「エクソシスト 信じる者」(2024)

 

人気シリーズの最新作をWOWOWオンデマンドで観ました。

 

 

監督・脚本はデヴィッド・ゴードン・グリーン。予告編はコチラ

 

ハイチへの新婚旅行中に大地震に遭遇して妊娠中の妻を失ってしまったカメラマンのヴィクター(レスリー・オドム・Jr)。それから13年後。お腹の子だけが生き延びて、写真店を営みながら、中学生の娘アンジェラ(リディア・ジュエット)と二人暮らしをしていました。ある日、アンジェラは放課後に親友キャサリンと森に行って、母ソレーヌを呼び出そうとする降霊術を試みます。しかし、行方不明となって3日後に発見されます。幸い無事な様子でしたが、二人は3日間の空白期間を3時間ぐらいの出来事だったと意味不明なコトを言い出します。やがて、二人の様子がおかしくなり始めて、突然の異変に戸惑いだすヴィクター。手に負えない言動を繰り返すアンジェラを精神病院で療養せざるをえなくなります。

 

すると、診察中の看護師アン(アン・ダウド)が、自分しか知りえない過去をアンジェラにダミ声で指摘されて驚きます。かつて読んだクリス・マクニールの体験談に書かれていた現象に近いものを感じたアンは、ヴィクターにその本を渡します。ヴィクターはクリス(エレン・バースティン)に会って相談すると、アンジェラを助けることを約束されます。何者かに憑りつかれた二人の少女に面会したクリス。悪魔祓いを始めると、キャサリンに十字架で両目を突き刺されて失明してお役御免。アンは教会に相談して悪魔祓いを要請するも、儀式の許可が降りません。仕方なく、修道女の経験があるアン二人の身内を集めて、素人なりに悪魔祓いを開始。当然上手くいくわけがなく・・・というのが大まかなあらすじ。

 

原題は「The Exorcist: Believer」。1作目のテーマ曲『チューブラ・ベルズ』が流れる予告編にそそられたものの、観に行きそびれた作品。エレン・バースティンがガッツリ物語に参加して、ヒロイックなエクソシストが登場して悪魔をやっつける話なのかなと思ったら、全然違いました。父親が愛する娘を助けるために、武力で解決するでなく、戸惑っている展開には目新しさアリ。頼りにしたい教会がアテにならないので、少女の回復を信じる素人たちが手を組んで根性で悪魔と対決するスポ根チックな話で、卑怯なことをする人にはバチが当たって、マジメを貫いた人が報われます。リブート作品なりの面白さを期待しましたが、コケおどし要素はいたってフツーで、本作ならではの魅力がありません。

 

そもそも格調高いクラシック感を醸し出しているのは1作目だけで、2作目以降はエクソシストをモチーフにして別の怖さを模索した内容になっていて、それぞれのトーンがバラバラ。シリーズお決まりのパターンがないので、継承できるマンネリがない点が悪い方に出たのかもしれません。俳優さんたちの芝居は悪くはないけど、強く印象の残るキャラがいないのも難点。パッと見で気づきづらいリンダ・ブレアが終盤でちょこっと顔を出してくれるのも、本編の味気無さのせいで焼け石に水といったところ。「ハロウィン」シリーズのリブートに成功したデヴィッド・ゴードン・グリーンでしたが、続編の監督を辞退。シリーズ継続自体も白紙になったそうです。