次の日、学校に行くと、明らかにグループの人間の目が違っていた。
でも私の昨日の気持ちは変わってなかった。
こいつらに嫌われたって、一向にかまわない。
この人たち以外に仲の良い友達なんていなかったけど、別に不安ではなかった。
第一、これが私の望んでいた事じゃない。
1人になりたい。
わずらわしい人間関係から抜け出したい。
ずっとそう思ってた。
誰にも気を使わず、好きなときに好きな事をする。
協調性なんて言葉、本当は大嫌い。
野良猫みたいな、一匹狼みたいな、そんなものに憧れてた。
私はこれから彼等がどんな行動に出るのか当ててやろうと思った。
その時、グループでやっていた交換ノートの事を思い出した。
確か今日は私の番。
きっとわざと私の目の前で私の前の番の人と、後の番の人が交換ノートを渡すんだろうと思った。
しかし、予想は外れた。
授業が終わった後、アリサから「はい」と言って、交換ノートが渡された。
アリサは活発で、割とはっきり物を言うタイプの子だったけど、やはりアイとミキには逆らえない様だった。
私はアリサが本当に楽しんで人をからかったりする子には思えなかった。
どういう事だろうと思って、ノートを開いた。
すると、ミキの『私、このグループの中で、嫌いな人いるんだけど』という言葉の後に、しめしあわせた様に、全員の字で、『私、ソレ分かる。』と書かれていた。
私は思わず笑いそうになった。
この1日の間に、焦って全員にノートを回したんだと思うと、滑稽だった。
私は半分面白がって、『私、ソレ分かる。私の事でしょ?はっきり言えば?』と書いた。
私はニコニコしながら次の番のアヤに交換ノートを渡した。
アヤは人の目ばかり気にしてる子だった。
「だよねー」とか「分かる、分かる」はうるさいくらい言うのに、自分の言葉で何か言う事はほとんどなかった。
私から交換ノートを渡された時も、どうすればいいのか分からないらしく、アイに助けを求めていた。
私の『きっとわざと私の目の前で私の前の番の人と、後の番の人が交換ノートを渡すんだろう』という予想が当たったのは、次の週だった。
私が授業が終わって、書き終わらなかった黒板を写しているとアリサが私の机の前に来た。
邪魔だなぁ、と思っていると、アヤも来た。
アリサはアヤに向かって『はい、交換ノート』と言ってアヤは『ありがとう』と言って去っていった。
私の順番は抜かした、という事を言いたかったらしい。
きっとアイとミキの命令でやらされてるんだろう。
後ろでくすくす笑ってるのが聞こえる。
私はあんまりバカバカしくてまた笑いそうになった。
その後も、授業中私の机の周りで、私の悪口を回して、受け取った人間がいちいち私の方を見てくすくす笑ったり、私のイスに無理矢理座らされた子が「きたなーい」と言って、スカートをはらったり、いろんな事をされた。
でも私はのん気だった。
全部真に受けないように、他人事の様に見ていた。
もちろん良い気分ではなかったが、所詮中学生のやる事と、自分も中学生のくせに思っていた。
そのグループに対しては、いつも冷めた目線でみていた。
その人たちの行動で泣く事なんて想像もしなかった。
でも、1度だけ泣いた。
それは、悔しいとか、悲しいとかいう涙ではなかった。
LIFE×××