2021年6月10日19:52に双子座の新月です
太陽・月・水星が双子座に集結して、魚座の海王星と90度の角度を作る新月です。先月に移動した木星も魚座にいるので、5つの惑星が柔軟星座に集まってますね。
これを見ると感じるのは、これから何がどうなっていくのか、はっきりしないまま、曖昧なまま、進んでいくんだろうなあということです。だからこそ柔軟星座の強みである適応力やアレンジ能力を存分に発揮するときなんでしょうね。
こういうときに正確さや責任、べき論や、信念を持ち込むと、徒労が増えそうです。もちろん、そうしても構わないんだけど、誰もはっきりと答えを教えてくれないし、何が正解かわからないし、先のことが見えないんですよね。
なのでそこにこだわると、6ハウスで起こる新月だけに、イライラや不安が大きく膨らんでいきそうです。6ハウスには「管理する」という意味があるけれど、その領域と、野生そのもの、宇宙の混沌の象徴である海王星が角度を作っているので、人間の手で管理できる範疇を超えているのです。
管理できないものに対して、批判をしても徒労ですよね。「なんでいま台風がくるんだよ」とか「どうすれば抑え込むことができるんだよ」とかね。誰もしりません。
双子座の時期って、ただでさえ神経の働きが活発になりやすいので、批判と制御にエネルギーを向け過ぎると、ずーっとぐるぐると思考が自動運転で動き続けて、それだけで疲れちゃいそうな感じもあります。
天頂に位置している天秤座が金星の蟹座に働きかけて「まあ落ち着いて。お茶でも飲んで、のんびりとくつろぎましょう」と促しているようにも感じられます。しっかりと二本の両足で大地とつながって、中心を定めることで、心がぴたりと安定するでしょう。自分に対する愛と思いやり。心にホッとするだけの余裕を持つことが、安心のスペースを生み出すことになり、そこに留まることが、この時期の大事なポイントといえるかもしれません。
しっかりと落ち着いた静止点から、新しい価値の創生が始まる予感の新月でもあるんですね。
先月の皆既月食の満月のときに、その影響が三カ月から半年ぐらい続いていくと紹介しました。私たちの無意識の領域から、これまで気づかずにきたものや、後回しにしてきたものがあふれてくるときだっていうことですね。
特に月食満月から、この新月までの二週間は、冥王星と火星がタイトに180度の角度を作っていたので、精神的にしんどかったり、ちょっとしたことで心が揺れ動いたりする人も多かったのではないでしょうか。
たったいま、何が起きているということではなく、過去の記憶からやってきた、私たちの柔らかい心の部分が刺激されるときなんですよね。山羊座冥王星と蟹座火星の180度なんですけど、これって過去に親子のあいだで体験した愛や依存や制限や見捨てられ不安の部分を刺激するんですよ。特に怒りや恐怖に関わる部分ですね。
なので、その記憶を現在の目の前にいるパートナーや友人や知人に投影して、相手のちょっとした所作に対して、動揺したり、否定されているように感じたり、悲しくなったり、反発したくなったり、従順になってしまったり、避けたくなったり、制御したくなったりということが起こりやすいわけです。
ここに愛とお金のテーマまで関わるので、さらに厄介な感じもしますね。
本心から共にいたいのか、有益性から共にいるのか。
さみしいから共にいるのか、孤独に引きこもるのか。
そんな風に刺激される過去の感情ですが、月食からの流れでいうと、どんどん迎え入れることで、本当の自分自身を取り戻すことができるときでもあるわけですね。
わかってほしい、気づいてほしい、認めてほしい。
怒っている、悲しんでいる、みじめな気分でいる……。
そうだよねえ。
わかってほしかったし、受け止めてほしかったよね。
誰も受け止めてくれなかった、それらの気持ちや思いを、大人になった自分自身が受け止めることで、自分に還ることができるときなのかなと思います。
これから先がはっきりと見えず、2ハウスに土星が位置していることもあって、経済的な不安を感じやすい時期でもあります。だけど同時にそこには木星があって、天王星と72度の角度を作っているんですね。
72度って個人的にすごく好きな角度なんですけど、芸術、進化、愛の創生の度数です。しかも木星が魚座で、天王星が牡牛座というヴィーナス・コンビネーションでもありますね。72度も金星と関係する度数なので、これはもう自分の世界観、新たなる価値を生み出して、すくすくと育てるに限る!という気がします。
そんなに大それたことじゃなくていいんです。小さなことからコツコツと…ですね。まずは自分のために、それから家族のために、やってみる、作ってみる、育ててみる。それから友人や近所の人にも分けてみて、試してみて、教えてみて……その繰り返しで、すこしずつ小さな育成を積み重ねて「豊かな世界」「心地よい、愛の世界」を目の前の一歩から作っていくことができるときなんです。そしてそのことが、いまある不安さえも、やがて包みこんでくれるんじゃないかなあ。
私の時間とエネルギーの使い方。
いまを生きている、私という価値。
2度と戻ってこない、この時間を、今日を生きている私に流れている価値を、何のために使いますか?