こんな本があったので、図書館から借りてきた。
時を超えて読み継がれ、日本人の美意識に深く浸透した『源氏物語』。紫式部が綴って以来千年を経た「源氏物語千年紀」に際し、当代の人気作家九人が鍾愛の章を現代語に訳す。谷崎潤一郎、円地文子らの現代語訳により、幾たびも命を吹き込まれてきた永遠の古典。その新たな魅力を、九人九様の斬新な解釈と流麗な文体で捉えたアンソロジー。『ナイン・ストーリーズ・オブ・ゲンジ』改題。
<目次>
・「帚木」 松浦理英子
・「夕顔」 江國香織
・「若紫」 角田光代
・「末摘花」 町田康
・「葵」 金原ひとみ
・「須磨」 島田雅彦
・「蛍」 日和聡子
・「柏木」 桐野夏生
・「浮舟」 小池昌代
このラインアップを見ると、最も年長者である桐野夏生(1951年生)から年少者である金原ひとみ(1983年生)まで、錚々たる現代作家たちが名を連ねている。二人の男性作家の他は女性作家たちで、あたかも紫式部の再来を見るかのようだ(^^)
なお、この試みについては、アンヌ・バヤール=坂井「今源氏を書くこと、そして読むこと」で紹介されていて、なかなか面白い(p.283-5)。
さらに、町田康「末摘花」については、陣野英則「翻訳以上、翻訳未満の『源氏物語』 ---町田康「末摘花」の場合---」(p.251-66)で詳しく述べられている。
いずれも「2017年パリ・シンポジウム 源氏物語を書きかえる」所収である。
<「源氏物語」を愉しむ!>・・・番外篇1-1