果実を炊いて宿り木に
かりそめの安息を口ずさむ
あやかせば散り散りに
儚いふりで潜り込む
見えない場所を補う偽りの景色
染み渡る復ち水の透き間で
固まった光を砕く
果てのない透過線
もう底から見上げている
星の一日をするりとなぞって
そうして
巡りくる景色を
断片的に
辿りながら
土へ還る
果実を炊いて宿り木に
かりそめの安息を口ずさむ
あやかせば散り散りに
儚いふりで潜り込む
見えない場所を補う偽りの景色
染み渡る復ち水の透き間で
固まった光を砕く
果てのない透過線
もう底から見上げている
星の一日をするりとなぞって
そうして
巡りくる景色を
断片的に
辿りながら
土へ還る
行く道 戻る道
いつも海の傍を揺られていた
光る水面を見たときのあの
拡がる気持ちは何だろう
偽りのノスタルジーを目薬に
堆く手離したもののあとさき
指先に巻いた風に似た困った後ろ姿
遠くで哭いた鳥と諸共に
海へ還る
汐の星張りつめる
階段を一段 また一段
月の光がこんなに明るいなんて
すっかり肩は冷たい
そこに記憶は無く
真っ直ぐ山へ帰る
内と外が入り混じる
露けき部屋
幾度となく反芻される奏で
枝を一刺し また一刺し
大気を抜けて
ゆっくり山へ還る
風を切って
心を分かつ者のもとへ帰る夢
重力とバランスを取りながら裾まで持ち上がる
結局はぐんぐんと
況や眩しくとも
僕が生涯手に入れることの無いもの
心の通う家族とのあたたかい団欒
偽善者は自分を洗脳し
偽物と 嗚呼やさしい人 気付かない
不意に躍り出るアルルカンのかいなに身を預け
ホログラムを現実のものとする
僕の言葉が届くことは無いけれど 僕はきっと幸せだった
眼の奥の扉を開けて
いつだって凪の空へ駆け出して
星を投げたその先にとりどりの
小さな足跡降り積もり土を彩で満たす
戒めに一粒
饒舌に 独りではなかった
螺旋の人
雨の降る日
山から立ちのぼる水煙を見るのが堪らなく好き
僕が今まで暮らしてきたところはそこそこ都会だった
でも少し行くと
高い建物の無いところ、建物より田んぼや木々の方が多いところにすぐ辿り着く
この国はとても狭い
世界を見渡してみても、片田舎、砂漠、森、海、殆どはそんなところだ
世界で生きている人の多くは僕のように整って何でもすぐ手に入るところ
でないところで暮らしているんだと気が付く
僕には日本の片田舎の暮らしさえ良く分からなかったけど、
この狭くて便利な国ではさして不便ではないようだ
最近晴れた日にくるくる踊りながら洗濯物を干す僕が目に浮かぶの
きっと僕は朝起きられる人になる
眩しい陽を存分に浴びて叫ぶことが出来るの
誰の目を気にすることもなく
何に気兼ねすることもなく
思い切り僕でいられる
僕は山に向かっている
今まで手に入れたことの無かった
僕が一番欲しかったものを
ようやく手に入れたから