岐県県郡上市から封書が届いた。中には、第12回郡上市文芸祭に応募した表彰状が収められていた。

 まずは、短歌部門、入選の賞状である。応募した短歌は

「幸せな住宅街の夕暮はピアノの音とカレーの香り」

 次に、川柳部門、同じく入選の賞状である。応募した川柳は、

「老人と老人席を譲り合う」

 郡上市文芸祭は現代史部門、短歌部門、俳句部門、川柳部門、狂俳部門の五部門構成のコンテストであり、ありがたいことに投句料が無く、誰でも参加でき、WEBでも応募できる。

 筆者は、現代詩以外の全部門に応募したが、俳句と狂俳は見事落選してしまった。賞は全部門通じて宗祇常縁賞1点、各部門に郡上市文芸祭賞(各部門1点)、郡上市長賞(各部門1点)、郡上市教育長賞(各部門1点)、郡上市文化協会長賞(各部門1点)、郡上市郷土文化誌「郡上Ⅱ」賞(各部門1点)及び入選(各部門数点)と続く。

入賞作品集も同封されていた。入選者は狂俳を除き、全国から応募された方々だったが、狂俳については、岐阜県の方が大勢を占めていた。

 ちなみに、宗祇常緑賞の由来は、「文芸祭の趣旨に常縁・宗祇の古今伝授の故事を回顧し、市民の創作意欲を高め、文芸創作活動の振興とともに地域文化の向上を図ることを目的とします。」とあり、宗祇は室町時代の連歌師で郡上市に庵があったそうで、今でもその近くに宗祇水という名水が湧いているそうだ。常緑は、室町時代から戦国時代初期の東 常縁(とう つねより)のことだと思われる。武将であり歌人でもあった常縁の墓が郡上市にあるそうだ。

 最後に郡上市文芸祭実行委員会の皆様、選者の先生方、本当にありがとうございました。