2019年6月22日0:54に、太陽が支点を通過します。
最も昼間の時間が長くなる夏至の日。
光り輝く太陽が、わたしたちに目覚めをうながし、もう起きる時間がきたのだと告げているかもしれません。
この夏の期間に意識したいことは【正しい火星の使い方】
それは、誰かの期待に応える生き方をあきらめて、自分の道を生きると決めること。
たくさんの不穏な事件が次々と起こる昨今ですが、殺傷事件や事故は火星の誤用の象徴です。
包丁も拳銃も自動車も、みんな火星のシンボルで、それらは自分を生かしも、守りも、動かしもして、同時に殺しも、壊しも、終わらせもするでしょう。
それはまさしく火星の持つ両極です。
火星は人生を切り開き、他の人とは異なるオンリーワンの自分を創造する星であり、また同時に自分と他者を傷つけ、壊し、めちゃめちゃにする破壊の星でもあります。
その両方の可能性があるものだからこそ、そのふたつの間で揺れ動き、いま自分がどちらに傾いているのかを、しっかりと気づいている必要があるでしょう。
ぼんやりとしたまま、刃物や銃や車を使うことはとても危険です。
寝ぼけたまま、人生の舵取りをすることも。
春分に引き続き、牡羊座の上昇宮で始まる夏至です。
その牡羊座を守護する火星が、水星とぴったりと寄り添って、4ハウスの蟹座に位置しています。
向かいに山羊座の土星と冥王星。なかなかハードボイルドな配置です。
火星は前述の通り、創造と破壊という相反する極を持つシンボル。
太陽の執行人として、自分が本当に行きたい道を切り開き、決断をくだします。
火星は怒りを象徴もしますが、わたしたちがムカッとしたり、モヤッとしたりする時のことを思い返してみてください。
その時におそらく、自分の大事にしているものが否定されたり、脅かされたり、無視されたりということが起こっているはずです。
火星の怒りは、安全装置のように、自分の大切なものが危険にさらされていることを知らせるもの。
それに基づいて適切な行動をとることを、勇気を出して決断させるのが火星です。
反抗的なティーンエイジャーは、おそらく自分の思いや行動を大人に否定されたのでしょう。
安い給料で長時間働かせようとするボスに、思いを知らせるために、労働者たちはストライキを起こすかもしれません。
いつも従順に尽くしているのに、まったくそのことを尊重されない妻は、家出することがあるでしょう。
自分を守るためにアクションを起こす。そして自分にとって本当に大切なものが何であるのかという事に気付かせるのが火星です。
ですから対人関係において、イラッとすることが起こったら、自分に気づくチャンス。
イラッとしたときに、わたしたちがすることは、相手に文句を言い返すことでも、お酒を飲んでごまかすことでもなく、
『何にそんなに頭にきたのだろうか』
『わたしが何が損なわれた気がして、わたしは何を守ろうとしたのか』
問いかけて、気づくこと。
火星は本来、とても自己中心的なエネルギーを持つ星なので、相手を攻撃すると本質から外れてしまいます。
『頭にきている自分』に目を向けて、自分が大事にしたかったもの、否定されたように、あるいは奪われたかのように感じたものが何だったのか、気づいていましょう。
そして、その気づいたものを守るために、自分で自分の尊厳を保つために立ち上がる勇気。
自分の大切なものに満ちた、人生を自分自身に与えるための行動力。
そしてそのために人生の方向性を変える決断力。
怒りを何かにぶつけて発散させるのではなく、そのように人生を創り出すためのエネルギーに変換させることで、火星の持つ創造力が発揮されるでしょう。
火星のエネルギーを何かにぶつけることは、人生を変えることができないと思い込んでいるか、変えることが大変だからと放棄している怠惰さからきています。
そして火星のエネルギーを何にもぶつけずに溜め込むと、その毒が自分自身にまわります。
火星を隠すと不感症となり、怒りを感じない代わりに喜びも感じなくなり、何が楽しいのかわからなくなるでしょう。
理由もなくイライラして、情緒不安定となり、偏頭痛やめまい、不眠や多眠、食べ過ぎや食欲不振を引き起こすかもしれません。
そしてさらに火星の怒りを溜め込むと、それを発散させるために、ケガや事故が起こる可能性もあります。
火星のエネルギーが破壊に偏っていないか、気づいている必要があるでしょう。
山羊座の土星と冥王星は、社会が変容しつつあることを示しています。
これまでの価値観が通用しなくなり、心が揺れて、社会からの圧力を一層感じることがあるでしょう。
それに抵抗するのが火星です。
小さな火種はあちこちで見つけては、抵抗したい、吊し上げたい、文句を言いたいと破壊の欲求が起こるかもしれません。
あるいは何もしたくない、する気が起きないということもあるでしょう。
いまのわたしたちに必要なものは、愛や親切や思いやり。
蟹座の太陽が象徴する『安全な居場所 』です。
社会の変化と共に揺れて、ざわざわしているハートの声を聞いてあげること。
友だちが不安な顔してやってきたら「どうしたの」と問いかけて、話を聴き、できる限りの愛と優しさで寄り添おうとするでしょう。
わたしたちの、ひとりひとりがそのように、自分にやさしく、その声に耳を傾けて、それがどんなものであっても受け入れて、それを感じている自分に寄り添うことができたら。
世界中のどこにいても、いま、わたしのいる場所が安全基地となる。
揺れている世界の中で、わたしは守られる。
どうか、世界の誰もが自分にやさしく、やさしく、ありますように。
怒りや悲しみや不安を感じるとき、そんな自分に寄り添って、深呼吸と共に身体の中にそれらの感情を招き入れて。
世界を変える力とする。
わたしを生きる力とする
わたしたちには愛があり、知恵があり、力がある。
火星を正しく使って、世界を変えてゆく、愛と勇気の夏の季節です。