皆さま、「氷艶」ライブビューイング祭りは楽しまれましたか?
筆者は、よりにもよって「7月4日の13:30~」で「きもの展」の日時予約を先に入れてしまっていたので(←馬鹿ば~か!w)、多くの輔友さん達とは違う場所で、美しい衣裳たちを満喫しておりました(⌒▽⌒)アハハ!
ま、前記事に書いた通り、七夕の日に無事、彦星様にはお目もじ仕りましたけど(๑・̑◡・̑๑)
いや、あんなに開催されるんだろうか?とやきもきしていたものが、一部展示が取りやめになったとはいえ、ちゃんと開催されて、しかも、日時予約制のおかげで、企画展にありがちな「人観に行ったんだか、展示物観に行ったんだか( ;∀;)」てな事態にも陥らず、ゆったりじっくり鑑賞できたんですから、本当に嬉しかったですよ!!(*^▽^*)
室町時代から連綿と続くきもの(但しほぼ小袖と帷子だけで、男性の衣裳は信長・秀吉・家康の衣裳と若衆のものくらい。火消し半纏は、、、きものっちゅーか特殊防護服やな)のモードの変遷をずーっと観てきて、後半の展示室の大正から昭和にかけてのコーディネイトを見ると、ああ、この国はなんて豊かになったんだ!!と改めて心揺さぶられました。
だって、前半の展示の大半は、宮中や大名家の、ごくひとにぎりの上流婦人しか身に着けられないもので占められていましたから。高台院(ねね)とか徳川家から皇室にお嫁入りして雁金屋(尾形光琳・乾山の実家)を贔屓にした和子とか、和宮とか天璋院篤姫とかね。
それが、カラフルでポップでキュートな日常着、銘仙になってお洒落バクハツ!
本当にコーディネイトが自由。キッチュだったり斬新だったり、その帯合わせや小物使いを観るだけで、もう、ワクワクしてしまう(≧∇≦)
そうして、着物が日常生活から少し遠くなっている現在を代表する、三人の人間国宝のお作と久保田一竹の連作を観て、改めてその「新しさ」に感動するのですよ。
なんというか、展示による大河ドラマを観るようでした(#^.^#)
会期後半には、大きく展示替えもあります。どうか、これ以上コロナ禍が酷くなることなく、残りの会期もつつがなく開催されますように。。。と祈らずにはいられませんでした。
さて、ちょっと間が開いてしまいましたが、今日は松浦様です。
ええ、お気づきかと思いますが、表題でも「様」付きです。あの神々しいほどのスターオーラを浴びて、「様」つけずにいられますか?てなもんです。
正直申しまして、「月光かり」最大の不満点は、「松浦様の描写が足りない!!!!」ことであります。
はい、わかってますよ。あんまり松浦様のエピソードを厚くしすぎると、あの圧倒的スター性と相俟って、物語の軸がブレまくってしまいかねないって。
それでも!私はもっと松浦様が観たかったんだーーーーい!!(つд⊂)エーン
ねーねー、どーしても2時間以内の尺に収めなきゃダメだったの?放送枠とかの問題?円盤出す為の伏線?(なら赦す←何様?)
いいじゃん、10分くらい足しても。
あそことかこことか少し削って、それを松浦様に足して、5分延ばしてくれるだけでも!←しつこいわっ!!
・・・などとぶつくさクドクド言いたくなるほど、本当に魅力的なキャラでしたよねっ(*^-^*)
まずは、全身とパネルをどうぞ。
例によって大きくハズしてはいるんですが、開幕前にも記事書いているので、できればこちらも読んでいただけると、とっても嬉しいですm(__)m
松浦たち明石の民のお衣裳は、いわゆる「きもの」っぽくなくて、過去記事にも書いたように、異なる文化に属する民たちに見えます。時代考証とか、そんな野暮なもんは気にしない、気にしない(^_-)-☆
衣裳展では、こういう↓黒っぽい鬘になっていましたが、実際の上演での松浦様のお髪は、もっと太陽に灼かれた感じの薄茶色でしたね。
サッシュベルトやアームカバー、脚絆等には革が使われて野性味を醸し出し、大小多色多様なビーズで作られた首飾りに、ほんのり女らしさもたちのぼる。
↑肘の部分の模様などは、やはりアイヌの民族模様を彷彿させられます。
↓一方、袖なしの打掛の地紋は、有職紋様の小葵紋様と轡唐草紋様を足して2で割ったようなエレガントなもの。
「自由・平等・博愛」の「自由」を象徴する青を基調に、黒・赤・白で鳥や魚を連想させるアイヌ民族調の模様を描き、「長」らしく金糸の縁取りも少々。
それでいながら、インナーは明るめの藍色一色。
地紋はいわゆる杉文(すぎあや)。うーん、メンズライク♪
「男として育てられた海賊の長」の複雑な在りようを、衣裳でも語っています。
ちょっと角度を変えて撮ってみました♪
なかなか複雑なつくりです。
部下の海賊の青年↓のお衣裳と比べると、その差は歴然としていますね(*´艸`*)
地紋のないあっさりした藍地の袖なしの着物、白と赤と青のあっさりめの模様の縁取り、黒革のサッシュベルトにこれまたクーフィーヤみたいなターバン調のかぶりもの。
松浦様、色そのものはトリコロールで皆と基本的に一緒なのに、やはり際立って華やかです💛
二幕の冒頭、松浦様が姿を現し、歌い始めた途端に、場内の全ての視線が、ただお一人にのみ集中しているのを、ひしひしと感じました。
打ち振られる海賊たちの旗も、イキイキとステップを踏む咲風ちゃんも、このお方の圧倒的存在感と華をいっそう際立たせる為にそこにいるかのよう。
実は、都の身分秩序の上では、地紋のある着物を身に着けられるのは、一定以上の身分の人に限られていました。
さらにその中でも、既に採り上げた雲立涌紋様は大臣か親王の指貫に用いるもの、とか、細かい決まり事があって、今言うところの「有職紋様」などは、ほとんどその流れを汲むものです。
あー、うるさい!そんなんどーでもいいじゃん、似合うものを似合う人が素敵に着れば!!と思うのが近現代の価値観ですが、秩序があるからこそ逆に自由奔放というものもあるわけで、それこそ風まかせ潮まかせの自由不羈な海賊たちが、実はさりげなく、そういう身分の上下を衣裳の地紋で表現しているって、なかなか皮肉が効いてて、おもしろいですよね?
~続きます~