英語を勉強されている人から英語の勉強に関して相談を頂くことの一つに、次があります。
「ビジネスで英語のEメールを書けるようになりたいのですが、何を勉強すればいいでしょうか。」
今回は、このことについて書きたいと思います。
英文Eメールの書き方は、本が1冊書けるような内容です。
それは市販されている書籍に任せるとして、私自身が海外の企業に英語のメールを書くときに考えていること、注意していることを書いてみたいと思います。
英語のメールと言っても、対象の国によって異なると思いますので、今回は ”アメリカの企業” に送るメールをイメージして書きます。
● 日米の仕事に関する考え方の違い
ビジネスメールを送る場合は、『依頼』が目的であって相手に動いてもらうことが重要なケースが多くあります。
その場合に、「日本人とアメリカ人の考えが違う」と思うことがあるのです。
それは次です。
【日本人】他人に頼まれた場合、それに対応しないでいると「なんだよあの人は。やってくれない人なのか。」と思われてしまうので、対応する。
【アメリカ人】自分の仕事は、自分の上司との契約(Job Description)で決められている。それ以外のことはやらなくても問題ない。(時間に余裕があればやってあげるのは構わないけど。)
少し極論してはいますが、この考え方の違いが正しいとすると『依頼』の仕方も考えなければうまく対応してもらえません。
きちんと対応してもらうためには、Eメールの表現(内容)をよく考える必要があります。
例えば次の様に。
①”依頼事項”を、企業間のプロジェクトの中の業務と認識させる。
これは、「自分はやらなくても問題ない」と思わせないために、「このプロジェクトは両企業で進めなければならないものであって、一担当者の業務云々以前に(Job Descriptionには具体的に記載されていなくても)対応しなければプロジェクトに積極的でないと評価されることになる」と認識させるということです。
もう少し具体的に言いますと例えば、『依頼』を単なる”作業”の依頼の仕方ではなく、プレジェクトの全容を少し書くことで認識させた上でお願いしたり、これをやらないとプロジェクトが「こうまずくなる」と書いたりということです。
②上司にもCC(同封)する
上記の①の方法でも相手が動いてくれないことがあります。
その場合は、上司にもメールを同封(CC:Carbon Copy)して状況を共有していることを示します。
この際、突然上司のアドレスを追加することが不自然になるようであれば、上司に関連する別の連絡事項を追加するのも方法の一つです。
③ 最後の手段
それでも返事が来ないことがあります。
日本側はプロジェクトが進まず、非常に困った状態になってしまいます。
このような場合に使える、取って置きの方法があります。
強硬手段ではありますが、次の様に依頼相手にメールします。
まず、”前置き” です。
「先週から3回メールをお送りして返信をお待ちしていますがまだ頂いていません。
頂けない理由を教えて頂ければ幸いです。」
次が ”留め” です。
「貴方がもしとても忙しくて対応が困難ということでしたら申し訳ありませんので、私から(貴方の上司の)xxxさんに進め方をご相談することでも良いですが、如何しましょうか。」
③は余程のケースでないと安易に使うと逆に信頼関係を崩すことにもなりかねませんので、勿論十分な注意は必要です。
私は、以上のような考え方で海外の企業とのプロジェクトが予定通りに進むように日々仕事をしています。
③は滅多に使いませんが。
実際に海外の企業の担当者が動いてくれないことは少なくありません。
上記の②の段階辺りで、そのアメリカ企業のトップから突然メールでその担当者に対して「一体何をやっている。直ぐに対応しなさい」とお叱りがあったことも実際にありました。
勿論その担当者が直ぐにしっかり対応してくれたことは言うまでもありません。
どういう状態でも、その後もプロジェクトは続いてその担当者とも仕事をしますので、その人との人間関係を崩すことだけは絶対に避けなければなりません。
こちらが誠意を尽くして対応し続けることが前提です。
今回はアメリカ人のフォローに特化して書きましたが、海外企業へのEメールの書き方にはもっと他にコツがありますので、それは他の機会に。
勿論、最も重要なことは「メール本文を相手が誤解しないように英語で伝える」ということです。
「期限を明確にする」、「対応しないとどうなってしまうかを伝える」なども重要です。
そのためには、英文法や単語の使い方の理解も必要です。
英文法の基本を短時間で理解する方法など基礎力を付ける勉強方法は次の本で解説しています。