ミシェル・ヨー初主演のアクション映画をWOWOWオンデマンドで観ました。初見。
監督はユン・ケイ。予告編はコチラ。
香港警察のアンナ警部(ミシェル・カーン。のちのミシェル・ヨー)が変質者逮捕のついでに強盗団の現金輸送車襲撃を阻止して逮捕。かなりの腕利き美人刑事のようです。アンナがスコットランドヤード研修時代に世話になった知人リチャードを訪ねると、ホテルの部屋で死んでいました。実業家ミスター・ティン(ジェームス・ティエン)の違法取引捜査のために香港に来ていたリチャードを暗殺したのは彼の手下ウィリー(ディック・ウェイ)。犯行現場にコソ泥二人組のマーロン(マン・ホイ)と教授(ジョン・シャム)が侵入して、部屋の物を盗みに来ていたことで話がややこしくなっていきます。二人組が盗んだ中にリチャードのパスポートがあり、顔写真の裏に違法取引を裏付けるマイクロフィルムが貼り付けられていました。そうとは気づかない二人組はパスポートを仲間の偽造屋フィンガー(ツイ・ハーク)に渡します。犯罪者トリオは、マイクロフィルムの行方を探す香港警察からも、ティン一味からも追われる立場となります。
さらに、スコットランドヤードから派遣されたキャリー捜査官(シンシア・ラスロック)が香港入り。こちらも敏腕美人刑事で、アンナ警部をライバル視しながら、ともに捜査を進めていきます。盗んだマイクロフィルムがヤバいブツだと知った犯罪者トリオは、警察に渡すか、ティン一味に渡して金をもらうかで悩んだ結果、ズル賢いマーロンとフィンガーは正直者の教授を騙して、ニセのマイクロフィルムを渡して警察に届けさせることに。受け取った香港警察はティンを逮捕しますが、マイクロフィルムはニセモノだったため、ティンは無罪放免。その後、マーロンとフィンガーがティンに本物のマイクロフィルムを売りつける交渉を開始。しかし、一枚上手のティンは交渉に来たマーロンを監禁して、自宅で待機していたフィンガーを殺害。真相を知った教授はマーロンを助けるべく、ティンの邸宅へ殴り込み。後を追ったアンナとキャリーも駆けつけて一大バトルを繰り広げるのだが・・・というのが大まかなあらすじ。
原題は「皇家師姐」。シリーズ化された女刑事アクション物の第一弾。バレエ経験しかないとは思えないミシェル・ヨーの体当たりのスタントが炸裂。同じくアクションスターとして香港映画で活躍した格闘家シンシア・ラスロックとの競演が見どころ。当時の香港アクション映画に頻出していたガラスがハデに割れる激しいスタントや高いところからムチャな体勢で落下するスタントも満載で、マイクロフィルムをめぐるストーリーはどうでもいいかも。犯罪者トリオのコミカルなやりとりが多い点は間延びした印象を与えます。クビ覚悟で殴り込みに行った女性二人がさんざん暴れまくった挙句、警察がやって来て彼女たちが住居不法侵入で逮捕される展開と、その後に続くオチのつけ方に意表を突かれました。製作に参加しているサモ・ハン・キンポーが特別出演。その仲間役でリチャード・ンとデビッド・チャン、警官役でウー・マもちょこっと出演。今は懐かしい三和銀行(撮影協力にもクレジット)の看板にも昭和を感じるアナクロアクションの快作でした。
