前記事のドーパミンに影響する因子の説明です

・フェニルアラニン

上図でフェニルアラニンはチロシンの原料となる必須アミノ酸です。

 

BH4の減少でチロシンとLドーパへの代謝が滞り、フェニルアラニンが蓄積します。高いフェニルアラニンはLドーパへの代謝を阻害します。BH4はこちら記事でも説明をしています

 

高いフェニルアラニンは5HTP反応を阻害し、セロトニン減少にもつながります。

 

高いフェニルアラニンはグルタミン酸→GABAの代謝反応を阻害し、結果GABAが減り、グルタミン酸が増えますグルタミン酸レベル上昇につながります。結果GABAも減ります

 

・チロシンハイドロキシラーゼ

上図は、チロシンからLドーパへの代謝に必要なチロシンハイドロキシラーゼとチロシナーゼの2つの酵素を載せています。チロシンハイドロキシラーゼ側がメインルート、チロシナーゼ側がサブルートです。

 

高いグルタミン酸レベルはチロシンハイドロキシラーゼ活性を落とします。

 

感染やストレスによりノルエピネフリンが上昇しますが、そうすると負のフィードバックがかかり、チロシンハイドロキシラーゼ活性が低下するそうです。ストレスによるノルエピネフリン上昇はこの記事でも触れています。

 

・チロシナーゼ

上でフェニルアラニンについて触れましたが、高いフェニルアラニンはチロシナーゼを阻害し、Lドーパへの代謝が減ります

 

グルタミン酸レベルの上昇やBH4減少により活性が落ち、結果的にドーパミンが減ります。

 

その他のチロシナーゼ阻害要因としてクロストリジウム感染やフェノール感受性などありますが自分の理解が不十分なので触れないでおきます。

 

フェニルアラニンは人工甘味料アスパルテームに多く含まれますね。

 

・グルタチオン

酸化ストレスの元ではチロシンハイドロキシラーゼ活性が落ちてドーパミン合成が落ちますが、グルタチオンによりその低下を緩和することが出来ます。なお、還元型グルタチオンはNADHと同時に使うことでグルタチオンをリサイクルできます

 

まとめとしては、ドーパミンへの代謝に2つのルートがあるということが大事です。

 

なおドーパミンが過剰な場合はアミノクロムという毒性物質が発生し神経系にダメージを与えるため、ドーパミンレベルが高ければいいというものではないことは知っておく必要があるようです