『2年生存率０％を生き抜いて』
28歳で腎臓の希少がんに罹患。
22年前の発病当時、
一番の希望は生の体験談でした
母から見た私の生還記録を綴っています。
少しでも生きる力となりますように。
母（21歳）と私
（母の手記です）
2005年『Messenger』2号に掲載。
最初はこちら↓↓↓
息子は1999年10月14日、
左の腎臓の希少がんと診断を受け、
余命宣告までありました。
「早くて半年、
２年後生存率0％」
誰がそんなこと信じられますか？
うそだ、うそだ！
と心の中で何度も叫びました。
息子は28歳、私が49歳のときです。
1999年10月14日、
息子の手術は無事に終わりました。
数日後、
診察室に呼ばれた私と夫は、
衝撃的な言葉を
医師から伝えられました。
「早くて半年、よくもって２年」
その様子は前回↓↓↓
医師の言葉に対して、
「絶対に信じません！」
と返したものの、
その後、
毎日病院に行って
息子の顔を見るのも辛かったです。
病院では笑顔で
体の調子を尋ねたり、
「気分はどうか」
と聞いたりしておりましたが、
病院の行き帰りは
涙が出るばかりでした。
また、
仕事の行き帰りにも
思い出すと涙が止まらなくなり、
いつも車を止めては泣いて、
主人には毎日のように、
「事故を起こすな、注意しろ」
と言われていました。
できることなら代わってあげたい。
そんな思いばかりでした。
こんな現実に
どう立ち向かえばいいのか分からず、
私は自分の無力さを
嘆くばかりだったのです。
しかし、
泣いていても何も始まりません。
私が強くならなくてはいけない。
私が泣くのを息子に感づかれてはいけない。
きっかけは息子の姿でした。
息子に「買ってきて」と
頼まれるのは、
がん克服体験記など、
がん関連の本をばかりでした。
元来負けず嫌いで、
前向きな性格の息子。
ベッドの脇には
読んだ本が高く積み上げられていました。
いちばん辛いはずの息子が
こんなにがんばっている。
それを見て、
絶対に死なせるものか、
腹を痛めて産んだこの子を、
どんなことをしても
治してやりたいと思うようになったのです。
息子が前を向いているんだ。
私も前を向こう。
そして、
術後、３週間経ち、
抗がん剤治療が始まりました。
つづく。
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