bibliotheca lepre

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心の赴くままに

 

渇きに鈍感な塊は行きつ戻りつ

時計は止まらない

真昼の月を臨みながら息巻くものは

還る先の景色を覚える術もなし

下心の発露するは時に醜く

なけなしの羽根をむしり

未だ自由を貰う赦しを

譫言のように封印するふり

 

 

 

 

 

 

 

生乾きではないですか


濡れた冷たい手を握った時から

生乾きのままに

ずっと謝っている

キミはしつこいと怒るだろう

謝ったからといって何も産まれはしない

無意味だと解っているのに謝っている

生き残った者の咎は

ずるずると名も無き処から産まれ

菌糸の如く伸びて行く

嗚呼それを何と名付けよう


良く育ちますね

首の奥が疼きますか

 

 

 

 

 

 

お庭のあそこだけ植物が良く育つんだよね

土の栄養が良いのかな

陽もよく当たるしね

 

夢見鳥は羊の角の周りを戯れる

もう何処へも行かぬ

此処がどこであるかは居るものの意識が決める

釣られた腕がずっと震えているのは

隣で見ていた羊に噛みつかれたから

 

人差指の先を喰おうとしたね

駄目だよ花を喰わなきゃ

 

月へ向かう露ぬすみ遥か

耳に聞こえるは内か外か

目に映るは夢か現か

その口に含むは何というものか

 

 

 

 

 

 

 

春雨に また一夜とて 二夜草 蜜より白玉 よよと濡らして

 

風に乗って何処からともなく数え歌

なにか寂しげなその声は風と蟲の声の隙き間から漏れ出てくるが姿は見えない

それはいつしか風の流れの中に溶けて、止んだ訳では無いのに気にならなくなった

満ちた月の光の降り注ぐ土手は此処にいる全ての者に開放され何者の物でもなかった

鈴を転がしたような鳥の囀りが光る風に游ぐ時刻では眩しすぎて出ていくことが出来ない者にとってそれは

それでもまだ明るすぎるように思われたが不思議と心は穏やかでいられた

あの時の夢語りもこの月の下ではあながち無謀ではないように思われた

ここで朝まで凌いで向こう側に行くといい

うとうとしたそのとき俄かに大きなぐるりとした風が足元をすくい始めた

数え歌の声は風の音にかき消されることもなく益々大きく耳に届いた

夢中で土を掴みながらもう一度あの月を見ようと伏せていた顔を拭い顎を上げようとする

そして背中のものを少しだけ降ろそうとしたその時

足は宙に浮き土手をずるずると滑らせた

歌声や光る風や眩しい日々などがめくるめく走馬燈のように頭の中をめぐり

大きな風と一緒になって土手を転がした

気がつくと体は流れ星のように光の弧を描き加速度を増して、めらめらと燃えていた

 

 

昔は自分の言葉を綴るだなんて裸を見られることのように恥ずかしいものだったのに

いつしかぽつりぽつりとまあ心恥ずかしい言葉を寄せるようになり

それもすっかり慣れてはっきり言葉にするより楽だとまで思うようになり

気付かれないであろう言葉遊びをこっそり楽しみ

あの人ならここは気付いてくれるかなあなんてほくそ笑み

ひっそり見てくれている人がいるのは分かっているけど

誰がどんな風にどれくらい見てくれているのかまでは分からなくて

こっそり印を送ってくれる人達が本当は誰なのか、あるいはその言葉は僕にも向けてくれているのか、確信も無くて

気付いてて気付いてないよう振る舞うのは好きな常套手段であるけれど

解析して咀嚼したいタイプの僕にしては本当に分からないのはとても気持ち悪いことであって

でもそれも余りにどうにも出来ず長く来たのでもう諦めるようになり

しかし僕の底の方と繋がって心の支えになっていることには変わりなく

ずっと感謝して頼りにしているのは間違いなく

いつかそんな稀有な人と直接逢って僕が一番話したい話が出来ることを夢に見ながら

今日も生きている