いいかげん(12)帰ってきた疑惑の人  | 自分史の旅 tarojie

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黄昏の落ち葉が似合う年齢になった。何かを残すこともない過ぎ去る日々、何かストーリーを書いておきたいと思いブログを始めたものの面倒だと思う日もある。忘れること思い出すことできなくなるかもしれない。まだ真黄色な楽園ではない。少しは色もある萎びれ枯れて行く。

いいかげん(12)帰ってきた疑惑の人 

彼は戻ってきた。朝の散歩に現れた。なぜ彼が来なかったかの理由が一つが分かった。東京の展示会に行っていたということだ。東京ビックサイトだった。彼の正体を知るためにいつも言っているコーヒーショップで待ち合わせることにした。

 

お互い名刺を持って行って紹介することで話が決まった。しかし1週間以上現れなかった理由を埋められなかった。東京へは日帰りで行ったということだ。では後の日は何をしていたのだろう。やはりまだ不明だ。彼は何者だ。

 

しばらくして午後のある日彼と会った。彼は日本で会社を作り自ら社長として動いている。名刺を見ると役職名取締役社長と書き名前を日本名で書かれていた。日本では取締役社長はあまり書かない。しかし中国名では3文字の漢字を1文字とると中国名で本名であると言っていた。

 

今は日本で貿易会社を経営している。しかも中国国籍から日本国籍を取得しているという。2000年ごろまで日本の大手商社に勤務しその後この会社を立ち上げたというのだ。しかし住所をよく見ると集合住宅の1室だ。

 

しかも一人で住んでいるようだ。従業員はいない。と、このように言っていた。中国に家族はいるが帰ることが難しい。日本国籍に変えたというということで捕まる可能性も考えられるというのだ。だから帰らない。以前は中国のものを日本に売っていた。

 

家族の姉がシンガポールに移住し生活しているという。今は日本のものをシンガポールに売ることをしているという。彼のたくましさを感じる。しかし私にとってまだ疑惑の領域だ。今回彼と話したことで少しわかったが結局普段何をしているかまだわからない。

 

ホタルブクロは正義、誠実を現わすという。『いいかげん疑りぶかいんだから』『シャーロックホームズ君ではないからね』

(2024年6月6日)