7時半サガシティホテル発。 カプセルのある階はそれほどでもなかったが、フロントは混み合っていた。この旅では、天気予報を見ながら2~3日先の宿泊先を予約していた。当初、本日の宿泊は大村市の予定だったが、大村市内すべての宿が予約できなくなっていたので嬉野市に変更している。ゴールデンウィーク前に休みを取る人が多くいるのかもしれない。

 佐賀市街は通学時間、学生さんをかき分けるように市街地を抜けると、行けども行けども麦畑。 単調な風景が続く。

 特急つばめと出会う。

 10時半白石町にはいる。白石町には想い出がある。白石町が主催する平成25年度三十一文字コンテストで応募した短歌が優秀賞に選ばれ表彰式に出席した。式が終わり白石町役場から歩いて駅に向かっていると、1台のバンタイプの車が近づいて来て、運転している方が「歩いてきたのですか?駅まで送りましょう。」と声をかけてくれた。最初だれだかわからなかったが、表彰状を渡してくれた町長さんだった。町長さんは大変気さくな人で、以前は県庁で土木関係の仕事をしていたとか色々な話をしてくださり、最寄りの駅は本数が少ないからと遠くの駅まで送ってくださった。今も町長をされているようであり、ご恩返しのつもりで、三十一文字コンテストには、ほぼ毎年応募しているが、このコンテストで賞をいただいたのはこのときだけである。精進して次こそはと思ってはいるのだが。(その後、令和5年度と令和6年度に連続して優秀賞をいただいた。)

 歌垣公園の標識があり、この公園には三十一文字コンテストの歌碑があるようなので、もしかしたら自分の短歌も、と期待して国道207号線を外れて行ってみることにした。平坦な田園風景を抜けると、途中からすごい急坂になり、立ちこぎ状態に。

 ようやくたどり着いたら、眺望がすばらしい。視界がよければかなり遠くまで見渡せるのではないだろうか。

 歌碑を見て回るが、どうやら歌垣賞(部を超えた最優秀賞)と一般の部等の最優秀賞が歌碑になっているようで、優秀賞はないようである。残念。古い歌碑は石造りで立派だ。

 近頃の歌碑は、金属製のプレートになっている。(令和6年度の表彰式の後で歌碑のことが話題になったが、町役場の方によると維持管理が大変なので他の方法を検討中とのことである。)

 国道207号線に戻らず、県道214号線を走る。やはり交通量の少ない県道はいいが、再び国道207号線に合流。龍王崎古今の森公園で休憩する。奥には5〜6世紀代の古墳が集まる龍王崎古墳群があるらしいが、入り口から鬱蒼とした感じがした。

 鹿島市を抜け県道41号へ。道は登り勾配になってきた。14時嬉野市に入る。

 和泉式部公園の標識があるので、寄り道。近くに歴史民俗資料館もあるようだが、公園の近くには見当たらなかった。後でよく調べてみると、まだ先のほうだった。

佐賀県立うれしの特別支援学校を通り過ぎると和泉式部公園である。

 駐車場近くには、高床式住居と江戸時代の民家があり、どこが和泉式部かわからなかった。

 奥の階段を登ると堂々たる和泉式部の銅像。

 この辺りが彼女の故郷とのことである。ただし、出生地については、他に岩手県、福島県、長野県に伝承があるが、朝廷に仕える大江雅致(まさむね)と平保衡の娘との間に生まれたとなれば、京都が出身地と考えるのが普通ではあるまいか。しかし、ここに残る伝承では、通りがかった勅使に認められ、京に召されたとあり、その後、大江雅致の養女になったとも考えられる。

 墓とされる場所はさらに多く各地に伝承がある。これでは、どこで亡くなったかわからず、今ひとたび逢うのも難しかったであろう。

「あらざらむこの世の外の思ひ出に 今ひとたびの逢ふこともがな」和泉式部

 公園内には藤の花がきれいに咲いている。

「くたびれて宿かる頃や藤の花」松尾芭蕉

 本日の宿泊先の嬉野温泉に向かうことにする。

 元の道に戻る途中の歩道に12星座のマークが描かれていた。意味は不明である。

 そこそこの山越え、巨大な急須がある。さすが茶所である。

 16時20分には、嬉野温泉旅館千代乃屋着。 チェックインは17時からなので近所を散策。 シーボルトの湯が見える新湯広場に行ってみる。

 フランシュシュの紺野純子発見! 佐賀駅周辺ではゾンビランドサガ関連は見つけられなかったのに…ようやく佐賀に来たなぁと実感。

 17時前だが雨が降りはじめたので入れてもらう。 昔ながらの旅館で、久しぶりの和室である。

 休憩してから買い出しへ。 足湯のある湯宿広場にドット絵があり「Romancing佐賀」と書かれている。ということは、「VINLAND佐賀」、「UNLIMITED佐賀」、「魔界塔士 佐賀」果ては「グイン佐賀」もいけるのか、佐賀、無敵である。

 夕食は、アスタラビスタで買った、のり弁とイカとキュウリの酢のもの。 お風呂は小さいながら、さすが嬉野といった泉質であった。

 本日の支出は宿泊代(素泊まり)5,000円(2025年は5,500円)、食費等1,570円 

合計6,570円 1,570円の赤字