蛸枕 行く道 戻る道 いつも海の傍を揺られていた 光る水面を見たときのあの 拡がる気持ちは何だろう 偽りのノスタルジーを目薬に 堆く手離したもののあとさき 指先に巻いた風に似た困った後ろ姿 遠くで哭いた鳥と諸共に 海へ還る