エトエと自己批判ショー『コント合衆国』 | 新・法水堂

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演劇と映画の日々。ネタバレご容赦。

エトエと自己批判ショーの合同コント公演

『コント合衆国』



2024年11月16日(土)・17日(日)
北とぴあドームホール

作・演出・構成:エトエ(滑川喬樹)、自己批判ショー

音響:佐藤ヒサコ
照明:小原広充(演劇の会MOO)
映像オペ:中川虎志朗

制作:中川あや、高崎佳代、やまぎしはるな、紺野秀行、岩瀬マーキュリー
音楽:川辺健
宣伝美術・動画&映像制作:文化照店
楽曲提供:POCKET

出演:
●自己批判ショー●
川辺健
佐藤ナオト
鮫島ひかる
田巻剛
山本治
茅野愛
●エトエ●
すずき環
古賀眞弓(自己批判ショー)
石原晴仁
木内コギト(\かむがふ/)
滑川喬樹

演目:
■オープニングコント
世界プロレフェリング選手権
出演:川辺(レフェリー)、佐藤(レフェリー)、田巻(レフェリー)、滑川(レフェリー)
■自己批判ショー
1. 地球外生物特殊捜査官
出演:鮫島(捜査官)、佐藤(部下)、川辺(口だけ星人)、茅野(めぐみ)
2. ラジオ体操第一のつもり
出演:田巻、山本、鮫島、川辺
3. 結婚の挨拶 byエトエ
出演:佐藤(ナオト)、茅野(ナオトの恋人・愛)、山本(愛の父)、鮫島(愛の母・ひかる)
4. 閻魔大王の地獄裁判
出演:鮫島(小犬を救おうとした女)、川辺(ステテコの男)、田巻(青鬼)、山本(閻魔大王)、佐藤(神様)
■エトエ

1. 家族

出演:古賀(母)、すずき(嫁)、木内(NHK受信料集金人)、滑川(息子)
2. デスゲーム

出演:木内(捕らわれた男)、石原(愉快犯)、古賀(愉快犯の母)
3. 余命

出演:すずき(みゆき)、滑川(みゆきの恋人・斉藤ケンイチ)、木内(友人・谷田)、古賀(女の母)、石原(通りすがりの人)
4. 警部と部下

出演:木内(部下)、滑川(警部)、すずき(犯人)
~JASRAC鎮魂曲 by自己批判ショー

出演:木内(部下)、滑川(警部)、石原(JASRACの人)、すずき(犯人)
合同コント

鮫島ひかるの事件簿

出演:鮫島(警視庁捜査一課刑事)、田巻(助手・田巻少年)、山本(ホテルのオーナー)、佐藤(オーナーの息子、ホテルのボーイ)、茅野(その姉、ホテルのコンシェルジュ)、川辺(川辺)、 すずき(結婚相手を探す女・よしこ)、古賀(よしこの母)、木内(よしこの父)、石原(宿泊客・医者)、滑川(同・シンガーソングライター)

1995年結成、茨城県を拠点に活動するコント集団・自己批判ショーと滑川喬樹さん率いるエトエの合同コント公演。

北とぴあのドリームホールは元々プラネタリウムだった場所とのことでアクティングエリアはさほど広くはなく、カーブを描く壁には映像を投射。それぞれの団体のロゴの入ったボックスがいくつかあり、椅子やカウンターとして使用。

オープニングコントに続いて、自己批判ショー、エトエがそれぞれ4本ずつコントをやり(うち1本は双方のネタを上演)、最後に合同コントという構成。
オープニングコントはレフェリーとレフェリーが対戦し、それを判定するレフェリーがいて、更にもう一人レフェリーが加わり…という見た目からしてくだらなくも(褒め言葉)面白い。まさにつかみはOKという感じ。

自己批判ショーは初めて見るが、全体的なバランスが取れていて何でもできそうな団体だなというのが第一印象。劇団員は他にもいるようだけど、川辺健さんがちょっと独特な存在感。
「結婚の挨拶」はエトエの公演『もうグレイテスト・ヒッツ!!』で見ているけど、笑っているうちに怖い話になる展開が見事。

エトエの作品もどれも笑えたが、中では「デスゲーム」で男を捕らえた仮面をかぶった愉快犯が、自分で仕掛けたことなのに(足を切らないと逃げられない、首の後ろの皮膚を切り取らないとパスワードが分からないなど)エグすぎると言って気分が悪くなるというお間抜け具合が実に面白かった。しまいには母親まで出てくるし。

「家族」「余命」での噛み合わない会話も真骨頂。自己批判ショー提供の「JASRAC鎮魂曲」は、死にかけている警部がJASRACと包括契約を結び、X JAPANの「Forever Love」を流してもらうというコント。ちゃんと流れたということは本当に契約しているのね。笑

最後の合同コントは、鮫島ひかるさん扮する刑事と田巻剛さん扮する30代半ばの田巻少年が事件が起きない事件を解決せんとするナンセンスコメディ。
滑川さんがギターを持って現れると、御徳寺まりの応援歌を思い出してしまうなぁ(システム個人『御徳寺探偵草臥儲け』参照)。

上演時間1時間45分。