マダム オリビアの休日
ここシカゴ郊外では 蛇やトカゲは滅多に見ない。
その代わり スカンクやコヨーテ たまに鹿。
以前、早朝 太郎と散歩していたら コヨーテ二匹に囲まれる恐ろしい思いをした。
老犬プラストラウマ持ちの太郎を守るために 手を叩いたりおかしな動きを全身で披露したら
「こいつヤベーやつ」
と コヨーテ達にも伝わったのか、 どこかに行ってくれた。
そんな過酷な外の世界で生きているオリビア。
最近 首周辺と横腹あたりに傷をつくっていた。
これが初めてではない。
なんとか 少しでも治癒するように 天然の抗生物質と言われる コロイダルシルバーを少し吹きかけたりする。
食欲も自然と落ちていたが 再びたべれるようになりホッとしている。
ご飯をたべてからもどこにも行かず 裏庭でずーっと寝ている。
ちょっと移動して 再びお休みに。
気を許してくれてるのかな、と思うと 嬉しい。
猫同士 縄張り争いもあるだろう。
今の季節はまだいい。
また秋の香りがし始めると 厳しい生活になる。
収納ケースで寝床を用意しているが 困ったことに ポッサムが住み着き出したので 夏の間 しまっている。
一度 毛布を直そうと手を突っ込んだら噛まれてしまい びっくりした。
収納ケース蓋をとると 普段は可愛い顔しているが敵意むき出しで威嚇してきた。
いや、、そこ オリビアの部屋、、。なんであんたがいる、、。
噛まれても 緊急性のない野生なのでまだ ギリギリセーフだった。
その対策も練り直しだ。
人間本位に考えてはいけない と自ら戒めながらも オリビアが猫娘達と ぬくぬく暖炉の前で一緒に なんの心配もせずに寝てくれる そんな妄想を止めることはできない。
堂々巡りの片思いが続く。
聖地は秋葉原
毎年 日本に帰れるほど 余裕のない我が家。
最後に訪れたのは 三年前。まぁギリギリセーフだったと思う。
私は、お友達との再会や京都の古民家に滞在したことが 今でも海馬に記憶されているが 三姉妹は ジブリの森、特に秋葉原らしい。
時折、ふと思い出し
「あぁ、、秋葉原でしたUFOキャッチャーが忘れられない、、」
と 遠い目で語る。
日本人も多いシカゴ郊外、駐在で来られたお友達から 日本のアニメ事情を聞き Netflixで検索をかけて ハマるパターンが続いている。
三姉妹にとって日本は 故郷であって 異国のような場所。
それもそうだ、私のように三十年近くどっぷり過ごしたわけでもなく 人生で数回『訪れた』だけ。
特に メイド喫茶 が印象的だった。異空間だ。
柔軟な上に興味津々 可愛い が大好きな三姉妹。
終始ご機嫌であった。(夫も なんか恥ずかしいね と言いながら本心ではかなり喜んでいたかもしれない)
若い娘さんの踊りまで 特別注文し とりあえず手拍子なんてしていたが 居合わせた常連らしい青年たちが一番得をしたんではなかろうか、、。
今でも 聖地で大量ゲットした小物たちは 彼女たちの部屋で 埃を多少かぶりながら 君臨されている。
母は 離島でゆっくりのんびりすごしたいが それはまだまだ叶わぬ幻だろう。
きっとティーンになり ますます小生意気になった三姉妹の金づるとして 東京を歩き回されるに違いない。
ハイカラな街に ヤングな人たちが魅了されるのは世の常。
遠い未来の 離島プランのために 足腰を強く保ちたい。
そんな淡い夢を抱いて今日も生きていく。
内気な次女、禰豆子が大好き。
ご近所トラブル5〜最終章 虚無感の結末〜
流石に 裁判となると 私も ビビり
「え、、そこまでする?」
と躊躇した。
夫はもう 戦闘モード。
「警察やアニマルパトロールの人たちが話してくれたのに それでも こちらも悪いと言う、謝罪も一切ない。
こんなことが許されていいはずがない」
と 法律に強い知り合いに相談したり 地元の裁判所での手続きの方法など 調べだした。
『裁判するする詐欺』では意味ないので 相手に最終警告をして それでも 意見を曲げないならもう 本当に裁判に持ち込む。
「あなたは 一度たりとも謝罪をしない、逃げ出したのはあなたの犬なのに それでもこちらも悪いと言う、
太郎が噛んでしまい 怪我をしたなら なぜ 写真を送ってこないのか。
あなたのように責任を取れないような人が動物と暮らしているのは どうかと思う。
私たちは お金が目的ではないが 誠意の形として 治療費をお願いしている。
それを拒否されるなら もう裁判しかないと考えている。」
このようなメールを送った。
翌日、速達で小切手が送られてきた。
裁判となると 今までの「俺は悪くない 」が通用しない、不利になると悟ったのか。
しかし 手紙には
『しつこい、裁判まで持ち出すなんて なんと卑怯なんだ、 警察を介入させたり うちの妻と娘が怯えている。
要求どおり 全額払う これで終わりだ、2度とうちに近づくな』
とすごい内容まで ご丁寧に添えられていた。
最後まで謝罪なし。
なんだか虚しさを感じた。
こんな人が動物を暮らすなんていいのだろうか、、。
太郎は 襲撃を食らってから 数日は外に出れなかった。
今でも 散歩中に他の犬と出くわすと緊張モードに入る。
うちの犬は フレンドリーだからー
と 前庭で フリーにさせている一家に数回出くわしたことがある。
かみこそしなかったが 太郎に向かい 一直線に来られると 私もフラッシュバックして 太郎を思わず抱えてしまう。
大丈夫だよー
と言われるが
「普段はフレンドリーって飼い主が思ってる犬に 噛まれたことがあるんです」
と言うと
あっ、、みたいな顔になる。
太郎がゆっくり歩くような今でも 三姉妹には絶対 リーチを持たせない。
持ちたい、 と言ってくるが 突然 太郎がグイッと引っ張った時に 対処できる力がない。
動物と一緒にいると癒される、幸せな気分になる。
でも そのぶん 責任も伴うってことも 三姉妹には わかって頂きたいと思う。
疲労困憊の三年前の夏だった。
ピットブル家族を 時々 通りで見かけるが 挨拶はもうできない。
私たちも 自分たちの考える正義感を振り回していただけなのか、今となってはよくわからない。
またあの日が近づく。
願わくは 太郎の心の傷が 癒されていて欲しい。
それだけだ。
新参者の猫にも寝床をシェアしてあげる 心優しい太郎、
いつまでも元気でいておくれ。



