術後録(1)脱水で救急搬送、そして人工肛門閉鎖 | 潰瘍性大腸炎さんがなかなか別れてくれない

潰瘍性大腸炎さんがなかなか別れてくれない

潰瘍性大腸炎歴30年目で大腸全摘した人のブログです。

手術後も潰瘍性大腸炎の薬が必要になるとは思っていませんでした。
潰瘍性大腸炎さん、いつになったらわたしと別れてくれますか?

 

潰瘍性大腸炎で大腸全摘し人工肛門(ストーマ)になったわたしは、予定より4ヶ月も早くストーマを閉じた。理由は度重なる脱水だった。

 

 

脱水症状は1回目の手術後すぐに始まった。術後3日目くらいで飲食がはじまり、それに合わせて点滴量が減った。するとたちまち脱水症状が現れた。

 

息苦しい。喉に何か詰まった感じ。はじめはそれが脱水からくる症状とはわからなかった。でも検査しても何も原因が見つからない。しばらくして脱水かもしれないと看護師に言われ、点滴量が増やされた。途端に苦しさが消えた。

 

 

術後1ヶ月経っても、わたしのストーマからは大量の水が出ていた。食事の途中にストーマパウチの排泄物を捨てるのも相変わらずだ。でも退院に向けて再度点滴量を減らした。点滴したままじゃ退院できない。

 

このころ、毎日しょっぱい系のおやつを口にしていた。また、足がつったり指の関節が動かなくなったりした。いま思えばこれも脱水症状だった。でも、このときは気づかず退院した。

 

 

そして退院10日後、激しい腹痛と下痢に襲われた。その翌日にはおしっこが出なくなった。もう自力で起き上がることもできない。わたしが潰瘍性大腸炎で通っている病院(手術した病院)は遠い。送ってもらうにしても長距離移動に耐えられそうにない。

 

やがて救急隊が来た。近隣病院に運ばれ点滴した。500mlでも水が入ると少し違った。おかげでその後の長距離移動に耐えることができた。(家族に病院まで送ってもらった。)再入院した。

 

 

入院すると毎日2000mlの点滴で身体は落ち着いた。でも手術を担当してくれた消化器外科の医師たちは困惑していた。わたしの小腸に。なぜこんなにもストーマから水を出すのか。

 

医師たちは、自分たちのミスも疑ったらしい。

 

いろいろ検査した結果、人工肛門を閉じてみようということになった。人工肛門を閉じれば、その分だけ小腸として機能する部分が増える。そうすれば水分吸収量が増える。

 

 

閉じた結果は良好だった。程なくして小腸は仕事を再開した。排泄物の色や水分量が変化した。医師たちは「やっと気づいてくれたか」と喜んだ。これはわたしの小腸に向けて言われた言葉だ。あなたには大腸の分も仕事してくれないと困る。

 

 

君は恥ずかしがり屋だったんだね。体外に出されていたのが嫌だったんだろう。何より、自分の一部を切り取られたんだもの、ショックだったよね。ごめんね。わたしは自分の腸に対してそう思った。