今回から第四巻について、新版で改変された箇所を見ていきたいと思います。
旧版第四巻の章構成は次の通りです。(先月発売された第四巻日本語訳も旧版に基づいて翻訳されています)
「痴心子血化锦衣仙」「两分颜色大开染坊」「九十九鬼衣险中藏」「知鬼王偏爱戏鬼王」「我菩荠观为之绝倒」「荒山岭大闹黑心店」「尖牙利齿吞风碎箭」「路与我孰为定夺者」「铜炉开山万鬼来朝」「明将军可悔折恨剑」「左右慌不择东西路」「四天王暗黑墙中藏」「何不须黎何不敬文」「山高路远狭路不通」「生同穴入土不为安」「本玉质哪甘作抛砖」「迷国师迷语迷人心」「荧惑守心圣人出世」「醋鬼王三问何所依」「鬼火罩顶锁命口令」「怨女鬼妒火烧情心」「末公主自刎宫门前」「骑黑牛飞蹄登铜炉」
新版では、上に対応する章構成として、「题离思心躁乱墨痕」(の途中から)「两分颜色大开染坊」「我菩荠观为之绝倒」「铜炉开山万鬼来朝」「本売履人何不敬文」「錦衣夢蝶太子戯花」「傲霊文笑別凌波楼」「本玉质哪甘作抛砖」「将军折剑公主自刎」とコンパクトになっています。
第四巻のスタートが新版の「题离思心躁乱墨痕」の章の途中からとなっています。青色の章タイトルが削られて、前後の章に吸収されています。霊文のエピソードが随分加筆されたのと、以前ご紹介した「蝶夢」の章も加筆されているので、新版の章ではタイトル名が少し変えられたり、加わったりしています。(赤色)
今回は新版の「题离思心躁乱墨痕」の途中からの箇所を紹介していきたいと思います。(第四巻日本語訳の「第68章 痴心子血化锦衣仙」の章です)
P9上段「少し呆然とした謝憐は、心の中で小さくため息をついて横を向いた。すると、ちょうど郎千秋が殿の外から入ってくる所だった。久しぶりに会った郎千秋は、一回り痩せていて少し沈鬱な様子に見える。一瞬目が合ったが、無言で顔を背けられた」が削られています。
また、P9下段「すると誰かが問いに答える声がした。・・・容赦なく殴り合ったらしい」までの、風信が謝憐に返事する箇所が削られています。
そのため、新版では割とすぐに君吾が話を切り出す感じになっています。無駄なところが削られてストーリーがくっきりと浮き彫りになった印象です。
それに伴って、p10上段の「片側の頬を青黒く腫れ上がらせた(慕情)」という表現もなくなっています。
p10下段「君吾の答えを聞いて謝憐が尋ねた。『もし間に合わなかったらどうなりますか?対処は可能なのでしょうか?』『できるが、その手は使わずに済むことを願う』」が削除されて、君吾がそのまま話し続ける描写になっています。
次の場面では、旧版では菩薺観での郎蛍と謝憐のパートになるのですが、新版では最初から郎蛍が登場しないので色々と微修正されています。
p11下段「帰り道にガラクタ集めで手に入れた金で郎蛍のために新しい服を二着買った」が、「帰り道に安い古着を売っている売り子がいたので、お買い得だと思い、ガラクタ集めで手に入れた金で二着買った。彼は着ることができないが、誰か必要になる人はいるだろう」に書き換えられています。
その直後の「花城は鬼市に戻り・・・今菩薺観に残っているのは郎蛍だけだ」が削除されています。
「遠くから、郎蛍が観の前で黙々と地面を掃きながら黄金色の落ち葉を一箇所に集めているのが見えた」が、「菩薺観にまだ着いていないが、遠くから、顔に包帯を巻いている少年が黙々と観の前で黙々と地面を掃きながら黄金色の落ち葉を一箇所に集めているのが見えた」に変わっています。
「気のせいかもしれないが、これまでは猫背でおどおど・・・」から、村人は集まって「小花は?」と謝憐に尋ねるあたりの描写もなくなっています。
新版では「謝憐は不思議に思い、まじまじと見て気がついたが、それは村の端に住む少年だった。この少年は家に誰もおらず、これまでは村人たちからの施しやちょっとしたバイトで生活していて、どうしても食べるものに困っていそうな時には謝憐も米や饅頭を届けていたのだが、どうして今日はここに来たんだろう?」といったような描写になっています。
そこで、謝憐は箒を預かり、「ありがとう!どうしてここに来たの?ごはん食べて行く?」と尋ねます。
p11下段の「花城が鬼市に戻り、戚容は谷子を捕えて逃亡した。つい最近までかなり手狭だったのに、急にがらんとしたように感じる」がここに来ます。
彼(謝憐)が誘ったので、少年も自然に頷きます。
彼を観の中に招き入れて座らせたあと、謝憐は斧を担いで門を出ます。前までは花城が薪を割っていたのですが、自分で割る時がやってきました。どうしてなのか、花城ほど上手く割れないように感じます。
少ししたら少年が出てきました。手伝おうとしたようですが、謝憐は『大丈夫だよ、私が割るから。そうだ、街で二着服を貰ってきたんだ、古着だけど清潔だから、もし良かったら体に合うかどうか着てみて』と言います。
少年は力強く頷き、謝憐は服を持ってきて彼に渡し、自分は食事を作り始めました。
この後、
p12「あの夜花城は後になって何度も問い詰めてきたが、・・・」からしばらく旧版そのままの文章が続きます。
ただし、「郎蛍」の部分が「少年」と置き換えられています。
p13「今の彼には上手く隠せる自信がなかったのだ」この一文、大好きです。新版でもそのまま残されています。何を隠せる自信がなかったのか?花城に対する自分の気持ちですよねこの時の謝憐はもう自分の花城に対する気持ちに気がついていました。
この書き方萌えるので最高です。
p14「菩薺観の中に二枚のゴザを敷き。一人一枚使って横たわる」の前に、新版では「少年が彼(謝憐)の作ったものを食べたので、あとで何らかの発作が起こって昏睡したりしないか心配になり、様子を見ようと遠回しに夜泊まって行くように言うと、少年は頷いた」と一文追加されています。
郎蛍の時は、菩薺観で寝泊まりするのが普通だったので、そのまま寝る描写でしたが、「村の端に住む少年」に置き換わっているので、菩薺観で泊らせた理由付けが追加されています。
新版では「謝憐は体の下に敷いたこのゴザで花城と一緒に寝たことを思い出し、」が削除されて、ただどうしても眠れなくて、というような描写になっています。
そして、新版ではp14下段「ここまで思い詰めているとはいったい何者だ?」の一文でこの章が終わり、次の章「两分颜色大开染坊」が始まります。
新版の方が章の区切る箇所が割と好みかもしれません。
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余談です。
第四巻、相変わらずまだ半分ぐらいしか読めていないのですが、新版と細かく対比しながら読むと、作者様が何を伝えたいのか、何を削っても構わないと思ったのか、がわかりやすくて面白いです。
私は旧版を読んでから新版を読んだので、新版を読んでいる時は旧版で仕入れた知識で勝手に脳内補完できて、新版の方がスッキリしていても物足りないと思わなかったのですが、
新版を先に読んでから旧版を読んでいる方もいらっしゃるようで、そういう方からすると、旧版の方が登場人物の心情描写が丁寧でわかりやすく、旧版を読むと新版が補完されてより理解しやすくなった、と思うようで、読む順番によっても感じ方が全然違うんだなと思いました。
私は旧版を読んでから新版を読んだので、記事もそういう視点になりがちなのですが、どちらも意識してみようと改めて思いました。
やっぱりどちらかだけでなく、天官賜福は旧版も新版も読むとより登場人物が立体的に理解できるようになるので、両方読むのがおすすめです。いつか新版の日本語訳も出してほしいですね。
①ピアノ
四月になると、暖かくなるからか、なぜかしたいことが増えます。
昔からピアノが好きで、でも小さい頃に1、2年ぐらいしか習ったことがなくて、それ以降も弾いていないので全然弾けないのですが、
それでも好きな曲ができると(ピアノの音色が合いそうな曲だと尚更)自分で弾けたらいいなぁ・・・とすごく憧れてしまいます。
そんなこんなで、しばらくは毎日練習してみようかなと思っています。
大人初心者だし、好きな曲を自分で適当に練習する程度なので手探りですが、数曲弾けるようになった後や、これを続けた数年後にはもう少し難しい曲も弾けるようになったらいいなぁと夢見ながら、頑張りたいと思います。
皆さんは最近何かチャレンジされていることはありますか?良かったら近況教えてください
②ダイエット
ちなみにダイエットは最近お休みしてて、ダイエット前の体重に戻ってます(やる気が出ない時はなぜか本当にできない)
そろそろ薄着になる夏に向けてダイエットを再開しないといけないなぁと思ってます。(頭では)
ダイエットもどなたか一緒に頑張りましょう〜
(まだお尻になかなか火がつかず、ダイエットの神も降りて来ず、困ってます・・・)