2017年9月6日16:02に魚座の満月です
長い眠りの途中で、ふと目を醒ますような。
夢うつつの束の間に、鋭く短い闇の気配を濃厚に感じるような。
そっと静かに忍び寄る、魚座の時間。
わたしたちが現実だと思っているものは、本当に「そう」なのでしょうか。
みんなで「そう」だと思っているから、「そう」なっているのではないでしょうか。
海王星が混沌へとつながる道をぽっかりとひらき、それに見とれている間に、天王星が真実の一部をたくみに盗み出す。
信じる者だけが救われる。
求める者だけが、そこに行き着くことができる。
眠りのあいだに見た、束の間の真実を、まぼろしと受け流すのか、心でしっかりと受け止めるのか、ハートの度量が試される魚座の満月です。
魚座の満月に、海王星がぴったりと寄り添っています。
海王星は魚座の守護星ですから、相乗効果で、魚座と海王星と、それぞれの影響がとても濃厚に立ち昇る時期となるでしょう。
魚座は12星座最後のサインで、次に新しくはじまる牡羊座からのサイクルを迎えるために、不要なものをすべて手放し、純粋な自分へと戻ることをうながす星座。
年の終わりに家中をすっきりと片づけて、新しい年を迎えるような。
あるいは、思い残しがないように、やりたいことをすべてやりきって、さっぱりと今世を終わらせるような。
わたしたちの魂を、生まれてきたばかりの頃のように、ぴかぴかに純化することをうながすでしょう。
わたしたちは日々の生活のなかで、さまざまなかりそめのアイデンティティを身につけていきます。
その時々の社会のなかでの役割、家族のなかでの立場、仲間のなかでの振る舞い方、さまざまな義務や役目。
まわりから求められているものや立場によって、わたしたちは『自分らしさ』を構築していき、その立場をもって社会生活が進められていきます。
魚座はそういった役割や肩書きをそっと脇に降ろして、わたしたちの純粋な「当初の目的」に立ち戻らせるでしょう。
海王星という惑星は、占星術で使われる惑星のなかでも、とても説明しにくいものです。
それは、わたしたちが世界をわかりやすく定義づけているものの、その外側にあるすべてを象徴しているため。
わたしたちは自分が住んでいる世界を、世界だと思いこむことで、安定した日々を過ごしています。
実際のところ、ひとりの人間にとってこの世界は広大で、宇宙は更に無限のように広く、とらえどころがありません。
そこでわたしたちは生きやすくするために、世界を扱いやすい大きさに限定して、その範囲のなかで起こることの法則を見つけ出し、定義づけて、共に生きる人々と共有してきました。
そうすることで、わたしたちは、限られた範囲のなかで、安定した生活を送ることができるようになります。
文化的で安定した生活を営むためのルールを明文化し、所属する全員が共通する認識を持つことで社会は支えられています。
新しい何かが誕生すると、それの扱い方やルールや立ち位置が立ちどころに自然と発生していき、この社会のなかでそぐわないものは排除されるか、自然淘汰されるか、はたまた一時的に吊るし上げられることになるでしょう。
しかし「本当の世界」は、わたしたちが明文化している世界の外側に、いまだ曖昧模糊としたまま永遠のように広がり、覆い尽くしています。
わたしたちは自分たちの「常識」の範囲で処理しきれないものを見たり、感じたりすると、それを「気のせい」や「錯覚」や「思いこみ」だと受け流しやすいもの。
だけれども、実はそのように受け流している「常識」こそが、作られた砂上の楼閣であるということを知らしめるのが海王星だといえるでしょう。
わたしたちは限定された常識的な世界のなかで暮らしているけれど、「本当の世界」では不可思議なこと、法則で説明のつかないこと、人間の思考ではいまだ知られざることが底知れないほどあって。
すべてがあり、すべての形はなく、無限である、という真実。
海王星は、エゴを解体させることで、限定された現実の枠を取り外し、おおいなる源から生まれたばかりの純粋な魂の状態にわたしたちを回帰させるでしょう。
それはさまざまな思いこみや、枠組みや価値観のとらわれに対する、強力なクレンザーです。
しかし海王星の働きだけが強くなりすぎてしまうと、今度はわたしたちが自己喪失を起こしてしまい、自分が何者であるのか、何がしたいのか、どうすればよいのか、わからなくなってしまうことにもなるでしょう。
安全に海王星を使うためのプロテクターとなるのが天王星です。
天王星は強烈に個人の自意識を目醒めさせて、自発性をうながします。
海王星が頑なな思考の思い込みを強力に手放させ、同時に自分を見失いかけていたものを、天王星がグッと個人にフォーカスして、叩き起こすでしょう。
そしてわたしたちは適度にとらわれの枠から解放されて、本来の純粋な魂に回帰した状態のまま、しっかりと立ち上がることができるのかもしれません。
いま、まさに夢から目が醒めたかのように。
閉じ込められた環境から与えられた役割や立場ではなく、魂が本来持っていた目的を思い出すかもしれません。
そのとき、その瞬間に得た感覚、手ごたえに対して、どこまで誠実でいられるか。
真実を見たのも束の間、わたしたちはともすると、簡単に「いつものパターン」に戻ってしまいがちです。
しかし、いまの時期は木星と天王星の180度が作られていて、自分のまわりの変えるべきところをしっかりと改善しておくことが大切なとき。
木星と天王星の180度★完全燃焼のススメ
https://ameblo.jp/light-side/entry-12305350088.html
かりそめの現実を生きるわたしたちの前に、究極の真実へとつながる道がひらき、天王星が彼岸と此岸のあいだに橋を架けて、渡りをつける夏の終わり。
どちらが夢で、どちらが現実か。
あちらとこちらの世界が交錯して、反転する、海王星の満月です。