連続テレビ小説『カーネーション』第10週「秘密」(第56回) | 新・法水堂

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連続テレビ小説『カーネーション』
第10週「秘密」(第56回)


作:渡辺あや
音楽:佐藤直紀 演奏:フェイスミュージック
主題歌:「カーネーション」椎名林檎


出演:
尾野真千子(小原糸子)

駿河太郎(小原勝)

田丸麻紀(安岡八重子)

柳生みゆ(小原静子)、玄覺悠子(縫い子・昌子)、坂口あずさ(小原清子)、杉岡詩織(小原光子)、春やすこ(大山)、飯島順子(木岡美代)、大谷澪(りん)、那々實あぐり(近所の主婦)、宮川サキ(同)、田中恵理(洋装店の客)、谷村真弓(同)、永井貴也(職人・中村)、今村雄一(職人)、花田優里音(小原優子)、心花(小原直子)、高田真衣[クレジットなし](縫い子・幸子)、吉沢紗那[クレジットなし](縫い子・トメ)、橋爪未萠里[クレジットなし](同)、イズム、ルート、NAC、グレース

小林薫(小原善作)


STORY


翌朝。八重子が来て、糸子を連れ出す。玉枝のことを堪忍してやって欲しいという八重子は、戦争が始まってから店がかなりしんどくなり、勘助もあんなことになって玉枝が笑わなくなり、自分たちにも当たることが多くなったと事情を話す。それでも元々の根はいい人だから、またあの優しいお義母さんに戻ると言う八重子だったが、糸子は自分はおたくらの身内とは違い、辛抱する筋合はないと答える。玉枝は糸子が店を繁盛させているのが目障りで、勘助の世話を焼くのが鬱陶しいのだと推測する糸子は、堪忍するかどうかの話ではなく、近づくなと言われたのだから金輪際近づかないと宣言する。自宅の2階に戻った糸子は、嫌がる直子を抱きしめながら八重子に当たったことを自責する。泣き出した直子に対し、「堪忍な。何やっても鬱陶しいお母ちゃんで」と言うと、横たわって泣き出す。下では昌子が糸子を探していた。勝から2階にいると聞いた昌子は不貞寝している糸子を見つけると、2月から衣料切符が始まって自由に商売ができなくなるからその前にできるだけ注文を受けておくと言っていたのは誰かと問い質す。糸子は自分が儲けたら他が儲からない、自分が稼がないのが世のためだと答えるが、昌子は顔を真っ赤にして糸子の脚を引きずり、縫い子を7人も抱えて寝ぼけるのも大概にして下さいと叱責する。そのまま足を引っ張り続け、階段を転げ落ちる2人。勝たちが心配する中、糸子は立ち上がり、首の骨を鳴らすと、目覚めたと言って客の応対を始める。昌子の言う通り、自分には家族がいて7人の縫い子を抱え、たくさんの客を待たせている。どれだけ恨まれようと負けるわけにはいかないと思う糸子。夕方。糸子は直子をおんぶしながら、野菜と魚を安岡家の玄関先に置くと、「さいなら。もう二度とけえへんよって」と小走りに立ち去る。河原まで来た糸子は「悪いけどな、うち負けへん。戦争にも貧乏にも勝って勝って勝ちまくるんや。嫌たかったら嫌たらええ。なんぼでも嫌てくれ」と言って涙を流す。昭和17年(1942)9月。光子と清子が勤め先をクビになったので、糸子の店で雇うことになる。男子の職人2人は紳士服の注文がないため、1階の手伝いをさせており、更に善作が店の手伝いに来てくれるようになった。2月から衣料の買い物には切符が必要になっていた。店に来た大山に切符8点と4円に負けておく糸子。善作は点数分の切符を切って帳面に貼る作業を受け持っていた。月末にそれを配給所に申告すると、貼られた分だけ仕入れることができるのだが、運のいいことに組合が配給委員を勝にやらせてくれたため、デシン(薄地のちりめん)を多めに仕入れるなど融通を利かせることができた。人絹(人造の絹糸)の方が安いし点数も多くてよく売れると言う勝だったが、糸子は安くても着ているうちに駄目になるものを客に勧める気にはなれなかった。表では、優子が地面に絵を描いて、美代たち近所の主婦に褒められていた。そこへ直子がやってきて絵を踏み消してしまう。そこへ糸子が家に入るように2人を呼びに来るが、優子は直子を突き飛ばすとその場を立ち去る。泣き出した直子を抱きかかえてあやす糸子のお腹にはまた新しい子がいた。糸子が家に戻ろうとすると、ちょうど出かけようとしていた勝に出くわす。夜釣りに誘われたという勝を見送る糸子。それを見ていた昌子は本当に夜釣りでいいのか、勝が何を釣りに行っているのかよく考えて下さいと言うが、糸子はめんどくさいと言って店の中に入っていく。糸子にとっては、昨日の仕入れ、今日の注文、今月の損益、家族の健康、戦争はこの先どうなるのか、考えなければいけないことが多すぎていちいち勘繰っている暇がないというのが正直なところだった。勝のいいところはどれだけ1階が繁盛しても僻まず、妬まず、ほっといても上機嫌でとにかくかさ高くない、糸子には充分都合のいい旦那だった。同年11月。勝はたまには歌舞伎を一緒に観に行こうと糸子を誘う。


勘助問題、まだまだ引きずるのかと思いきや、階段落ちのおかげかすっきり復活。昌子の真っ赤になった顔を見て、ぽかんと口を開けている直子がよかったですね。笑
あっという間に9ヶ月、更に2ヶ月が経っていましたが、その間も安岡家には一切近寄らなかったんでしょうかねぇ。現在の勘助がどんな状態なのかちょっと気になるところです。

その間に糸子は第3子を妊娠。
しかし勝は何やら怪しい動きを見せ…。
そんなことはどうでもええというのも糸子らしいところですが、やはりこれぐらいのバイタリティがなければ、戦時下に9人の縫い子を抱えて店なんて切り盛りできませんわな。
最後に歌舞伎に誘っていましたが、その真意やいかに。
また春太郎が出てくるのでしょうか。
ところで直子は二代目になってからちょっと大人しくなってしまいましたね。演じる心花(このか)ちゃんは4歳にして芸名を使用しているのか。糸子の幼少期としても出演していたようです。

今回は勉強になったことが2つ。
1つは衣料切符のシステム。もちろん聞いたことはありますが、こうやって仕組みを解説してもらったのは初めてのような気がします。
もう1つは「かさ高くない」という言葉。「かさ高い」というのが横柄な態度を取るという意味で使うんだそうで。へえ。