ぺぺぺの会+いいへんじ
『LifeとWork』Bチーム

2024年11月27日(水)〜12月2日(月)
早稲田小劇場どらま館
ぺぺぺの会
『BODIES』
作・演出:宮澤大和
出演:熊野美幸
STORY
何度倒れても起き上がる、まるで七転び八起きを具現化したような人間だね〜って言われるワタシ。起き上がり小法師? んなわけあるかい! でもね、何度倒れてボロボロのこの身一つになったってワタシはよみがえる。墓場からゆりかごへ。【公式サイトより一部修正】
『竜巻』
作・演出・出演:小澤南穂子
STORY
時計の針が回って、赤に右足、左手緑。めぐる秒針は逃してくれなくて、わたしは、いつの間にかちぎれるみたいになる。赤に左手、右足緑。手の上に赤足3足。めぐる時間は許してくれなくて、ワタシは、いつの間にかわからなくなる。今月は60万稼いだ。生きる意味?...ナニガ??【公式サイトより】
〈STAFF〉
照明プラン:緒方稔記(黒猿)
照明オペレーション:中村仁(黒猿)
音響プラン:大嵜逸生(くによし組)
音響オペレーション:琇
演出助手:坂本奈央(終のすみか)
映像撮影・編集:ロブ・モレノ
宣伝美術:たかはしともや(Moratrium Pants)、羽田朱音
制作企画:石塚晴日 制作経理:佐藤鈴奈
ぺぺぺの会といいへんじがそれぞれ3人ずつ「LifeとWork」をテーマにして一人芝居を上演。Aチームに続いてBチームを公演映像にて鑑賞。
このチームのみぺぺぺの会が先。
熊野美幸さんは鳶職人のような格好で祭囃子をバックに江戸っ子口調でステパーノヴィチなる人物の話をする。やがてそれが彼女がかつて撮影した映画の内容だと分かる(説明しながら普通の服装に着替え)。
後半はその映画監督の62歳になる先生に切り替わり、これまでの来し方を振り返り、死に思いを巡らせる(妻も登場)。そこから沖縄の基地に勤める息子との対話になっていくのだが、終わり方がやや唐突でタイトルの意味も含めて全体的に何を言わんとしているのかよく分からなかった。
次はいいへんじの小澤南穂子さん。
舞台には一体の人形と一台の自転車。
主人公は演劇をやりながらペットショップでアルバイトをしている三木はじめで、三木が自分の葬式の場所に現れて死んだことに気づく。葬儀では幼馴染のやっちゃんやバイト先の店長・スミダなどがスピーチをする(ご歓談くださいなどとまるで結婚式のようなアナウンスも流れる)。
一度きりの人生、夢と現実、仕事と生活、タイトルの竜巻のごとく胸に渦巻く思いに満ちた作品だった。
これで3チームとも観たが、どのチームもいいへんじの方がよかった。いいへんじが3人それぞれが作・演出・出演をしているのに対し、ぺぺぺの会は作・演出はいずれも宮澤大和さんで演者のみ変わるという違いもあってか、いいへんじの方がより自分の思いを発していると感じられたせいかもしれない。
映像時間55分(ぺぺぺの会23分、いいへんじ32分)。