井上富雄、躍動!Live Diamond Planet Rolling Peddler Tour | Let's Go Steady――Jポップス黄金時代 !

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Jポップスの黄金時代は80年代から始まった。

そんな時代を活写した幻の音楽雑誌『MUSIC STEADY』をネットで再現します。

吉川晃司と布袋寅泰による伝説のユニット「COMPLEX」。2024年1月1日に起きた「令和6年能登半島地震」を受け、被災地のために力になりたいと、二人の熱い思いが融合。再び「日本一心」の旗を掲げて、この5月15日(水)と16日(木)、東京ドームのステージに立った。

 

そのニュースは遍く行き渡り、多くの方が知るところになる。実際、ライブだけでなく、ネットやテレビ、新聞など、二人の雄姿を見届けた方も少なくないだろう。そのステージに彼がいたことを書き留めておきたい。そのステージには井上富雄がいたのだ。彼は布袋の全国ツアーに帯同し、2021年の大晦日には同じく布袋のサポートで“紅白”にも出ている。親戚のおじさんではないが、彼を昔から知るものなら、それは誇らしく、嬉しい気持ちになるだろう。おそらく、そう思う古参のファンは意外と多いのではないだろうか。

 

 

■極彩色の輝きと成熟したリアルなAORを「Live Diamond Planet」で披露する!

 

 

井上富雄自身はサポートやプロデュースなどの活動の傍ら、ソロとしても活動している。いうまでもなく、2020年から2023年まで、“コロナ禍”のため、サポート活動だけでなく、ソロ活動などにも制限や規制がかかったという。彼に限らず、ライブやエンターテイメントに関わるものは、いろいろ試行錯誤しながら、その活動を継続せざるを得なかった。

 

そんな渦中、2020年の年末に彼から声がかかった。井上富雄の新しいソロアルバム『遠ざかる我が家』に封入するライナーノートの件である。彼にインタビューして、それをまとめて欲しいと言われた。すぐに音源と資料を送ってもらい、その数日後、彼に会って、取材をしている。それについては現物を見ていただきたいが、彼との会話で印象に残っているのは “ソーシャルディスタンス”や“3密回避”のため、スタジオにミュージシャンが集まってレコーディングができなかったということ。基本的に自宅での打ち込み作業になり、ダビングなどはデータのやりとりによる“リモートレコーディング”になったそうだ。ご時世である。ロックンロールもその影響を受けざるを得なかった。逆にもろもろのスケジュールが飛んでしまった分、思わぬ時間が出来、制作に専念することができたらしい。

 

同作は、当初の予定では曲数を少なくして、フルアルバムではなく、ミニアルバム的な作品を連作するはずだった。しかし、時間が出来、その分、創作意欲も上がったため、立派なフルアルバムが出来上がった。同作は2021年3月3日にリリースされている。その勢いは留まることなく、サポート活動の傍ら、間隙を縫うように『DIAMOND PLANET』の制作に入り、前作に続き、フルアルバムとして2023年に完成させ、同年9月7日にリリースされている。井上のファーストソロアルバム『up! up and away』(2003年9月1日)からセカンドソロアルバム『AFTER THE DAWN』(2019年11月1日)まで16年かかったことを思えば、通常のアルバムがあまり時を経ず、リリースされる。彼のファンにとってはこんな嬉しいことはないだろう

 

 

『DIAMOND PLANET』は前作同様、DAWを駆使して一人で制作しているが、前作と違うのはゲストミュージシャンが多数、参加していること。彼のセルフライナーノートによると“小倉在住で世界的に活動しています尺八奏者の山崎箜山さんに一曲、サックス奏者に八幡出身、高倉健や大江慎也の母校・東筑を出て東大に行ったというかわり経歴?の田中邦和君に二曲。エンジニアには門司出身の天才、YMO関係云々な飯尾芳史さんにミックスを頼みました。アートワークはこの方も門司出身の佐藤祐作さん。80、90年代はさくさんアルバムジャケットを手がています。ジャケット写真は北九州の隣町出身ですが、石川浩太郎さんで、撮影場所は小倉の平尾台で。とここまで北九州近辺でまとまりました。数曲生のドラムに差し替えたいと思い、やはりドラムはいつもバンドでやってもらっている田中徹くんに頼みました。それと今回のリーサルウェポン的存在のギタリスト、松田文さんに数曲弾いてもらいました。みなさん最高にカッコいい演奏を披露してもらいました”という。

 

“今回のアルバムの裏テーマは北九州というのをなんとなく掲げて”いたそうだ。それは実際に井上も取材を受けた、175RのShogoが中心になって編集している『北九州音楽全史』の影響も大きかったらしい。

 

また、“前作『遠ざかる我が家』の制作はコロナ禍真っ只中だったのでほとんど誰とも会わずデータのやり取りだけでしたから、今回は数曲だけでもスタジオで面と向かって作業できたのはやはり楽しかったですね”と続けている。

 

 

前作と違うのは通常のスタジオでのレコーディングが解禁され、メンバーとセッションもしているということ。『遠ざかる我が家』が静謐で陰影のあるものだったが、『DIAMOND PLANET』がどこかで解放され、躍動感があるというのはそういう環境や状況だったからだろう。わずか、数年間のことだが、やはり、“その前”と“その後”では別世界だろう。

 

 

 

順調なリリースとともにソロとしてのライブも活発になってきた。本2024年1月21日(日)には二子玉川GEMINI Theaterで「Live Diamond Planet」を開催している。

 

メンバーは井上富雄( Vo、B、Ag)、 尾上サトシ( G )、金藤稔人( Key )、田中徹( Dr)、田中邦和 (Sax )、西岡ヒデロー(Per、Tp)というラインナップ。西岡はパーカッション以外にもトランペットも手掛ける。基本的なフォーリズムにホーンセクション、パーカッションも入るという豪華さだ。同作の制作プロセスをライブという形で可視化する。『DIAMOND PLANET』というタイトル通りのゴージャスさだろう。

 

 

 

二子玉川GEMINI Theaterで井上富雄の新作『DIAMOND PLANET』の“レコ発ライブ”。基本的に同作『DIAMOND PLANET』 (2023年)と前作『遠ざかる我が家』(2021年)、前々作『AFTER THE DAWN』(2019年)を中心にした選曲だが、一連のアルバムの大人の手触りがバンドの極彩色の演奏で、艶やかな輝きを増すというもの。洗練されたサウンドがさらに磨きがかかるというところだろうか。

 

井上の歌もその演奏を受けて、大人の色香を纏う。その歌世界を粋で鯔背なものにしていく。どこか、旅情を醸す歌詞を歌う井上富雄をその風景の主人公にする。まるでロードムービーを見ているかのようでもある。

 

『遠ざかる我が家』では英国のカンタベリーのジャズロックへの共感を感じさせていたが、『DIAMOND PLANET』では同じジャズロックでもジョン・メイオール・スクール出身のマーク=アモンド(英国のソフト・セルのヴォーカルのマーク・アモンドとは別人物。ジョン・メイオール・バンドで活躍したセッション・ギタリストのジョン・マークとサックス/フルート奏者のジョニー・アーモンドを中心としたジャズ・ロック・ユニット)を彷彿させる。彼らは1978年にトミー・リピューマのプロデュースで、ジョン・トロペイ(G)、ウィル・リー(B)、スティーブ・ガッド(Dr)などともにレコーディングした『Other Peoples Room』という“AOR”の名盤があるが、『DIAMOND PLANET』は、同作を彷彿させる。洗練され、熟成されたサウンドはシティ・ポップ以前、大人の嗜み、紳士淑女は必聴だろう。考えてみればルースターズ脱退後、結成したブルー・トニックで“早過ぎた渋谷系”と言われた彼だが、月日を経てリアルAORへと成長。そのキャリアを集大成しつつも、まだ、伸びしろがある。そんなことを改めて感じさせたのが、このステージだった。

 

総勢6名がステージに並ぶ、そんな姿を見るだけで感慨深く、その演奏には解放感が溢れる。まだ、予断は許さないものの、漸く、山は越えた。困難な時間が通り過ぎたといっていいだろう。メンバーが音を確かめ、サインを交わしながら演奏を楽しんでいるのを目の当たりにする。袋小路の中で足掻きながらもようやく普通のことが普通にできる――そんな時間と空間、井上を始め、メンバーが身体に感じ、楽しんでいる。誰もが嬉しそうに歌い、演奏しているのだ。

 

 

そんな解放感は観客にも伝わる。コロナ禍にあって、どこか、余所余所しかった観客も思い切り楽しみ、ここぞとばかりに身体を揺らし、歓声を上げる。こんなライブを待ち望んでいたといっていいだろう。弾き語りや配信なども新しいスタイルとして定着しつあるが、やはりライブハウスは無礼講ではないものの、素敵な音を聞き、心行くまで弾けたくなるもの。

 

何か、井上富雄が帰ってきたという感じだろう。ソロなどのライブアクトは度々、あったが、このライブは彼の帰還、彼の音楽を思い切り浴びることができる、その喜びを感じている。演奏する仲間も息のあった演奏で、楽曲の良さを際立たせる。ソロアーティスト、井上富雄の面目躍如。改めて、日本の音楽シーンになくてはならないミュージシャンであることを再確認させる。いずれにしろ、会場を埋めた観客は彼のライブを見られる幸運を思い切り享受したはずだ。

 

 

バンドセット

01.夜更けのサイレン(DP)

02.BRIDGE OVER DAWN(ATD)

03.DRIVING ME CRAZY( Barrier Gates)

04.赤茶けた街の太陽(DP)

05.ココナツの風(DP)

06.羊歯の葉の裏(DP)

07.Let's go to the other side(DP)

08.雨の夜に抱かれ(DP)

 

ソロセット

09.浮世の習い(DP)

10.虹のかけら(ATD)

 

バンドセット

11.夜間飛行(遠ざかる我が家)

12.スーパーボール(ATD)

13.澄んだ冬空の日も(DP)

14.狂える世界の果てを(遠ざかる我が家)

15.MORNING DEW(ATD)

16.シーラカンスの憂鬱(DP)

17.Diamond Planet(DP)

 

EC

バンドセット

18.甘い夜風に誘われて(遠ざかる我が家)

19.遠ざかる我が家(遠ざかる我が家)

 

 

 

 

 

そのライブはXでも簡単に呟いている。“春には全国展開もあるらしい。必見である”としたが、『Live Diamond Planet』に出演したバンドとのツアーではなく、『Rolling Peddler Tour』だった。 ANZAiFURUTA (安齋肇 + 古田たかし) 、柳沢二三男、そして井上富雄というラインナップで全国6カ所を回る。同ツアーの模様はめんたいロックの応援サイト「福岡BEAT革命」のFBページで既に報告している。そのテキストを転載し、同記事をシェアした際に自らのタイムラインに書いた文章も付記しておく。

 

 

 

■井上富雄・ANZAiFURUTA(安齋肇+古田たかし)・柳沢二三男――個性派3組の”行商ツアー”完走!

 

 

井上富雄、ANZAiFURUTA(安齋肇・古田たかし)、柳沢二三男という個性派3組が新譜(井上『DIAMOND PLANET』、ANZAiFURUTA『う~ゆばリあ』、柳沢『namara』)と物販(Tシャツやバッジ、ステッカー、ポーチなど)を引っ提げて全国6カ所をを回る「Rolling Peddler Tour」。4月11日(木)大阪「music bar S.O.Ra.」を皮切りに12日(金)広島「JIVE」、13日(土)門司「BRICK HALL」、14日(日)福岡「PUBLIC BAR Bassic」、19日(金)函館「あうん堂」と巡り、4月21日(日)東京・祐天寺「FJ’s」で別名"行商ツアー"の大団円、最終日になった。「FJ's」は、元々はいまは亡き音楽家・深町純が作ったサロン形式のライブハウスで、同地名や駅名の由来になった寺院「祐天寺」の側にある。

 

 

ライブそのものは、第一部は井上と古田と柳沢で井上、柳沢の新譜の新曲(井上は「ねぼけまなこ」や「浮世の習い」、「シーラカンスの憂鬱」など。柳沢は「その瞬間たしかに」や「涙が止まらない時は」、「いいことばかりさ」など)を披露、第二部は安齋肇も合流し、ANZAiFURUTAの新曲も披露するということになっていたらしい。ところが、第一部の最後に安齋肇が乱入(!?)、その後、休憩時間のはずが安齋の盟友にして、「勝手に観光協会」の同僚のみうらじゅんがスペシャルゲストとして応援販売に駆け付け、"ふたりのビッグショー"が始まる。各々の新譜とアナログのセット販売を提案したり、終演後は店の扉に鍵をかけ、物販を購入するまで返さないと宣言(勿論、終演後に物販を購入しなくても帰れた。ご安心いただきたい)するなど、言いたい放題。お約束とは言え、やりたい放題の二人の"セッション"もある。

 

 

安齋とみうらは「勝手に観光協会」を1997年に結成しているが、それは頼まれもしないのに、勝手に各地を視察し、勝手に観光ポスターを制作し、勝手にご当地マスコットを考案し、勝手にご当地ソングを作詞・作曲・旅館録音(リョカ録)し続けているというもの。「勝手に観光協会」による群馬県ご当地ソング、国定忠治や向井千秋、田山花袋などが出てくる「上州の風」を披露する。続けて、かつて自らのバンド「大島渚」を率いて、“イカ天”に出演したみうらの隠れた名曲にして、当時はそのメッセージまで届かなかったのか、実は反原発ソングだった「カリフォルニアの青いバカ」を熱唱する。会場は総立ち、まさかの騒乱状態である。例え、くだらなく、笑えなくても流石、好きなことや面白いことに命をかける二人だけある。観客を乗せる術は体得している。観客を異次元の安齋・みうらワールドへ誘うというか、容赦なく放り込む。

 

 

そんな怒涛の時間は過ぎ、みうらが退場して、暫くすると第二部が始まる。井上、古田、安齋、柳沢という“行商人”達が勢揃い。ANZAiFURUTAを井上と柳沢がバックアップする。

 

安齋は"ANZAi FURUTAの世界へようこそ"と告げ、彼らのアルバム『う~ゆばりあ』から「道路マン21号」や「シンしんぷる」など、未来の名曲を畳みかける。途中、井上(「Diamond Planet」)や柳沢(「チャックベリー」)のナンバーを挟みながら、バカボンのパパをテーマにした「いったい何故がどうしたのだ」で観客を圧倒する。彼らの音楽は企画ものの色物のように見えて、実はANZAiFURUTAの世界がしっかりとある。カルメン・マキ&OZでデビューし、原田真二や佐野元春、奥田民生、PUFFY、布袋寅泰、Charなどを支えてきた古田が曲作りやアレンジに関わっている。遊び心に溢れつつも実に高度なことをいとも容易くやってのける。フランク・ザッパ&マザーズや頭脳警察などをもっとハチャメチャにした感じで、その弾け方が半端ではない。

 

 

安齋は"70過ぎて、60過ぎの人達と、あんな激しいツアーをやるとは思わなかった"と嬉しそうに語る。そんなハードなツアーの締めくくりは「監獄ロック」を4人のバンドマン達が一生懸命に歌い、演奏する。井上や古田、柳沢のミュージシャンとしての実力と才能は敢えていうまでもないが、驚くべきは安齋の歌手としての実力。あれだけ全力で叫んでいれば、声がへたれるものだが、そんなところは微塵もなく、見事に"完走"する。天晴としかいいようがない。聞くものは知らぬ間に彼らの術中に嵌る。

 

世間的にはかつて「タモリ倶楽部」の名物コーナー「空耳アワー」でソラミミストとしてお馴染みの安齋肇。実はイラストレーター、アートディレクター、ミュージシャンなど、多彩で多様な顔を持つ。その実、みうらじゅん同様、何をしているかわからない人かもしれない。だけど、なんかくだらないけど、なんて面白いことをする人だろうと、思っているはず。みんなに愛されているのだ。

 

約2時間30分のロックショーはともすればひっちゃかめっちゃかになりそうなところを井上富雄がしっかりと締めていた。彼自身、安齋肇やみうらじゅんの世界に呑み込まれそうになりながらも手綱捌きよろしく、しっかりと楔を打ち込み、"ローリング"させていく。彼の世界をゆったりと聞くというものではないので、"もっと井上"と言う思いが募るかもしれないが、おそらく、このツアーは布袋寅泰のサポートとしてのツアー以外では、コロナ禍以後、初のものではないだろうか。会場のキャパシティも布袋のツアーはアリーナクラスだが、ライブハウスクラスである。流石、移動も自ら運転してというものではないが、この久しぶりのバンド体験は彼の音楽にも影響を与えそうだ。特に『遠ざかる我が家』や『DIAMOND PLANET』がホームレコーディングやリモートレコーディングなど、コロナ禍のため、制約や制限のある中で作られたものだった。いい意味での反動が、楽しみだ。

 

5月2日(火)には同じく「FJ’s」でソロライブ、同月24日(金)にはこの1月21日(日)の二子玉川ジェミニシアターと同じ会場、同メンバーによる再演もある。

 

 

行商ツアーはショーケースでもある。今後は各々のソロライブへ足を運んでもらいたい。井上と古田は佐野元春のHOBO KING BANDでの共演でお馴染み、改めて二人の相性の良さも感じた。

 

 

また、斉藤誠や矢沢永吉、萩原健一、PUFFY、財津和夫、増田俊郎、杉山清貴などのレコーディングやライブをサポートしてきた柳沢二三男。彼のなまらイカしたオリジナルとギター、ヴォーカル、そして寡黙なMCに痺れた。現在、「オフィスナマライカ BASE SHOP」で注文したアルバム『namara』 が届くのを楽しみに待っている。

 

 

★柳沢二三男ライブスケジュール

namara230yanagisawa

namara Release Live 2024

https://230namaraika.jimdofree.com/.../namara-release-live/

 

 

★群馬県ご当地ソング「上州の風」/勝手に観光協会

https://www.youtube.com/watch?v=WmEwqv_Dpb0

 

 

 

★ANZAiFURUTA(安齋肇&古田たかし)「いったい何故がどうしたのだ」From Album『う~ゆばりあ』【PV】

https://www.youtube.com/watch?v=NcDFM2mw9v0

 

 

 

 

 

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ちなみに安齋肇さんというと、私的にはイミテーションのCHEEBOのソロアルバム『PARADISE LOST』のアートディレクターとしてお世話になったが、その時はほとんど関わりがなく、「MUSIC STEADY」の時にTRA絡みで取材をしているかもしれない。もっとも身近に感じたのは某編集部にいた時だろう。何故か、1988年の「いのちの祭り」を契機に編集部でキャンプやバーベキューが流行り、編集部や出入りのデザイナーやライター、ミュージシャンなどと富士五湖や丹沢、八ヶ岳などへ頻繁にキャンプしにいくことになった。安齋さんとも本栖湖に大挙してキャンプに行ったこともある。豚汁に七味を入れることに拘り、なかったので、売店まで買いにいったら、“結構、拘るんですね”と、いまは亡き、安齋様の奥様に笑われた記憶がある。青春時代(!?)の良い思い出だ。

 

安齋さんやみうらじゅんさんの仕事振りは直接、ご一緒していなくても身近に感じていた。今回のツアータイトルを聞いた時、彼らが開催した“ローリングライターレビュー”を思い出した。勿論、ディランのあのツアーから取ったものだ。笑いのセンスが私とは少し合わないところもあるが、こういうばかばかしいことを真剣、かつ、継続してやること、素晴らしいと思う。このライブを見て、改めて感じた。それにしてもまわりのものを仲間に引き入れる、その巻き込み力には脱帽。やはり尊敬するしかない。ずっと、バカをやって欲しい。

 

通販で頼んでいた柳沢二三男のアルバム『namara』が届いた。このライブでも同作からのナンバーが披露されているが、改めて聞くと、これが絶品である。ブルースどっぷりではなく、ポップなサザンロックという感じで、実にチャーミングな作品だ。COWBOYやアメイジング・リズム・エイセスなどを思い出す。CAJAN MOON BANDで井上や古田とのライブも見てみたいもの。

 

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「Live Diamond Planet」と「Rolling Peddler Tour」、井上富雄が関わる2つのライブとツアーの模様を改めて報告したが、井上のソロ活動にもっと注目すべきである。

 

井上のライブが今後も頻繁に行われるという。これは見逃せない。まずは1月のGEMINI Theaterの“PART2”というべき、『FLAT JAM #4』。明日、5月24日(金)に1月と同会場、同メンバーである。直前のお知らせで申し訳ないが、1月を見逃した方は必見である。是非、時間と都合をやりくりして駆けつけて欲しい。実は同会場のオーナーであるダディ竹千代&東京おとぼけCATSのダディ竹千代、また、カルメン・マキ&OZの作詞家、新橋ZZのオーナーとして活躍された加治木剛さんは先日、亡くなられた(5月9日、慢性心不全急性増悪のため死去。享年、70。合掌)。井上は加治木さんから“小倉出身なら「無法松の一生」をやれ”とリクエストされていたらしいが、歌わなくて済んだと安堵(!?)している。果たして井上がダディに捧げ、同曲を歌うのか、歌わないのか、それも興味深いところだ。

 

 

そして7月5日(金)には下北沢「440」で井上富雄と古田たかしの『W生誕祭ムムムサーなのだ!』も行われる。先の「Rolling Peddler Tour」、そしてCAJAN MOON BAND、さらにHOBOKING BANDの盟友・古田と井上の“W生誕祭”。メンバーは古田たかし(Dr、Vo)と井上富雄(B、Vo)、尾上サトシ(G)、長田進(G)、斎藤ネコ(Vn)というCAJUN MOON BAND、HOBO KING BANDの盟友とともにスペシャルゲストに安齋肇というラインナップ。同ライブも聞き逃せないだろう。いずれにしろ、ソロ、そしてバンド、さらにサポートと、彼の八面六臂の活動が止まりそうもない。いま、まさに躍動する井上富雄を見逃してはいけない。

 

 

 

 

 

『Flat Jam #4』

5月24日(金)二子玉川「 GEMINI Theater」

開場/18時30分 開演/19時30分

 

Vo、B 井上富雄

G 尾上サトシ

Key 金藤稔人

Dr 田中徹

Per 西岡ヒデロー

Sax 田中邦和

 

前売 ¥5,500 当日 ¥6,000 +1Drink

予約 GEMINI Theater HP

https://www.geminitheater.jp

 

 

 

 

『古田井上W誕生祭ムムムサーなのだ!』

7月5日(金)下北沢「440」

開場/18時30分 開演/19時

 

出演

Dr、Vo 古田たかし 

B、Vo 井上富雄

G 尾上サトシ

G 長田進

Vn 斎藤ネコ

スペシャルゲスト 安齋肇

 

前売 ¥5,500 当日¥6,000 +ドリンク¥600

TIGET

https://tiget.net/events/318503

 

 

 

440

http://440.tokyo

 

 

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