晴れ。8時ビジネスホテルわらじ屋発。
ホテルの近くに高専ダゴ旭町本店があった。高専ダゴ、ご存知のない方は何のことかわからないだろう。まず、ダゴは大牟田あたりの方言でお好み焼きのこと、そして高専は有明工業高等専門学校をさす。昭和四十年代、高専の生徒がたくさん来て口々注文するので、通常丸いお好み焼きを鉄板一杯四角に焼いて、まとめて出したのが始まりとされ、その大きさは縦30cm、横50cm、重量約3Kg。今回、店構えだけ見て入店しなかったが、この記事を書いていて食べとけば良かったとかなり後悔している。
国道208号線で佐賀市を目指そうとするも、わからない。別名、有明沿岸道路ともいうようで、自動車専用道路みたいな道もある。さんざん迷っていると漁船が水路に係留されている場所に出た。ここでは、船を囲うように棒が立っており、駐車場の白線のような役割だと書いてある資料もあったが、干満の激しい有明海なので、船が引き潮になったとき斜めや横にならないための工夫ではないだろうか。
国道209号線に合流、国道208号はあきらめて、一路みやま市経由で柳川を目指すことにした。10時半、矢部川を渡り柳川市へ。写真は国道208号線の矢部川大橋、主塔間の距離(橋脚間の長さ)261mは,コンクリート製斜張橋としては日本一の長さである。
柳川市に入ると水路をよく見かけるようになる。スッポンが甲羅干しをしていたので、写真を撮ろうとしたらすばやく逃げられた。柳川市中心部に入ると観光客らしき人がちらほら歩いており、川下りのどんこ船が行く水路もある。
柳川あめんぼセンターを見学。図書館と一緒になっており、展示スペースは広くないものの、堀割と人々の暮らしが分かりやすく展示されていた。
北原白秋記念館を目指す途中、川下りの乗船場やうなぎ屋さんが立ち並んでいるエリアがあり、日曜日とあって観光客でごった返していた。ちょうど昼時、うなぎを焼く匂いが鼻腔をくすぐる。無職の旅行者にうなぎは分不相応だが、においをおかずに白飯がおいしくいただけるのではないか等と貧乏くさいことを考えながら通過した。
北原白秋記念館は、この旅ですっかりお馴染みの休館中。
北原白秋記念館からもと来た道を戻るには、観光客が集中していたので、県道767号線で佐賀市方面へ。ここの漁船の係留場所にも棒が立てられている。
今日もジリジリ暑い。途中、七ツ屋梅の木街道のベンチで休憩。ここは梅の木が1kmに渡り植えられている。
今は麦が青々している。
筑後川河口域に到着、新田大橋を渡る。さすがに広い。
13時半、佐賀県入り。筑後川の支流である早津江川を渡ると佐野常民と三重津海軍所跡歴史館の標識があった。幕末の佐賀藩は鍋島閑叟公の指導で飛び抜けた技術力を誇っておりその関係施設跡だろうと思ったが、恥ずかしながら佐野常民という名前は記憶になかった。
佐賀市立中川副公民館が駐車場になっており自転車を置いて歴史館へ。ちなみに公民館に正副があるのかと思ったが「なかがわそえ」と読むらしい。
日曜日というのにお客さんは少なかった。1階は三重津海軍所に関する展示、そして映像ホールでは、CGを使った幕末当時の三重津海軍所の様子を大迫力で見ることができた。2階は佐賀藩の近代化事業の展示と佐野常民に関する展示と映像。最期に佐野常民が初代社長を務めた日本赤十字社に関する展示になっている。
帰宅して、佐野常民が主人公である火城(高橋克彦著 PHP文庫)を読んだ。創作の部分があるにしても、幕末の日本をなんとかすべく駆け抜けた熱い魂を持った人物として描かれている。この小説は文久元年(1861年)までだが、その後の活躍は、1867年パリ万博参加、1871年新政府の元、灯台整備に尽力、博覧会を開催等々、近代化に貢献する。なかでも西南戦争時、敵味方の区別無く救護する博愛社の設立は、政府が認めなかったため官軍総督の有栖川宮熾仁親王に直談判して許可をとり、日本赤十字社の基礎を作っている。
筆者は、NHK大河ドラマの主人公にしてもよいのではないかと考えているが、佐賀県の皆さんはいかがだろうか。
なお、佐賀藩の苛烈なまでの近代化を描いた司馬遼太郎の短編アームストロング砲を読み返してみたら、佐野常民が砲の試写の際に火薬方としてちょっとだけ登場している。
博物館の外にはドライドック等の三重津海軍所跡が川に面して広がっていた。
佐賀市街へ、クリークと言うのだろうか、水路が多い。気になったのは水路脇に浮き輪やひものついた発泡スチロールが置かれていることだ。流される人がいるのだろうか。
17時サガシティホテル着。カプセルの他、普通の部屋もあるので、外人さんも利用している。コーヒー一杯無料のサービスがうれしい。
荷物を降ろして一休みしてA.COOPへ買い出し。夕食は、カニカマ巻きとおいなり等。
サウナ付き大浴場と広い休憩室もあるので、快適である。カプセルホテルはこうでなくては。
本日の支出は宿泊代(カプセル)2,700円(2025年2,800円から5,600円)、食費等1,014円、佐野常民と三重津海軍所跡歴史館入館料500円(2025年変わらず)
合計4,214円 786円の黒字