謝憐と花城の心が通じ合った後の甘いシーンについて見ていきます。まだ日本語訳が出ていない範囲になるので、小説で直接読みたい方や、ネタバレNGの方は飛ばしてください。
①二人が気持ちを通じ合わせた後、白無相が追いかけてきて「後で落ち着いたら話そう」と言って謝憐と花城は一緒に逃げるのですが、「落ち着いたら」のタイミングがいざやってくると、二人は少し気まずくなります。心が通じ合ってすぐだし、他に誰もいなくて二人だけなので、急に何を話したらいいかわからなくなります。謝憐は指先で顔を掻きながら、軽く咳払いして、なんだかどんな姿勢も落ち着かなくなります。花城も手を体の後ろに回していて、少し震えているようなのです。そこで神像が目に留まり、神像の話をします。・・・緊張する二人ともとっても可愛くないですか?
②謝憐「骨灰は大丈夫?ちゃんと隠した?」花城「とっくに隠してる」謝憐「・・本当に大丈夫?そこは本当に安全で見つからない?」花城「僕にとっては世界一安全な場所なんだ」謝憐「そんなに自信あるの?」花城「もしその隠し場所が壊れたら、僕もいる必要はないんだ」謝憐はそれを聞いて、「いる必要はない」の意味を少し気にします。謝憐はふと花城がどうして死んだのかを尋ねたくなりますが、きっと壮絶なことがないと「絶」にまで上り詰めることができないと思い、辛いことを尋ねるのが憚られて、尋ねるのを堪えます。
③謝憐「この八百年、仙楽国以外で私に会った事はある?」「・・・ずっと探してたけど、見つからなくて、残念ながらない。どうして?」「この数百年、とても失敗した生き方をしているから、見られたくないと思って」「そうなの?」「冗談じゃなくて、本当に惨めなんだ」「哥哥が前に言った言葉、’’どんな''あなたかではなく''あなた''が大事。僕も同じだ」「そんなこと言ったっけ?」謝憐は真っ赤になりながら答えます。「言ったよ!見たい?見せようか??」「???・・そんな...嘘だろ...そんなもの記録してるの?!」「冗談だよ」「本当に?信じられないよ...」「哥哥、信じて」「信じない!」
④銅炉に飛び込む直前、花城「ちょっと待って」謝憐「??」
花城が突然腰に手を回し、顎を持ち上げて口付けします。風や雪のが舞う中しばらくキスしてから離れます。初めてキスしたわけではないものの、「法力を借りる」とか「空気を送る」とか、そんな建前がない状態で、しかも心を通い合わせた後にキスするとまた意味合いが異なってきます。
謝憐はもう手をどこに置いたらいいかもわからなくて困ります。花城が耳元で言います。「何があるかわからないから、少し法力を貸しておくよ。・・貰ってくれる?」「こ・・これは少しなの?ちょっと多すぎない?前借りたのも返してないし・・」「多くないよ。急がなくていい。ゆっくり返せばそのうち返し終わるよ」謝憐は適当に相槌を打ち、慌てて行こうとすると方向を間違えて花城に呼び止められます。謝憐「いや・・その・・ちょっと寒いから、走って体を温めようと・・」
⑤巨大な謝憐の神像に乗って戦う場面で、神像は謝憐の法力で動くのですが、途中法力が足りなくなって神像が倒れそうになった時、花城が謝憐の腰に手を回して口付けして法力を渡す場面があります。
その後、いろんな神官達が参戦している時に、また法力が切れる場面があります。謝憐が振り返ると、すぐ後ろにいた花城が、法力を渡そうと、手を伸ばしてきているところでした。花城は他の神官がたくさんいたため、手で法力をあげようと思ったのです。謝憐は花城の顔を両手で包んで、つま先立ちして、唇をくっつけます。
風信「・・・」
慕情「・・・」
権一真「?」
裴茗「はは。」
謝憐はもう口も付けたことだし、いっその事たくさん吸おうと思って、花城の首を抱きしめてもっと深く口付けます。
風信「何してる???お前ら何してるんだ???殿下???」
謝憐「ほ、法力だよ!法力を借りてるだけ!」
慕情「法力を借りるってそんなことしなくていいよな?手でもできるよな?」
謝憐「はははは!ばれたか。法力だけじゃないけど!はははは...」
それを見て花城も笑いながらもう一度謝憐に軽く口付けして「緊張しないで、哥哥」と言います。・・・もう甘すぎます。
⑥謝憐が天界で出られなくなった時、花城が会いに行きますが、花城がまだ近づいてないのに謝憐が飛びつく描写があります。激しく飛びついたのに、花城は後退りすることもなく、よろめくこともなく、しっかり受け止めて抱きしめます。謝憐の背中に手を回して何も言わず笑顔になる描写があります。
⑦錦衣仙を見分けるために、謝憐が一着一着、実際に着てみて、花城が謝憐に指令を出す場面があります。花城「僕の命令は・・法力を借りること」謝憐「そ・・それは・・もっと真面目にやってよ!他はどんな命令でもいいから、それだけはダメ」花城「じゃあ・・法力を借りようとしないこと」
「法力を借りようとしないこと」という命令が通ったかどうかを証明するためには、法力を借りてみるしかないのです。謝憐は花城のことをずるいだのなんだのモゴモゴ言いながらも、周りに誰もいないのを確認して花城に口付けします。・・・これでは一着試す度に口付けしないといけないですね。
⑧黒武者の無名が花城だと分かった時、謝憐は思い千万、感激、申し訳無さ、心の痛み、大きな喜び、救いようがないぐらいの慕う気持ち、全部が一度に押し寄せる描写があります。
⑨一晩千灯観でキスをした後、天眼(修行をして妖怪が見えるようになった)道長が謝憐を見て、「あなたの唇に鬼の気を感じる」と言う場面があります。それから一年後、花城が再び謝憐の元に戻ってきて、しばらくしてから菩荠観の再建祝いで皆で集まるのですが、この時この道長から「あなたに付いている鬼の気が濃くなっている」と言われてしまいます。
謝憐「・・・」
慕情「毎日鬼王と一緒にいるから鬼の気が強くなっても不思議じゃないだろ」
道長「・・いや、それでも・・、こうなるはずは・・・」
風信「どういうことだ?」
道長「・・・。あなたの鬼の気は、中から外に溢れて出ている。体内から外に溢れ出しているんだ」
「・・・」謝憐はもはや咳も出ません。顔は真っ赤になります。
風信と慕情はしばらくしてやっと意味がわかって、同時に謝憐を見て沈黙します。師青玄だけまだ意味が分からず、「だから?え、何?どう言うこと?太子殿下は病気なの?血雨探花は知ってるの?」
謝憐「これは。その。いや。ん・・・・・」言葉になりません。そして後ろの人の胸にもたれます。後から手が回ってきて謝憐を抱きしめながら、花城の「みんな自分の席に戻って、ご飯を食べたらどうかな?他の事は気にしなくていいからさ」と言う声が聞こえます。師青玄「血雨探花、太子殿下の体をちゃんと調べた?」・・・この人は鈍くてまだ続けます。
⑩番外編では甘い話がいくつか繰り広げられます。
・二人で一緒に晩を明かした次の日、訳あって謝憐が記憶を失くします。(この時の彼は十七歳までの記憶しかなく、自分を十七歳の太子だと思っています。)記憶をなくした謝憐が自分の体に付いているいろんな愛の痕跡を見て、誰が私の体を・・と怒りに満ちて目の前にいない相手を罵る場面があります。
そこで三郎がやってきて、初めて謝憐と出会ったふりをして、失くした記憶が戻るまで謝憐に付き添うのですが、謝憐はなぜか三郎を見るとどうしても夜のいろんな光景が頭に浮かんだり消えたり・・・(でも相手の顔だけはなぜか思い出せない)。謝憐が記憶を失くしているのをいいことに、花城は自分のことを「哥哥」と呼ばせたりします。最終的に失った記憶を取り戻します。
・謝憐が法力がある状態で萬神窟に足を踏み入れた時に、中の神像達が影響を受けて動き出してしまうお話です。温柔郷の毒にかかった謝憐の神像があまりにも苦しそうなので、解毒してあげるために、花城がもう一体花城の像を彫ります。(ここで言う「解毒」とはつまり、相手を作ってあげるということです。)そしたら目を離した隙に、その温柔郷の神像が自分で縮地千里を描いて外に逃げ出してしまいます。ほぼ裸同然の姿なので、これは外に出たらやばい、と思って二人は花城の像を持って追いかけます。風信も手伝って探します。
最終的に温柔郷の神像を見つけたのは慕情の宮殿の庭で、温柔郷の神像は解毒するために自分を剣で刺そうとしますが、石でできているので剣が折れます。絶望しながら苦しみ、洞窟に落ちます。そのあまりに苦しそうな姿を見て、花城の像が花城の手から洞窟に飛び降ります。しばらくして二体は繋がった状態...で見つかります。それに勘づいた時の風信と慕情の顔、見た時の謝憐の顔と言ったら・・・。
・花城の誕生日がやってきて、プレゼントを用意して贈る話です。最初自分で縫ったベルトを渡そうと思いますが、あまりに不細工で渡すのが恥ずかしくて、別のプレゼントを心を込めて用意しますが、色々訳があって、そのせいで謝憐が花城のことを思う度、近づく度に胸が苦しむようになります。それでも痛みを我慢して、無理してでも花城のそばにいようとします。そしてとうとう花城の誕生日当日に痛みのあまり、倒れてしまいます。
原因がそのプレゼントだとわかった後、花城はそれを壊します(壊す以外に方法がないため)。そして、誕生日プレゼントをどうしても何か渡したい謝憐は、最初に用意したベルトをあげますが、花城は大喜びで、その不細工なベルトを付けてあっちこっちで見せびらかそうとするので、謝憐がなんとかどうにかやっとのことで頼み込んで、不細工なベルトが人目に触れることを阻止できたというお話です。ただ、鬼王の誕生日に謝憐が倒れた話と、その原因は謝憐が花城を愛しすぎていることなのが、瞬く間に天界にも鬼界にも知れ渡ります。
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甘い部分を拾ってみました。これだけでも甘いのですが、他にも甘い描写がたくさんあり、番外編も他に2つほどあります。心を通わせた後には、ボスが判明したり、ボスとの対決、ボスの過去、白無相がなぜ謝憐に付き纏うのか、花城の右目に関する真相などが次々と明るみになったり、謝憐の師匠が出てきて、花城が少し気を遣う場面などもあります。剣蘭(蘭菖)の選択や、宣姫がその後どうなったのかなど、怒涛の展開が続きます。