『2年生存率０％を生き抜いて』
28歳で腎臓の希少がんに罹患。
22年前の発病当時、
一番の希望は生の体験談でした
誕生日を迎え、
母から見た私の生還記録を綴っています。
少しでも生きる力となりますように。
母（22歳）と私
本人の生還記録・最初はこちら
（母の手記です）
2005年『Messenger』2号に掲載。
思い起こせばあの日から
もう5年半（2005年当時）の歳月が流れました。
あの頃は、
元気にあちらこちら飛び回る
今の息子の姿を想像すらできませんでした。
ときどき、
「生きている」のが
不思議とさえ思うことがあります。
息子は1999年10月14日、
左の腎臓の希少がんと診断を受け、
余命宣告までありました。
「早くて半年、
２年後生存率0％」
誰がそんなこと信じられますか？
うそだ、うそだ！
と心の中で何度も叫びました。
息子は28歳、私が49歳のときです。
息子は、
小さい頃からあまり病気もせず、
勉強にスポーツに、
何事に対しても
人一倍がんばって生きてきました。
たまには
心配させられることもありましたが、
あまり手のかからない、
いわゆる良い子で、
就職した先でも良くしていただき、
充実した人生を送っているようでした。
1999年5月29日、
息子の28歳の誕生日、
息子は友人と遊びに行くといって
元気に出かけて行きました。
日も暮れる頃、
一緒にいた友人から突然電話があり、
すぐに病院に来てほしいとのこと。
息子が病院？
朝の息子の元気な姿からして、
病院などと全く想像もつきませんでした。
ただ、
何かが起きているのは事実で、
動揺する自分の心を
必死になだめていました。
とにかく
身の回りのものを持って、
病院に駆け付けると、
そこには苦痛に顔をゆがめる、
朝とはまるで違った息子の姿がありました。
何が起きているの・・・？
冷静さを何とか保ち、
「どうしたの？」と聞くと、
しぼり出すような声で、
「バッティングセンターに行ったあと、
わき腹が急に痛くなって、
病院に連れてきてもらった」
と言いました。
とても帰れる状態ではなく、
その日は息子を一人残し、
医師にお願いして帰宅しました。
次の日病院に行った時は
少し痛みが和らいでいたようで、
少し安心しました。
入院したＴ病院で
２週間くらい色々と検査を受け、
牛乳びん二本分の出血が
腎臓の中で起きていて、
腎外傷という診断でした。
はっきりとした出血の原因が
分からなかったため、
不安になり
Ｂ大学病院を紹介していただき、
そこでも色々な検査を
受けさせましたが、
やはりＴ病院と同じように
原因が分からず、
「たいしたことではないだろう」
とのことでした。
息子には、
医師からがんではないと
はっきり言われたようで、
大喜びで退院し、
安心してすぐ職場に戻りました。
そして３か月後、
息子は退院当初から予定されていた、
血腫の状態を見るための検査を受けてきました。
検査結果の出る日、
1999年10月1日、
なぜか胸騒ぎがしたのを覚えています。
息子が一人で結果を聞きに行き、
本人から職場に電話があったのですが・・・
その声は小さく、元気のないものでした。
「落ち着いて聞いてね。
悪性の可能性が高いって。
つまり、がんだろうって」
本人の記録はこちら↓↓↓
つづく。
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