学生最後の年に書いた『溺れる時代』は、
その内容いかんに関わらず、
僕に長編を書く
自信を与えてくれました。
これ以降、
僕は数編の短編をのぞいては、
基本的には、
原稿用紙400枚ほどのボリュームでの物語を、
ひたすら構想して
書いていくことになります。
荒削りで、
文章が持つ
本当の文意を意識するまでには
まだ到底至っていませんでしたが、
技術的なことはさておき、
僕には、
この頃からようやく、
自分が小説を生涯書いていくという、
その後の人生全部のベースになる感覚を
持つことになります。
さて、話を学生時代に戻してみましょう。
大学は卒論を書くばかりになっていましたが、
環境測定のアルバイトをしている時間以外は、
よく学校の図書館に通っていました。
小説の種になるようなこと、
探していました。
そんな時です。
よく見ていたのは、
灯台のグラビア雑誌でした。
世の中にはいろんなマニアがあって、
とにかく灯台をこよなく愛し、
そのフォルムからメカニズム、
まつわる話を
収集している人たちがいるものです。
昭和40年代の古い雑誌です。
図書館で丁寧に保管されているとはいえ、
ガリ版みたいな紙は、
少し波打ってめくるたびに、
がさっと音がします。
小さな記事に目がとまり、
僕はしばらくそれに見入っていました。
タイトルには、
竜飛岬の幽霊灯台、
とありました。
短い文です。
それを何回も読み直し、
それから、顔を上げると、
静かな、人影もまばらな広い館内を見渡し、
ひとつため息をつきました。
ため息は、嘆息のようなものじゃなく、
身震いみたいなものでした。
『溺れる時代』を書き終え、
2週間くらい経った初冬のことです。
僕は次の題材を
見つけた気がしていました。
幽霊灯台、
灯台が幽霊なんじゃなくて、
そこにまつわる人間模様があったのです。
プロジェクト538日目。
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2019/12/29 538日目
■kindle 本日0冊 累計75冊 達成率0.71%
■文学賞公募作品の執筆状況 1作目半分くらい ※まだ賞は未定
■kindleアップのため『桜の闇』を推敲中
158ページ中50ページくらい了
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『僕を知らない君へ』オープニング 1日目
→https://ameblo.jp/levelbooks/entry-12445434453.html










