わたしの土星の話 | ***Walk on the light side

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銀河に煌く星たちのように

ザビエのスーパー通訳のなおっつに教えてもらいながら、ちょこちょこと英語で書かれた占星術の本を読んでいるのですが、先日読んだステファン・アロヨの土星についての記述がなんだか妙にグッときて、心に残っています。

 

テキストはとてもベーシックな占星術のものです。ベーシックでも土星をどんな風に説明するのかに、占星術家のセンスと世界観が如実に表れますよね。私が心惹かれたアロヨの一節はこんな感じでした。

 

土星は表現がどのレベルで抑制される傾向にあるか、エネルギーがどこでブロックされたり制限されたりするかを示します。このような内なる閉塞感は、そのレベルの経験が個人にとって過度に重要であるために生じます。そのため、人生のその分野において自分を縛り、表現しようと頑張りすぎたり、避けたり、抑圧したりして、エネルギーの流れを制限する傾向があるのです。

 

このあとに、どうしたらそのエネルギーの流れを戻すことができるのか…といった記述が続くのですが、妙に私に響いたのは「土星の経験が過度に重要(overly-important)であるために」というところです。アロヨもそこが重要だぞ、と言わんばかりに「overly-important」を斜線にしていました。

 

そして、確かにそうなのです。土星の星座の経験は大事で、重要過ぎるんです。だからうまく使えなくなっちゃう。大事過ぎて。でも、それって愛だからだよなあって、しみじみと感じていました。大事にし過ぎるなんて、愛以外の何でもないじゃないですか。

 

 

私の土星の経験です。私の土星は蟹座で5ハウス。蟹座といえば家族、おうち、安心できる場所、共感や育成。5ハウスも子どもの部屋ですね。遊び、恋愛、創造性や自己表現。

 

私はおうちと家族が大好きな子どもでした。子どもの頃は9人家族。両親、祖父母、兄、三人の叔父。大人たちに囲まれた一番小さな私です。

 

家は商売をしていて、とても忙しく、小さな私の面倒を見てくれたのは、おばあちゃんです。最初の蟹座土星体験は、このおばあちゃんでしょう。おばあちゃんはとても温厚で物静かな人で、そして極度の心配性でした。家のなかで遊ぶ分には構わないのですが、庭で遊ぶとなると、もう心配でたまりません。庭で蟻を眺めたり、たんぽぽの綿毛を飛ばしたりしているだけで「危ない、危ない」と、いつも玄関から呼んでいるおばあちゃんを思い出します。

 

当時の私は「いつもうるさいな…」ぐらいしか思っていなかったし、時にはおばあちゃんの制止を振り払って幼馴染みと遊びに行ったりしていたのですが、いま思えば、あれはおばあちゃんの愛だったんですよね。おばあちゃんは私の父を筆頭に4人の息子を産んでいますが、最初に産まれるはずだった長女を妊娠9か月のときに家の前で流産して亡くしています。

 

だから初めて家にやってきた、小さな女の子である私が「大事過ぎて」過度に守ろうとしていたんだなと、いまの私ならわかるし、いまなら「大丈夫だよ」とおばあちゃんを抱きしめてあげることもできるのに…と悔やまれます。おばあちゃんも土星が蟹座でした。そしてずっと安心できる場を探していて、家から出なくなった人でした。

 

その後におばあちゃんが入院し、小学校低学年の頃から家事は私の仕事となりました。週末は店番です。蠍座太陽と蟹座土星が120度を作る私にとって、家族のニーズは、自分のニーズです。みんなが喜んでくれることが、私の喜びでもありました。

 

しかし、これには罠があって、そうすればするほど、自分の人生を生きることが難しくなり、自分のニーズと感情がわからなくなり、それゆえに本来の自分の力も輝きも見失ってしまうのです。家族が好きで、役に立ちたくて、喜ばせたかっただけなのに、まさに「表現しようと頑張りすぎて、エネルギーがブロックされた」わけです。これが運行中の土星が出生の土星の向かいにくる13~14歳の頃です。

 

 

それからさらに14年が過ぎて、土星が回帰する28歳になる年に、私の土星とゆるく合となる蟹座の太陽を持つ男の子を生んで、そこから私の「蟹座を取り戻す旅」が始まりました。感情を取り戻すカウンセリングに通い、いかに家族という土台を作るのかを研究し、先祖のルーツを辿り、氏神を祀り、小泉家発祥の地に両親を連れて行ったりしました。

 

そんなこんなで、さらに土星が半周めぐった頃から、家族には愛されているし、甘えても許されるし、家族と一緒にいるときが一番安心だとようやく思えるようになりました。おかえり、土星。私の蟹座。

 

大きな音は怖いし、常に見えない世界は紙一重のところにあるし、世界は私を圧倒するように感じるし、自分よりも他者の感情ニーズを優先したくなるし、常に心の中に他者の感情やイメージや体感が入り混じっているしで、ひとことでいえば、まあまあ生きづらいのですが、まあ蟹座の土星なんて、こんなものでしょう(笑)


時々繊細さを持て余しもするけれど、いまの自分なら扱えるから帰ってきたんだろうなと思っています。土星メモリアル、まだまだたくさんあります。ひたすら土星だけを探求する会とか、やりたいな~。