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77BOADRUM


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昨年の公開を見逃してしまっていた"77BOADRUM"を見ました。この日は、会場となるNADiff A/P/A/R/Tの1周年レセプションパーティということもあり、狭い会場内はフリードリンクを手にした沢山の人で溢れかえっていました。7月7日の夜7時7分7秒より777円で公開された上映時間77分777秒のこの映画、始まりの狼煙を揚げるかのような冒頭のライブシーンから、もう鳥肌ものでした。下の写真にあるように渦巻き状に77台のドラムを配置し、順番にリズムパターンを変えていくことで、グルーブが渦の中心に引き込まれたり、外へ出されたり、さすがに映画ではそこまで感じることができなかったのですが、77台のドラムが生み出した圧倒的なエネルギーは十分すぎるくらいに伝わってきました。


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人間は、太古の昔から祭事や日常の生活の中でリズムに触れてきました。形こそ変えたものの、今の時代でも世界中の人たちがリズムに揺れ、リリースされるほとんど全ての音楽にはリズムが鳴っています。リズムと関わるというその行為が、何千年もの間、衰退することなく受け継がれてきたのには、もちろんそれなりの理由があると思います。生きる上で必要なエネルギーの一部を人間はリズムに触れることで得ているのかもしれません。"77BOADRUM"は、そのエネルギーの中心を感じることができる素晴らしい映画でした。


EYヨさんと77人のドラマーが生み出したバイブレーションが空に昇って行くかのようなその光景には、正直、心が震えました。


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NADiff A/P/A/R/T

恵比寿の"NADiff A/P/A/R/T"に行ってきました。アート複合ビルとして1年前に表参道から移転してきたこの施設は、ギャラリー、ブックストア、カフェ、が地下1階から4階までにこじんまりと入っている秘密基地のような場所です。秘密基地のように感じる理由は立地にもあります。東恵比寿のたこ公園や渋谷川に近い一角の、とにかく分かりにくい路地の先にガラス張りの現代的な建物が見えてきます。隣には、第七美晴荘という古くていい雰囲気のアパートがあって、その新しい物と古い物のコントラストは日本ならではというか、とにかく絶妙で、シャッターをきってもらいました。

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この日は、BOADOMSのヤマタカEYヨさんの3年振りの新作展"& Co. Soon"が開催されていました。車のボンネットに描かれた色鮮やかな龍や鳥はホントに綺麗で、もの凄くエネルギーに満ち溢れていました。更に地下1階の展示では、ジャケットに手を加えたEYヨさん所蔵のレコードやCDが所狭しと並べてあり、視聴して購入することもできるということなので視聴してみたのですが、明らかに中身とジャケットが違ってるものもあったりして楽しい展示でした。


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ギャラリーの方と話をしていたところ、7月7日に”NADiff A/P/A/R/T"の1周年記念のレセプションパーティーがあり、町田良夫さんのスティールパンを使ったライブが行われたり、BOREDOMSのドキュメンタリー映画"77BOADRUM"を夜7時7分7秒から777円で上映したりするとのこと。"77BOADRUM"は、2007年7月7日にニューヨークブルックリン橋のたもとで77台のドラムセットを円形に並べて行ったイベントを追ったドキュメンタリー映画です。ちゃんと全編を見たことがなかったので、この機会に見ようと今から楽しみにしています。

あたりまえ

先日、"私の10のルール"という番組にプロサーファーの真木勇人さんが出演していました。あたり前というものはこの世の中にはなくて、あたり前だと思わないことで、天気がよいことも、波があることも、友達と会えたことも、海に入って溺れなかったことも、幸せだと思える。ないものをねだったり、恵まれてないことを考えるよりもそうやって幸せを数えたほうがいいなってインタビューで答えていました。


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最近読んでいる本の中にネイティブアメリカンのアニミズム的な考え方について書いてあるものを目にしました。日本人にとっての"神"という概念が一番近いのが、ネイティブアメリカンにとっての"スピリッツ"で、それは神社の御神体のような唯一神ではなく、石、川、山、雲、風、人の作った物や、日常に起こったことに至るまで、どんなものにも精霊が宿っているという考え方です。


全ての物や出来事は敬意と感謝に値するというこの考え方によって、彼らは良いことも悪いことも自己や対象を分析するのではなく、精霊の宿る自然の一部として受け入れてきました。"あいにくの雨"というフレーズをよく耳にしますが、ネイティブアメリカンの人たちに言わせると"降って欲しくない雨などない"というのが彼らの考え方らしいです。


あたり前だと思わないことは、そういった敬意と感謝の気持ちを取り戻してくれる素敵な言葉であるように思いました。



ウィンター・ガーデン


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"ウィンター・ガーデン: 日本現代美術におけるマイクロポップ的想像力の展開"展を見に、原美術館へ行ってきました。


北品川の緑の気持ちのいい住宅街の中に、元々は個人の邸宅として設計されたバウハウス様式の原美術館がたたずんでいます。バウハウスとは、1919年にドイツのワイマールに設立された美術学校の名前に由来する合理主義的・機能主義的な建築、芸術を意味する様式のことで、シンプルながら人間が心地良く住みやすい"空間"がそこにはあります。


広い庭や生い茂る木の緑の中で、アールデコ調の雰囲気も残しつつ機能的で住みよさそうに設計された原美術館は、自然と人、それぞれのテリトリーが共生してるような、そんな心地良さがとても好きな場所です。


なもので、せっかくなら晴れた日にと、この梅雨時期に空模様をうかがいつつ、やっと足を運ぶことができました。


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"マイクロポップ"とは、本展のキュレーターである松井みどりさんによる造語で、断片を組み合わせて独自の世界観を表現し、時代遅れなものや凡庸なものに新たな用途や意味を加える芸術という意味だそうです。


一体どういう意味なのかとあれこれ想像しつつ初めに目にしたのは、一台のレコードプレーヤーでした。八木良太さんの"VINYL"という作品なのですが、これには本当に驚いてしまいました。美術館の学芸員の方がすぐ横にある冷凍庫から取り出したのは、一枚のレコードの形をした氷。これをプレーヤーにかけるとドヴィッシーの"月の光"が流れてきて、、氷が鳴ってる?って、まるで手品でも見せられているような気分でした。


聞けば、この氷のレコードは、シリコンでレコードの細かい溝を型どりし、その型で精製水を凍らせて作ったとのこと。にしても、氷が奏でる音楽を聴いたのは、生まれて初めての経験でとても感動的でした。この作品の魅力はそれだけではなくて、当然のことながら氷のレコードは、聴いているうちに溶けていくということです。溶けて浅くなった溝によって、まず音楽はループしだし、リズムを刻んだノイズがだんだんとその比重を増すと、氷の奏でていたメロディーは小さくなっていって、やがて消えてしまう。氷が溶けるのと一緒に音楽も溶けていく、そんなはかない感じを経験できる素敵な作品でした。

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佐伯洋江さんの無題の作品も素敵でした。緻密な線画として描かれている部分と、水墨画のように躍動したタッチで描かれている部分によってできたその絵は、東洋的な雰囲気の中に新しさを感じさせる独特な世界でした。水墨画のようなといえば、この大きくとられた余白の部分も、この余白の部分を他に鑑賞している人たちの目も気にしつつ、手で隠しながら見たりもしたけど、やっぱりあった方が素敵でした。絵画も、人間も、余白の部分が醸し出す魅力ってあるような気がします。




夕焼け


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今日の夕焼けはきれいだった。このところの梅雨空続きで夕焼けは厚い雲の向こう側に居たけど、沖縄慰霊の日である今日、久しぶりに顔をだした。沖縄からやってきた平和を願う魂が東京にも届いた、そんなきれいな夕焼けでした。

池田亮司 +/-[the infinite between 0 and 1]


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池田亮司 +/-[the infinite between 0 and 1] を見に、東京都現代美術館に行ってきました。実は会期中に訪れるのは二度目で、最終日となった今日、どうしてももう一度目に焼き付けておきたくて友人を誘って足を運びました。


世界の電子音楽界で第一線を走る池田亮司さんは人間の感覚能力とテクノロジーの限界に挑み続け、今回の展示では音の正弦波をデータとして解析しグラフィックとして再構成した視覚的な効果と、最小限にまで音数を絞り洗練された聴覚的な効果で人間の感覚の臨界点に挑んだ強烈な作品でした。


真っ暗な会場にはいると、横一列に並んだ10個の巨大モニターに様々な模様に再構成された数字や言葉が高速で移動していた。その迫力に圧倒されながら先へと進むと、さらに巨大な水族館の水槽ほどあろうかというくらいのスクリーンに遭遇。テクノロジーの宇宙を高速でワープしてるような、もしくはミクロサイズになった自分がノートパソコンの中に吸い込まれていってしまったかのような不思議な気分になりました。


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真っ暗な作品のあとは一転して床も壁も真っ白な会場へ。そこでは5台の巨大な指向性スピーカーが向かい合わせで置いてあり、様々な周波数の音が会場の中心めがけて出されていた。歩く方向、スピード、位置によって様々に変化する音を聴くことができ、その音をかき分けてるというか、音のプールをウォーキングしてるというか、そんな感覚がとても楽しい気分にさせる展示でした。


その後、6月28日まで常設展示されてる「MOTで見る夢/MOT Field of Dreams」へ、ここでは日本各地を独特の視点と構図で描いた大竹伸朗の"日本景/ぬりどき日本列島"、シュルレアリスムの雰囲気漂うオスジェメオスの"ライフがフォームになるとき"、黒田清輝の油彩"引潮""上潮""入江"、高木正勝の映像作品"Bloom Girls"、マシュー・バーニーがパートナーであるBjorkを撮った"拘束のドローイング9"のミラーポジ、奈良美智の"サヨン"、加藤美佳の"カナリヤ"、と、好きな感じの作品をたくさん見ることができて大満足でした。


写真はオスジェメオスの"ライフがフォームになるとき"と下は高木正勝の"Bloom Girls"の1カット。オスジェメオスの作品は電球が点滅してたり、本物のろうそくが飾ってあったり、スパンコールが貼りつけてあったり。ダリが生きてたら、ダリも電球ピカピカ光らせてたかもね(笑)とか言って喋ってました。


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ブエノスアイレスからの風

先日、友人でDJでありぺインターでもある7eからメールが届きました。さかのぼることその数日前、7eがオーガナイザーとして吉祥寺WARPで開いたイベント"MIND WARP"に足を運んだことへのお礼の言葉と、手渡した"level flight"の感想が書いてありました。その何気ないメールの最後には、今自分の中で気になってるコロンビア、アルゼンチンあたりのアーティストと題して、何人かの名前が挙げてありました。


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クンビアという音楽をご存じでしょうか、一般的に複雑なリズムで構成されるラテン音楽とは対照的に、牧歌的な歌と2ビートでゆったり揺れるリズムが特徴なのがクンビアであるらしいです。早速聴いてみると、その哀愁感じるメロディーと小気味よい生楽器のリズムに心踊らされました。何年か前に、ブエナ・ビスタ・ソシアルクラブというキューバの伝説的なバンドを追った映画が流行っていたけど、あの少し陰を落とした南米・カリブの雰囲気を思いだしました。

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聴き進めて行くうちに、このクンビアの要素を電子的な音で再現したものや、クラブミュージック的にアプローチしたものなど、様々に形を変えたクンビアを耳にしました。どれもエキゾチックで独特な、いい意味で湿っぽい雰囲気があって良かったです。ひとくくりにするのもどうかとは思いますが、僕ら日本人はそういう湿っぽい感じの音に反応してしまう傾向があるようにも思います。梅雨が終われば、すぐに夏がやってきます。蒸し暑い日本の夏に、地球の裏側から吹いてくる湿った風を感じるのも気持ちいいかもなと思いました。


写真と絵は、Axel Krygier ; http://www.myspace.com/axelkrygier

マルタンマルジェラ


ベルギーアントワープ王立芸術学院出身のMartin Margielaは、同期のAnn DemeulemeessterやDries Van Noten らとともに"アントワープの6人"と言われているデザイナーです。元はと言えばファッション雑誌の編集をしていた親友に教えてもらったのですが、毎年発表されるその服を見る度にマルジェラ熱は高まり、今ではすっかり虜となってしまいました。


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マルジェラの服の"ポぺリズム"と言われるルーズにだらしなくデザインされたその雰囲気は、3Dをイメージするのが苦手な自分としては、いったいどうやってこの雰囲気をイメージして生みだしたのだろうと不思議になるくらい絶妙です。


先日、その親友に誘われて今期のマルジェラの展示会へ行ってきました。詳しいことまでは僕にはわからないのですが、目につく"足し算のデザイン"ではなく、最小限の素材の素材感をどのように工夫して生かすかという"引き算のデザイン"があるように思いました。


何事も"Less"な方向へと向っている今の時代に、より少ない素材でデザインされたマルジェラの服はとてもマッチして見えました。





level flight

春先からこつこつと制作していたものが、まとまった形になったのでリリースしました。


今回は、山で言ったら木の緑、家で言ったら家具のような、あって自然なもの、その場の生活環境にとけ込む音を意識して作りました。タイトルの"level flight"を和訳すると「水平飛行」という意味です。その場の環境に溶け込む音を考えた時に、テンションを上げも下げもせず、一定の高度を保つことが重要だと思いました。その為に今回こだわったのは、"リズム"と"ループ"です。飛行機はその翼を使い気流を捉えて高度を保ちます。その翼や気流の役割として"リズム"と"ループ"を用いました。



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もともと、環境にとけ込むことを目指した音楽といえば、アンビエントミュージックというジャンルがあります。Brian Enoが事故で入院したときに聴いた18世紀ハープ音楽にヒントを得て書いた"Music for airport"がそのはじまりとも言われてます。聴いていると窓の外の都会の喧噪が嘘のように思えるくらい静寂(実際、音は鳴ってるのにそんな気分になるっていう意味で、、)を感じられるのですが、音として感じられる静寂な雰囲気が環境にとけ込んでいるかと言ったら、個人差はあるのだろうけど自分にとっては少し違うような気がします。静寂な雰囲気が内の方へ気持ちを引っ張っていってしまうから。


先日、ヨガをやってる友人と話をしてて、初めと終りにやる瞑想の時間のインストラクターの先生の話というのを聞きました。人は心を無にしようとしても完全に空っぽにするのは大変なことで、静寂の中で人は過去にとらわれてしまうことが多いらしい。"リズム"と"ループ"の心地良さは、水際でそれをくい止めてくれる浮力となりえると思い加えました。


http://www.myspace.com/tsuchida323232


何にせよ、アルバムが完成したってことはとても嬉しいことで、宝物が一つ増えたというか、お気に入りの本が一冊増えたというか、ついつい笑顔になってしまいます。



暑くもなく寒くもないこの季節は、植物にとって引っ越しにはもってこいということなので、この日は部屋に置く植物を探しに行ってきました。普段は目黒通りにある ”Chambre de nimes”という中古家具も扱う店で買ってくることが多いのですが、この日はあいにく気にいったものがなく、天気もいいので足を延ばして梯子することにしました。


向かった先は渋谷にある"NEO GREEN"、ここは初めて行ったのですが、多肉植物や熱帯系の植物の形のきれいなものが揃っていて、ついつい見いってしまいました。きっと部屋には飾りやすいんだろうけど、もっと生命力むき出しで勢いあまってあっちこっち伸びてしまいましたみたいな物が欲しかったので、珍しい白っぽいアロエとチランジアというエアプランツだけ買って出てきました。


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その後、駒沢にある"PANCOW/botany"へ。ここは一階は雑貨屋で二階は丸々温室になってて、晴れた日なんかに行くと植物園にいるみたいで本当に気持ちがいい。買い物をしていて全く疲れを感じないのは、この温室に溢れる緑から沢山のエネルギーを貰ってるからなんだろうなとか思いつつ、許可をもらい、そのエネルギーを写真に収めさせてもらいました。長居をした後、気がついたら日も堕ちてきたので、小さめの多肉植物を数個と少し野生味のあるワイヤープランツを買って帰ってきました。


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もともとの自然界の営みとは明らかに異なった生活をしているのが僕ら人間で、そのような明らかに非自然的な生活の中から精神的にも肉体的にも調子が整えにくくなっているようにも思えます。だからと言って森へ帰れ、なんてことも現代人には無理な話だし、生活に緑を取り入れることで少しでも自然に近い立ち位置に居れたらなって思います。