星があるのですが、これはギリシャ神話のレアと同一視されている愛と結婚を守護するローマの女神です。

 

古代ローマの造幣局がこのジュノーの神殿にあって「ジュノー・モネタ」と呼ばれており、money(お金)の語源となったそうです。

 

モネタという言葉は英語のモニターとなる言葉で「監視する・見張る」という意味があり、ジュノーが監視する場所が造幣局であり、お金であり、結婚生活というわけです。

 

なぜジュノーが見張るのか?というと、お金を鋳造することや使用する際に、不正や間違いがあってはならないからですね。

 

同じように結婚生活においても、不正や不公正さや間違いがないように見張る女神……それがジュノーであり、レアなのです。

 

ギリシャ神話における女神レアは夫ゼウスの浮気にたびたび悩まされ、嫉妬深く、浮気相手やその子どもに嫌がらせをする姿が描かれます。それは自分が受けた痛みやつらさと同等のものを相手に与えることが正当な取引だということですね。

 

 

浮気したパートナーやその相手には、慰謝料を請求できるわけです。しかし正式に結婚した相手じゃないと、これは成立しません。

 

レアの賢いところは、他の女神たちがずるずるとゼウスの強引な求愛をなんの約束もせずに受け入れてしまったのに対して「結婚して正妻にしてくれなきゃ、関係をもたない」と、毅然と自分の要求を貫き、正当に扱われる権利を得たことでしょう。

 

セクシャルな関係というのは8ハウスのテーマです。お互いのエネルギーを深いレベルにおいて交換し、変容させて、新しい命を生み出す。7ハウスは8を目的とするためのパートナーシップですが「何の目的のために共にいる」のかを、ここで明らかにしておく必要があります。

 

ここが明らかでないと、人間関係がややこしくなってきたときに「私はあなたの何なの!?」「こんなはずじゃなかった」「何のために一緒にいるんだろう…」ということに陥ります。こういうときは、最初に7ハウスにおいてパートナーシップを結んだときの目的を思い出すことが大事なんですが、そもそも約束せずに始まってしまうと、ずるずる、ダラダラとなってしまうわけですね。

 

約束や契約は7ハウスと関係していて、その契約の内容を毎日の行いのなかでくり返し、実現させると同時に、実現させることで信用を積み重ねていくのが8ハウスです。

 

信用を積み重ねるのには年月がかかり、失うのは一瞬というやつですね。

 

しっかりと正妻として正当に扱われることをパートナーシップの起点としたレアは、たびたび傷つけられながらも、報復する正当な権利があり、何の約束もせずにゼウスに流されてしまった女たちは泣き寝入りすることになる……。

 

かくして古来、ジュノーにしっかりと権利が守られる6月の花嫁(ジューン・ブライド=ジュノーの月の結婚)は女性たちに大人気というわけです。

 

小惑星ジュノーが司るのは結婚のみならず、あらゆる共同で力を合わせて行うパートナーシップ。そこに私たちが求めるものや体験することを示してもいるのですが、それぞれの「大事にしているもの」の違いを理解し合うことや、そのうえでお互いに公平で間違いがないようにすることが大事なんでしょうね~。