「魔の巣 Manos」

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「魔の巣 Manos」(1966)

 

史上最低クラスのホラー映画をAmazonプライムビデオで観た。

 

 

製作・監督・脚本・主演はハロルド・P・ウォーレン。

 

夫マイケル(ハロルド・P・ウォーレン)と妻マーガレット、娘デビーの三人家族が愛犬ペッピーを連れて、ホテルでバカンスを過ごすため、車でテキサス州エルパソの砂漠地帯を走っています。なかなか目的地のホテルに着かない件がしばらく続いて、若いカップルが車中でイチャイチャしているところを保安官に注意される、どうでもいいシーンが挿入されたりもしますが、やっぱりホテルの場所が分からぬまま。車は不気味な館に到着。玄関には門番のように突っ立っている青年トーゴが。マスターの留守中を預かっているらしい挙動不審の男を見て、気味悪がる妻と娘。しかし、ホテルが見つからないんで、マイケルは妻や娘の反対を押し切ってこの館に一泊することになります。

 

彼らが泊まる部屋には、不気味な風貌のおっさんと黒い犬の絵が飾られていました。トーゴ曰く、この館のマスターとのこと。やがて、家族の周りで奇妙な出来事が続きます。外から獣の遠吠えが聞こえたらと思ったら、外に飛び出した愛犬ペッピーが死体で発見。夫マイケルがいない隙にマーガレットを口説きだすトーゴ。マーガレットの生着替えを外の窓から覗くトーゴ。娘デビーがいなくなったかと思うと、部屋の絵に描かれた黒い犬を連れてきます。犬がいたという奥の部屋に行くと、眠りについているおっさんと6人の女性を発見。どうやら、絵に描かれていたマスターはカルト教団の教祖で、6人の妻と共に暮らしており、マーガレットを7人の妻にするために館におびき寄せたということが判明します。マイケルはトーゴに襲われて意識を失くしてしまい、生贄にされそうになる妻と娘。果たして、この恐怖の館から脱出することはできるのでしょうか・・・というのが大まかなあらすじ。

 

原題は「Manos: The Hands of Fate」。"マノス"とはカルト教団が崇拝する「邪神マノス」のことで、マノスの生贄になった女性は教祖のおっさんの妻にされてしまうようです。6人の妻たちが妻マーガレットと娘デビーを生贄にすべきかどうか議論するパートがあり、言い合いになって6人でつかみ合いのケンカをするムダな場面がダラダラと続きます。尺が足りないからなのか、序盤に出てきた若いカップルが乗る車にまた保安官がやって来て再度注意をするシーンが唐突に出てきます。メリハリのないシーンが続くものの、単調な音楽が妙にクセになります。結局、妻と娘はおっさんの新しい妻となってしまい、夫マイケルが館の門番になってしまったという衝撃のラストシーンで映画は終わります。ただのつまらない映画がアメリカでカルト映画になった経緯はWikipediaに詳しく書かれています。妻のマーガレット役の女優さんはムダに美人です。セリフは棒読み。トーゴ役の俳優さんは撮影中、ずっとLSDでトリップしていたそうです。編集の繋がりがザツなだけで、ストーリー自体は分かりやすく、かと言って面白いわけでもない、稚拙な作品でございました。