日本人はなぜ英語が話せないのか、という議論 | 西方見聞録(旧パリレポート)

西方見聞録(旧パリレポート)

2015〜2020年パリ、2020年4月に本帰国しました。帰国後も”これは!”と思うものを探し、レポートしています!!

「英語が話せるか、話せないか」

日本に住んでいると、どうでしょう、
この「英語話せるか、話せないか問題」は
実はそんなに重要なことではなく

英語は
【話せるといいシーンがあるかも】
【就職に有利】
ぐらいのものかもしれません。

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これは私の完全な主観ですが、
一般的な日本人は、ほとんどの人が

「英語を話す機会がない」
「英語を話さなくても生きていける」

生活をしていると思われます。

実際に私も日本にいるときは
英語は仕事で”読む”ことはあっても
“話す”ことはほぼゼロでした。

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言語を話すことは言ってみれば
自転車に乗ることと同じで
(私の意見ですが)

〈使わないと使えない〉
わけです。

自転車に乗るには
乗り方を本で読んで
頭の中でシミュレーションするより

実際に乗って練習しなければ
乗れるようにはなりません。

英語を話す能力も同じで
〈会話できるようになるには、
会話をしなければならない〉

ように思います。

しかも、その会話も
〈必要な会話〉でなければ
身に付くスピードは遅くなり、

逆に〈必要な会話〉が多いほどに
身に付くスピードが速くなる気がします。

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〈必要な会話〉とは

では、その〈必要な会話〉とは
何か。

それは、
〈危機〉や〈欲望〉に
直結した会話な気がします。

例えば、
【伝えなければ、仕事が取れない時】
(モノが売れない、契約が取れない)
【伝えなければ、自分の不利になる時】
(トラブルを解決できない)
【伝えなければ、局面を切り抜けられない時】

もしくは
【自分の切実な思いを伝えたい時】
(好きな人を口説く時、して欲しいことを説得する時、好きなモノ、嫌いなもの、嫌なことを伝えたい時)
など。

以上の場面で、
その重要性が高ければ高いほど
〈必要な会話〉レベルが上がっていき

言語の習得スピードも
上がる気がします。

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一方、普通の日本人が
普段の生活において
英語で〈必要な会話〉をする機会が
どれだけあるでしょうか?

よほど外国人に興味があり
自分から接点を探して
会話を作らない限り
なかなか無い、ような気がします。

(もしくは相手に気に入られて、
積極的に話をされ、
自分も英語で話したい意思がある場合)

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よく〈日本人はシャイだから〉
などの理由で話せない、
と聞きますが、

私はそんな理由よりも
〈英語を使う必要がないから〉というのが
一番の理由な気がします。

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よくお隣の韓国や中国との
比較を聞くことがあるのですが、

確かに韓国人は
英語を話せる率が高い、
という事実はあるようです。

いつもフランス人の友人に
日本人の英語は酷い、
韓国人の方が上手い、
と言われ不快な思いをし、

さらにTOEICの平均点も
日本人よりも高い、と
印籠を見せつけるように言われ、

何か、日本人の方が
劣ってるように言われたみたいで
気分が悪かったのですが、

その「韓国人の方が英語ができる」理由は、
韓国の方が小学校での
英語教育に昔から力を入れているため、
と言うのです。

それに対し日本は
小学校での英語教育に
力を入れ始めたのごく最近だ、と。

それが英語力の差を生んだと。

ふーん、
あ、そう

と何か日本をディスられた気になって
これまた気持ちよくなかったのですが。

(私は別に韓国が嫌いなわけでは決してありません。一括りに比較されて、劣等扱いされるのが気持ちよくないだけです)

韓国人の英語については
詳しくないので分かりませんが、

TOEICについては”平均点”の話なので、

人口が日本の半分以下で
しかも韓国は大学に入ってからも
厳しい入社試験のために
猛烈に英語を勉強するようなので

〈少ない分母かつ、
多くの学生が高いレベルの英語を
身に付けなければ生き残れない状況〉

というのが、
日本と韓国のTOEICの平均点の、
差となっているのかもしれません。

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それともう一点。
日本人とヨーロッパ人の
言語習得に対する環境、意識の違いです。

ヨーロッパは陸続きなので
様々な民族が入り乱れており、
ゆえに〈異国の言葉を使えるか〉に対して
関心が高く、
また重要度が高い気がします。

ヨーロッパの言語は
お互い似ていることもあり
数カ国を話すマルチリンガルは
珍しくありません。

つまり、多言語習得に
エネルギーを割く文化が根付いている
気がします。

それに対し日本は、
もちろん英語も大事ですが、

エネルギーを
ほかの事に使う割合が高い気がします。

英語は、
それを使うスペシャリストに任せて、
自分は新しい製品開発の研究に没頭する、
と言ったような。

そうでなければ
日本は、世界で有数な
経済大国になることが
できたはずはありません。

もちろん、これからは
ますます英語の必要性は高まると思うので
英語教育に力を入れる必要は
あると思いますが、

私個人的には
英語ができることが、そこまで
讃えられることだとは思いません。

それよりも、
新しい価値を生み出す
製品や仕組みを作る力の方が
大事なのだと思います。
(英語はそのためのツールに過ぎないということです)

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と、この
「日本人、英語できる、できない問題」
かなり熱くなってしまいましたが、

皆さんはどう思われるでしょうか?

悔しかったので、
長々と書いてしまいました、、、

それでは今回はこの辺で!