「雑居時代」第1話-第13話
石立鉄男ドラマの代表作の1本をAmazonプライムビデオで観直してます。
監督は千野皓司、平山晃生、手銭弘喜。
日本テレビ系水曜20時からのドラマ枠で放送された人気ホームドラマ群(「水もれ甲介」だけ日曜20時枠)で、私は2000年代にスカパーでハマってこの中の何本かを観ていました。1970年代の石立鉄男は一大ブランドで、勢いは1980年代中盤まで続いていましたね。Wikipediaによると、「おひかえあそばせ」(1971/4/7-9/29)、「気になる嫁さん」(1971/10/6-1972/9/27)、「パパと呼ばないで」(1972/10/4-1973/9/26)、「雑居時代」(1973/10/3-1974/3/27)、「水もれ甲介」(1974/10/13-1975/3/30)、「気まぐれ天使」(1976/10/6-1977-10/19)、「気まぐれ本格派」(1977/10/26-1978/9/20)と、ユニオン映画と石立鉄男のタッグが計7作あります。最も有名なのは「パパと呼ばないで」。地上波の再放送でボーッと数話を観た記憶があって「杉田かおる=チー坊」のイメージは40代以上の人なら観てなくても知ってるんじゃないでしょうか。
で、この「雑居時代」はそんなドラマ群の中でも最高傑作とされていて、久々に観ましたが・・・、やはり中毒性がありますね。ザックリいうと、石立鉄男と周囲の小市民たちが織りなす笑いとペーソスに溢れた人情物語。「おひかえあそばせ」のリメイクでもあります。石立鉄男はヨソ者だったり出戻りだったりするパターンが多く、頼りない主人公が同居人や近所の人たちとしょーもないイザコザを繰り返して、いつもドタバタしている日々が延々と続きます。そんな賑やかで楽しい幸せな時間がベースにありつつ、時折、家族の秘密や別れがドラマのスパイスになって、しんみりさせる回もあります。
外交官の大場鉄也(山形勲)が夫婦でアフリカへ長期赴任するにあたって、広々とした自宅を大学時代の親友に安値で売り払います。父とケンカして家出してカメラマンアシスタントをしている一人息子を2階に住まわせることが鉄也の嫁(加藤治子)から提示された唯一の条件。家を買った親友はサラリーマンの栗山(大坂志郎)。妻を早くに失くして娘5人を育ててきた、誠実だけが取り柄の初老の男。2階に住むことになったのはアラサーの十一(石立鉄男)。問題は個性的なキャラの集まりの5人娘で、娘たちと十一が巻き起こすトラブルがストーリーの軸です。長女の春子(冨士眞奈美)はド近眼の看護婦。自分勝手な性格で、猛毒を研究する学者(山田吾一)と婚約中。次女の夏代(大原麗子)は家事を切り盛りするしっかり者の美女。三女の秋枝(川口晶)はサバサバした性格の自由人で居合の達人。四女の冬子(山口いづみ)は比較的まともな性格の女子大生。そして、おませな末っ子の小学生阿万里(杉田かおる)。
長女の冨士眞奈美のド近眼のボケっぷりが豪快で、いま観ても笑えます。三女の川口晶の気風の良いキャラクターも長女に負けないコメディリリーフとして効いています。子役のお手本のような杉田かおると石立鉄男とのコンビネーションはさすが。五人娘の父親の大坂志郎は安定感抜群。他には、頼りないカメラマン川崎敬三との師弟コンビ、大学の後輩山本紀彦との先輩後輩コンビが、栗山家以外での人間模様の幅を広げています。そして、当然ながらラブロマンスの要素もあって、主人公の石立鉄男と姉妹で一番の美女大原麗子がケンカしながら最終的に結ばれそうな気配を漂わせています。中盤まででは、夏代が十一のことを無神経な男のイメージから意外とイイ人なんだなと実感し始めた段階。十一のほうはまだ夏代のことを全く女性として見ていません。このドラマは途中までしか観ていないので、結末がどうなるのか、とても楽しみ。それと、昔のドラマだけあって、「バカでもチョンでも」とか、「キチガイ」とか、「メクラ」とか、「チンバ」とか、今だと放送コードに引っかかるフレーズが頻発してるところに昭和を感じます。



