【レポート】ザビエ・東京★星の王子さまから読み解く占星学シンボル | ***Walk on the light side

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銀河に煌く星たちのように

5月25・26日に東京新宿にてザビエ・ベトコート・ジャパン主催の『Little Prince(星の王子さま)から読み解く占星学シンボルとゴールデンチャイルド』のセミナーが開催されましたニコ

 

ザビエ・アストロロジー2days東京

 

すばらしいセミナーだったので、感想を含めてレポートしたいと思います!!

 

 

わたしがはじめて「星の王子さま」の本を読んだのは、幼稚園の年長さんか、小学校1、2年生の頃だったと思います。


当時「星の王子さま」の、ちょっとしたブームが起こっていて、それに乗じて父か母の買った本が、家にあったのを読んだのでした。


それはたくさん絵が描かれていて、ほとんどが平易なひらがなで書かれていたにも関わらず難解で「ゾウを飲みこむ、うわばみ」や「星を覆い尽くすバオバブの木」といったものたちの、なんだか不思議で、ちょっと恐ろし気な本でした。


それから年を経て何度か繰り返し読み、そのたびに必ず涙が出るのは、王子さまとキツネが友だちになるところ。
 

ほかの十万もの男の子から、特別なたったひとりになって、ほかの十万ものキツネから、かけがえのないものになる。


そうなるためには時間が必要で、約束が必要で、決まりが必要で。
 

共に過ごした時間と、約束と、決まり事で、紡がれていく愛。


もう「ほかの十万もいる何か」ではなく「たったひとりの特別のもの」になってしまったから、別れるときは、きっと泣いてしまうというキツネに「泣いてしまうなら、仲良くなるなんて、何もいいことはないじゃないか」と王子はいいます。


しかし、キツネはいいます。「いいや、麦畑がある」と。
 

キツネにとって、それまで麦畑は何も楽しいことなど、ないものでした。だけれども、王子と仲良くなったいまなら、麦畑を見るたびに、王子の金色の髪を思い出して、うれしくなるだろう。
 

心で見なくちゃ、ものごとはよく見えない。肝心なことは目に見えないんだよ。



今回のザビエの講座とはちょっと雰囲気も変わって「文学部の顧問の先生と、生徒たち」という気分になっていたのは、わたしだけでしょうかにやり

「星の王子さま」の物語を題材としながら、占星学や錬金術、言語、文学、シンボルと、ザビエ・ワールドが炸裂して、叡智の波に揉まれる、しあわせな2日間でした。


「星の王子さま」は、ゴールデン・チャイルドそのものである王子が、いろいろな人や動物や植物たちとめぐりあう旅路。読者であるわたしたちは、その旅の目撃者となることで、王子やパイロットたちと共に、心の深いところに自然と触れて、時間や愛や死について思いを馳せることになります。

「人生における最も重要なタスクは、親や社会からの条件付けを超えて『わたしは誰なのか』という本質と取り組むことなのだ」と、ザビエが言っていました。

 

本当にまさにその通りで「月の目的」である日々の生活に追われがちですが、わたしたちの人生の主役は太陽です。


それにも関わらず「自分にとって非常に大切なもの」と向き合わず「意味があるようなふりをして、意味のないことを延々と繰り返している人たち」が、物語には何人も出てきます。


ゴールデン・チャイルドは、誰もの内にある、生きる源泉。

尽きることのない愛と創造の源です。

蟹座のサン・テグジュペリは、水のまったくない「砂漠」を、物語の舞台としました。

これは彼の持っている山羊座の土星の象徴。悲しみ、うつ、孤独といったシンボルですが、わたしたちは常にゴールデン・チャイルドと共にあるため、それを信頼しさえすれば、人生のどんな暗い側面にも対応できるのだとザビエはいいます。

だとすると、問題は悲しみやうつや孤独があることではなく、それらを感じることを恐れて、避けようとすることなのかもしれません。

クローバー クローバー クローバー クローバー クローバー

 

ザビエが語る概念のひとつに「エピファニー」というのものがあります。

唐突になにかが起こり、気づかされる体験です。普通の出来事や光景のなかにある、神聖さに気づく瞬間といえるでしょうか。

唐突に真理に触れるというそれは「物事を心で見ていること」でやってくるのでしょう。


星の王子さまに登場するさまざまなシンボルの話が紐解かれていき、それはアーサー王の伝説と聖杯の物語にまで波及しました。蟹座でマザコンのランスロットがなぜ聖杯を見つけられず、魚座の息子のガラハッドが見つけることができたのかとか……面白くて、たまりません(笑)

そして、キツネの話。キツネは水星のシンボルであり、それは「自分の本質を知るために、ハートに入ることのできるもの」


キツネが王子に教えたのは「どのように時間を使うのか」ということでした。これは土星の話でもありますね。

わたしたちの時間と命は、誰もが有限ですが、その時間を使うことで、多くのものを生み出すことができます。愛と友情はその最たるものでしょう。


「どのように時間を使うのか」という学びは、わたしたちがやがて来る死を受け容れることにもつながります。

 

「死」を自分の感覚で扱うことができないことが、すべての問題行動のはじまりで、その本能的な恐れが人をワーカホリックに走らせ、お酒をたくさん飲ませ、何かをたくさん欲しがるように仕向けるのだといいます。

 

死を自分の感覚で扱うことで、人生と向き合えるようになり、それは自分のために「どのように時間を使うのか」ということにつながります。

 

その土星のレッスンを助けてくれるのも、創造の源であるゴールデン・チャイルド。

わたしたちが土星と向き合って、自分のなかの鉛を金に磨くことで「ただの麦畑」が「特別な麦畑」となるように、自分だけの特別なときを味わうことができるのでしょう。



誰もが自分にとっての「バラ」や「キツネ」を見つける必要があるのだといいます。それはかけがえのない恋人であり、大切な友人。

しかし、関係性はそう簡単なことではなく、そこにはたくさんの痛みがあり、混乱があり、道に迷い、時に諦めたくなったりします。

 

道を経ることで、やってくる愛。

 

「そういう存在」だから特別なのではなく、そこに時間をかけて、取り組んだからこそ、愛がやってきて、特別になったのだと。

 

そこに金星と土星が紡ぎ出す、錬金術があるのでした。




以前、彼氏と婚約したのだという30代前半の女性が「相性をみてほしい」と、わたしのところへやってきて、言いました。

「彼のことは好きだけど、病気になったり、介護が必要になったりしたときに、面倒をみることができるって、思えないんです」と。

わたしも、そう思ってました。

結婚して最初の数年はいま、彼が病気に倒れたら、世話できるかな?とか。先に痴呆になられたら、わたし、大丈夫かな?と。

いつからかな。いまだったら、もう大丈夫だな、と、思えるようになったのは。

時間をかけて、約束と決まりを積み重ねていって、迷って、怒って、混乱して、愛がやってきて……それは他の何十万、何百万とは違う、わたしにとって、かけがえのないものになったのです。



なんでもない日常の神聖さに気づかされる、まさにエピファニーとなった、特別な2日間でした。

思い返すだけで、その瞬間、その時間が輝いて感じられます。


わたしのまわりの、そこかしこにあふれる、かけがえのない愛。

自分のなかの「愛を見出す心」と、離れないように生きていこうと思った2日間でした。



ザビエの素晴らしい叡智と、オーガナイザー兼スーパー通訳のなおっつと、チームザビエの仲間たちと、その場を一緒に創り上げてくれた、ご参加者のみなさんに心から感謝ですベル