マンボウのブログ -28ページ目

マンボウのブログ

フラヌールの視界から、さまざまな事象に遊ぶ

つぎに、「ポー詩集」新潮文庫に収録されているこの訳だ(p.13-22)。

 

 

 

 

 

   大鴉

 

        それだけだ、何でもない。」

 

        この世では永遠に名前がない。

 

        それだけだ、何でもない。」

 

        ただ闇ばかり、何もない。

 

        その声ばかり、何もない。

 

        風ふくばかり、何もない。」

 

        止まって坐った、何ごともない。

 

        大鴉はいらえた、「またとない。」

 

        その名を聞けば「またとない。」

 

        この時鳥はないた、「またとない。」

 

        陰鬱な繰返しを添えるまで。」

 

        「またとない」としわぶくとき何の意味かと考えながら。

 

        あの女の、ああ、凭れることはまたとない。

 

        大鴉はいらえた、「またとない。」

 

        大鴉はいらえた、「またとない。」

 

        大鴉はいらえた、「またとない。」

 

        大鴉はいらえた、「またとない。」

 

        脱れることも----またとあるまい。

 

 

 

 

この訳で、気になるのは、「またとない」でこれは「二度とない」という意味合いだろうが、解釈の仕様によっては「またとない」幸運と採られかねないのだけど。。。グラサン

 

 

 

 

   <エドガー・アラン・ポーを読む・・・!>・・・37

それでは、先ずはこの人の登場だわ!チョキ

 

 

 

これは参考までにサイトの紹介。

 

「学匠詩人」と呼ばれた碩学・詩人である。

 

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E5%A4%8F%E8%80%BF%E4%B9%8B%E4%BB%8B

 

 

    大鴉

 

 

       さは然のみ あだごとならじ

 

       とことはに 我世の名むなし。

 

       さこそよ いかでことのあらむ。」

 

       黯澹として かげだもなき。

 

       ただ是のみぞ こともなき。

 

       真風ぞ いかでもののあらむ。」

 

       栖まりぬ かくてことだになき。

 

       大鴉いらへぬ「またとなけめ。」

 

       その禽の名ぞ「またとなけめ。」

 

       この時禽は言挙げぬ「またとなけめ」と。

 

       『またと-----またとなけめ』てふ畳句をば。」

 

       「またとなけめ」と啼ふこゑの。

 

       かの女凭るべき事またとなけめ。

 

       大鴉いらへぬ「またとなけめ。」

 

       大鴉いらへぬ「またとなけめ。」

 

       大鴉いらへぬ「またとなけめ。」

 

       大鴉いらへぬ「またとなけめ。」

 

       -----またとはなけめ。

 

 

 

 

参照したのはこの文庫本だけど、元はここから。

 

  本日夏耿之介訳『大鴉』(薔薇十字社 1972)

 

 

なお、本「詩画集『大鴉』」エドガー・アラン・ポー詩 ギュスターヴ・ドレ画 日夏耿之介訳

という体裁で、刊行されたもので、戦前戦後を通じて、何度もいろんな出版社から出ているのだ。

(野田書房 1935、野口書房 1937、中央公論社 1943、洗心書林 1947、冬至書房 1949、小山書店 1949、創元社1950、等々、枚挙にいとまがないほどだ)

 

 

「nevermore」は「またとなけめ」と訳されている。まあ、古風だけど意味合いは通じるかな。グラサン

 

 

日夏耿之介訳「大鴉」はドレ画とも相まって、超人気作品なのであった!びっくり

 

 

 

 

 

   <エドガー・アラン・ポーを読む・・・!>・・・36

キラキラ「大鴉」は18連から成る詩で、ここでは各連の結句(最終行)を順に書き抜いてみよう!チョキ

 

 

  「THE RAVEN」

 

 

         Only this and nothing more."

 

         Nameless here for evermore.

 

         This it is and nothing more."  

 

         Darkness there and nothing more.

 

         Merely this and nothing more.

 

         Tis the wind and nothing more."

 

         Perched, and sat, and nothing more.

 

         Quoth the Raven, "Nevermore."

 

         With such name as "Nevermore."

 

         Then the bird said, "Nevermore."

 

         Of 'Never----nevermore."

 

         Meant in croaking "Nevermore."

 

         She shall press, ah, nevermore!

 

         Quoth the Raven, "Nevermore."

 

         Quoth the Raven, "Nevermore."

 

         Quoth the Raven, "Nevermore."

 

         Quoth the Raven,”Nevermore.”

 

         Shall be lifted----nevermore!

 

 

 

なお、最終行(結句)は、字数が少ないこともあってか、行の途中から始まっている。

 

最後の11連はいずれも"Nevermore"で終わっているのだ!びっくり

 

 

 

次回からは、数人の訳者による結句18行の一挙公開だわ(^^)グラサン

 

 

 

 

   <エドガー・アラン・ポーを読む・・・!>・・・35