仲野茂の歌を浴びるⅠ――内田勘太郎と“ぶちかまし” | Let's Go Steady――Jポップス黄金時代 !

Let's Go Steady――Jポップス黄金時代 !

Jポップスの黄金時代は80年代から始まった。

そんな時代を活写した幻の音楽雑誌『MUSIC STEADY』をネットで再現します。

仲野茂が原田芳雄の「新宿心中」(作詞:阿木燿子・作曲:宇崎竜童 松竹映画『われに撃つ用意あり READY TO SHOOT』主題歌)を気持ち良さそうに歌っている――3月30日(土) にBSフジで放送された『ドキュメント・原田芳雄Birthday Live ~生きてるうちが花なんだぜ~」を見た。

 

 

同番組について、多少、長くなるが、同番組のプレスリリースを一部引用して改めて紹介しておく。何故、仲野茂が原田芳雄の歌を歌ったかが、わかるだろう。

 

 

「2011年多くの人に惜しまれながら亡くなった名優・原田芳雄はブルースシンガーでもあった。1940年、閏年の2月29日生まれの原田芳雄は、4年に1度バースデイライブを行うのが恒例行事となっていた。そのバースデイライブは、亡くなった今も多くの仲間によって受け継がれている。そして今年は21回目のバースデイだ。ライブを取り仕切るのは、息子・ギタリストの原田喧太。原田芳雄の元には、いつも多くの仲間が集まっていた。今年のバースデイライブにもゲストとして多くの仲間が駆けつけた。原田がブルースを始めるきっかけとなった宇崎竜童、原田芳雄の歌がきっかけで自らも歌を始めた佐藤浩市、自分が辛いときはいつも一緒にいたという桃井かおり、原田芳雄に命を救われたという山崎ハコ、原田芳雄に憧れていたという江口洋介、大森南朋。ロックバンド、アナーキーの仲野茂。豪華ゲストが芳雄が歌っていた唄を歌い、一夜限り原田芳雄を甦らせる。原田芳雄の過去映像のヴォーカルに現場で生音を合わせる。番組はライブができるまでのドキュメントと多くのゲストの原田芳雄の人柄を語るインタビューを交えてバースデイライブの模様をお届けする。」

 

 

 

原田芳雄を始め、萩原健一、松田優作、根津甚八、ビートたけし、大森南朋、浅野忠信……など、役者がロックやブルースを歌う。業界では“役者ロック”と言われているが、佐藤浩市は敢えて「役者唄」としてその名を掲げ、活動もしている。萩原健一は、俳優以前にザ・テンプターズやPYGの出身で、元々、歌手である。敢えて役者ロックなどと命名する必要はないが、歌の主人公になって演じながら歌い切る――その独特の雰囲気は役者ロックと敢えて言ってもいいかもしれない。むしろ、ジャック・ブレルやセルジュ・ゲンズブール、デビッド・ボウイなどを彷彿させる彼の歌や音楽、パフォーマンスはその鋳型になっていると言ってもいいだろう。

 

アナーキーのヴォーカルとしてデビューした仲野茂は役者以前に生粋のロッカーである。そんな仲野茂も時々、“役者ロック”を聞かせることもある。中村獅童と高樹町ミサイルズを結成。中村獅童は役者仲間を募って立ち上げたライブイベント「ACTOR'S NIGHT」も行っている。それ以前に仲野自身も崔洋一監督に見初められ、彼が監督した『十階のモスキート』や『平成無責任一家 東京デラックス』などに役者として出演。他にも宮藤官九郎が監督した『少年メリケンサック』、最近も盟友・藤沼伸一が監督した『GOLD FISH』にも出演している。彼を慕う映画関係者や俳優なども多く、そんな縁もあり、度々、声がかかるようだ。

 

 

 

仲野茂バンドのライブや先の原田芳雄のトリビュートで、改めて彼の歌手としての魅力を感じている。ただ、パンキッシュにハードにがなるだけではない、歌手としての魅力を備えている。改めて、歌手・仲野茂を再考すべきと考えていたら仲野茂が憂歌団の内田勘太郎とユニットを組むというニュースが飛び込んできた。内田のギターに仲野の歌でタイマンを張るというライブがあった。

 

 

それが4月18日(木)に「FLOWERS LOFT」で行われたライブだ。仲野と内田のユニット名は“ぶちかまし”という。事前の告知ではクレジットは“内田勘太郎 with 仲野茂”とだけだったが、直前に決まったらしく、当日、配布されたフライヤーには「ぶちかまし」と、ちゃんと明記されていた。いずれにしろ、彼ららしい、とてもパンチのあるネーミングだろう。内田勘太郎 with 仲野茂というワンナイトスタンドのセッションではなく、ちゃんと、ユニットとして継続してライブをしていく。既にこの下北沢公演以外にもライブの予定が出ている。

 

ゲストに2人ピーズ(大木温之+安孫子義一)、オープニングアクトに逸見亮太(the myeahns)を従え、同ライブは“FlowersLoft 4th Anniversary”として開催された。

 

 

二人のセッションは、仲野が内田の演奏でフォークブルースなどを歌うものかと思っていたら、いきなり「Not Satisfied」である。内田のギターも鋭角的で攻撃的。憂歌団ののどかなイメージが吹き飛ぶ。

 

仲野茂と内田勘太郎のユニット「ぶちかまし」のお披露目の1曲目が同曲というのは実にふるっている。歌とギターが拮抗し、その魅力が際立つ、二人の新境地だろう。アナーキーの「Not Satisfied」や「団地のオバサン」、村八分の「水たまり」、仲野茂バンドの「Mの時代」、仲野茂と和田静男の「かえる」、そして内田が歌詞を書き、歌う「サマータイムブルース」など、強力なラインナップにいきなり観客はぶちかまされる。

 

 

仲野のMCは相変わらず、ビートたけし並みのこのご時世には不適切な発言ばかりながら、その歌はいま歌うべき言葉が歌われる。その言葉をギターが掻きむしることで、いい意味でささくれ立つ。重量級のハードパンチかもしれない。その歌や演奏は聞くものを圧倒していく。まさに“ぶちかます”のだ。

 

 

そんな“ぶちかまし”との共演は柔なバンドではもたない。やはりタイマン覚悟だろう。共演の2人ピーズも逸見亮太も彼らに負けじとぶちかます。不適切を装いながらも真摯なメッセージを放つ。2人ピーズは愉快な二人組に見えて、パンク魂は枯れず、痛烈な言葉を浴びせかける。オープニングアクトの逸見亮太(辺見だが、あの逸見とは血縁関係はない)は「ALL NEED IS LOVE」と浴用剤が最後は繋がるという摩訶不思議な歌を披露してくれたが、この発想の飛び具合と、最適解というべき落ちの付け方は半端ない。最後は3者の共演で、「ジョニー・B・グッド」で豪快にぶちかましてくれた。

 

 

当日、仲野茂と内田勘太郎は「ぶちかまし」の手応えを感じ、自分達のものとしている。そんな高揚感からか、ぶちかましの新日程を紹介するのを忘れている。これまた、今日(5月25日、土曜日は河口湖)、明日(26日、日曜日は上野)と超直近になるが、今日、明日は天気もよさそうだ。河口湖への遠出もいいだろう。同所には宿泊もできるという。河口湖の翌日は上野へ移動して、2日連続というのもいいかもしれない。朝起きて、このエントリーを見かけたら急いで車か、列車に飛び乗って欲しい。

 

 

 

5月25日(土)河口湖キャメロット

 OPEN 18:00 START 19:00 

前売り¥5,000当日¥6,000

*高校生以下無料(学生証などお持ちください)tel0555-73-1830

山梨県南都留郡富士河口湖町船津1659 

 

スタジオ&ホテル 河口湖キャメロット

https://camelotstudio.jp

 

 

 

 

 

5月26日(日)上野yukuido工房

OPEN 16:30 /START 17:00

前売\5000円 当日\6000円(+1Drink)

*高校生以下無料(学生証などお持ちください)

東京都台東区東上野4-13-9

お問い合わせ

mail:contact@yukuido.com

TEL:03-5830-2666(12:00〜19:00)

 

http://t.livepocket.jp/e/r7c1a

 

 

 

 

YUKUIDO工房

http://yukuido.com/