文楽界の大物大夫が先月末に亡くなった・・・享年93歳。
NHKスペシャルで、かつて放送された番組の、舞台を退いて4年後に逝去した大夫を偲んでの再放送を見た。
<NHKスペシャル 人間国宝ふたり~文楽・終わりなき芸の道~>
300年の伝統をもつ人形浄瑠璃文楽。人形遣いの吉田玉男(82)と義太夫語りの竹本住大夫(76)。2人の人間国宝が共演するまでを、稽古、舞台裏、自宅と密着取材し、老いと向かい合いながら、極め尽くせない芸の道を歩き続ける姿を描く。(2001年放映)
吉田玉男(1919-2006)
1919年1月7日、大阪に生まれる。1933年3月、吉田玉次郎に入門、吉田玉男と名乗る。翌年3月、四ツ橋・文楽座にて「和田合戦女舞鶴」の綱若で初役。1977年重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定される。1978年紫綬褒章、1989年勲四等旭日小授賞、2000年文化功労者。その他、受賞多数。
竹本住大夫(1924-2018)
七世。1924年10月28日、大阪に生まれる。’46年4月、二世豊竹古靱大夫(のちの山城少掾)に入門、豊竹古住大夫を名乗る。同年8月、四ツ橋文楽座「勧進帳」の番卒で初舞台。 ’60年1月、九世竹本文字大夫を襲名。’85年4月、住大夫を襲名。’89年5月、重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定。’02日芸芸術院会員、’05文化功労者。 ’87年紫綬褒章、’94年勲四等旭日小綬賞叙勲、’98年恩賜賞及び日本芸術院賞など受賞多数。
人形遣いの人間国宝だった吉田玉男と、大夫の人間国宝の竹本住大夫。
この二人が文楽界を支えてきたと言っていいほどの活躍だったなあ・・・
私が初めて文楽の魅力に開眼し浸ったのは、この二人の舞台を見た体験に基づく。
さて、この番組に出て来るもう一人の大物大夫は・・・
京都在住だった、竹本越路太夫である。
この由緒ある名前は、落語にも登場するわ(^^)
晩年は、鴨川にかかる丸太町橋のたもと西詰にあるマンション暮らしであった。
左:竹本越路太夫(1913-2002)
私は、この人の舞台に接した記憶がないので、思い出せないが残念だわ!
それにしても、三人とも長寿を全うしただけでなく、現役として活躍されたことに拍手拍手!
大阪にある国立文楽劇場には、懐かしい写真など展示されている展示室エリアもあるので、観劇のおりには是非ともご覧を。。。
http://www.ntj.jac.go.jp/bunraku.html