術後録(2)もしや回腸嚢炎?人工肛門閉鎖後の下血に焦る | 潰瘍性大腸炎さんがなかなか別れてくれない

潰瘍性大腸炎さんがなかなか別れてくれない

潰瘍性大腸炎歴30年目で大腸全摘した人のブログです。

手術後も潰瘍性大腸炎の薬が必要になるとは思っていませんでした。
潰瘍性大腸炎さん、いつになったらわたしと別れてくれますか?

出血に焦る女性の画像

 

潰瘍性大腸炎で大腸全摘したわたし。人工肛門を閉じて小腸の活動も安定してきた。それを喜んだのも束の間、まさかの下血。

 

 

あれ?便に赤色混じっている。看護師にも確認してもらった。下血でほぼ間違いない。

 

夜だった。医師はすでにいない時間。消化器内科の主治医(IBD専門医)に外科手術を勧められたときに聞いた回腸嚢炎が頭をよぎる。不安になった。

 

 

スマホで回腸嚢炎を検索してもヒットするのは「まれな症例報告」ばかり。でも読めば心の準備ができる。

 

潰瘍性大腸炎の術後、回腸嚢炎になる人の割合も調べた。ある大学病院のサイトでは20%〜80%とある。いくらなんでも幅をとりすぎじゃないか?

 

ある論文には「近年は手術適応例がほぼ重症患者のため、回腸嚢炎の発症頻度が増加傾向」とある。重症潰瘍性大腸炎患者は回腸嚢炎になるリスクが高いということか。

 

 

夜、たまたま残っていた外科医の1人が病室に来た。直腸診の要領で肛門に指を入れると「血つかないよ?」と。でも安心はできない。「問題はどこから出血してるかだよ」その外科医は言った。肛門管の吻合部を心配しているようだった。

 

 

次の日、内視鏡検査を受けた。消化器内科の主治医(IBD専門医)が担当してくれ、「肛門ずっと休んでいたから便が通るようになって切れちゃったんだね」「大丈夫、痔の薬で治るよ」と。その言葉に安心した。

 

 

とにかく、回腸嚢炎ではなくてよかった。しかし大腸がなくなったら次は肛門から出血だなんて、どれだけわたしの体は血を流したいのよ。少し自分の体に呆れた。このころはまだそんな余裕があった。気分がよかったのだ。ストーマの悩みから解放されたことも影響していたかもしれない。

 

 

処方された痔の薬は強力ポステリザン軟膏。痔の治療ははじめてだ。看護師によるとこの薬は患者さんの評価が高いらしい。名前からして強力だもの、よく効くのだろう。

 

人工肛門閉鎖から約1ヶ月後(大腸全摘術からは3ヶ月後)、わたしは下血のあるまま退院した。