リンパ節転移を予測する
と言えば
やはり乳がんのオンコタイプＤＸ
オンコタイプDX検査は
化学療法が奏効する可能性と10年間の遠隔再発リスクを予測
一部の早期浸潤性乳癌患者には
補助化学療法をするか決めるために役立つ遺伝子検査
これからはどの部位でも増えていくのかも
ただ、オンコタイプDXと病理結果は
リスク評価が必ずしも一致するものではなく
病理結果ではおとなしめのタイプであっても
オンコタイプでは再発リスクが高いとか
反対に病理結果では悪性度が高そうだけど
オンコタイプＤｘでは再発リスクが低そうなど
5%前後はあるみたい
ほかの遺伝子発現解析によるリスク評価も同様
頭頸部癌や大腸癌でも
卵巣癌や膵臓癌でも言われてる
しかし、とにかく「リンパ節転移を予測」は進んでいる
大腸癌では最近EMR（内視鏡的粘膜切除）がホットな話題
まあ、金魚は固有筋層を越えていた（ss癌）で関係無いが
もう少し軽症である大腸粘膜下浸潤癌（sm癌）なら
ただ10%にリンパ節転移を認め
中間リンパ節転移も少なくない
sm癌でEMR（内視鏡的粘膜切除）をした場合
リンパ節転移が見つかれば
追加腸切除を検討する必要があり
切除標本が下記の4条件を満たせば
転移の可能性は低く追加切除は不要
①微小浸潤（300μm程度）で
②切除深部断端陰性
（癌と切除深部断端の距離が500μm以上）
③組織型が低分化あるいは未分化癌以外
④脈管侵襲陰性
これが遺伝子検査で予めリスクがわかればね
低侵襲な治療も安心
最近では、MTUS1/ATIPS3というのが九州大などで研究され
細胞内の微小管が細胞表面に移動することを抑制する働きを持ち
癌細胞では、この遺伝子発現が運動性と遠隔転移を抑制している
さらに東北大から遺伝子解析ではないけれど
早期胃がんESD後の治療方針決定に有用な
リンパ節転移を予測するeCura systemが発表され
①腫瘍径（30mm超）②深達度（SM2）③組織型（未分化型）④リンパ管侵襲（ly+）⑤静脈侵襲（v+）⑥潰瘍（UL+）⑦垂直断端陽性（VM+）−など
危険因子に重み付けして点数を決定
リスク評価をして
早期胃がんESD後の追加切除の必要性を決定できるとのこと
簡便なスコアリングシステムで有用性が高いらしい
妥当性の検討における低リスク患者のリンパ節転移は2.5％
がん特異的生存率は99.6％
ガイドラインでは早期胃がんESD非治癒切除患者は
全例に追加外科切除が推奨されているところ
実際のリンパ節転移はわずか5〜10％で
多くの患者が不要な外科切除を受けている可能性が高い
これが回避出来るのは大きい
https://medical-tribune.co.jp/news/2017/1116511587/
大腸癌でも遺伝子解析ではないけれど
人工知能（AI）技術を応用したCADシステムを用いることで
より正確なリンパ節転移予測ができ
外科手術を減らせるという発表も
約500倍に拡大でき
細胞レベルでの観察が可能な超拡大内視鏡と
CADシステムを組み合わせた診断支援システム
リンパ節転移の有無を判断する要素として
患者背景や腫瘍の大きさ・深さ、組織型、腫瘍マーカーをはじめとする血液検査結果など、45に上る臨床病理学的因子の情報を入力
2001年4月から2016年3月までに外科手術された大腸癌症例のうち
590例の病変部画像を用いて
血管の形態的な特徴などについて機械学習を行い
作成したリンパ節転移予測モデルの精度検証のため
異なる100例を用いて
既存のガイドラインと感度・特異度等を比較
作成したモデルと既存のガイドラインの感度はいずれも100％
リンパ節転移の見落としは無し
一方、リンパ節転移陽性と予測したものの実際は陰性であった症例数は
既存のガイドラインでは91例あった
作成したモデルでは31例に減少
特異度、陽性的中率、正診率ともに作成したモデルは
既存のガイドラインよりも有意に優れていた（P＜0.001）
大腸癌の内視鏡治療後
91例の追加外科手術を31例と大幅に減少できる
この臨床的な意義は大きい
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/int/201710/553285.html
今あるデータを使ったり
遺伝子解析したり
色々なところで進んでるね
腫瘍マーカーで一喜一憂が無くなったら嬉しいな
今日は初雪
またまた心配ごとが
でもビオラは元気
明日が不安な時は
友達に会いに行こ
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